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UMA君のお部屋

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年越し山行

2013-01-02 07:39:07 | 山歩き…アルプスの山
山名:南アルプス 八本歯ノ頭付近まで

山行目的:”冬の白峰三山縦走する”でしたが…

山行日:2012年12月30日(日)~2013年1月1日(火)

天気:30日雨 31日晴れのち雪 1日晴れ

山行者:単独です。

CT:
30日 自宅11:00=岐阜各務原IC=新清水IC=草塩温泉=奈良田ゲート17:30(車中泊)

31日 奈良田ゲート6:02…あるき沢橋(吊尾根登山口)8:57…

池山御池小屋12:29…標高2440m付近14:10(テント泊)

1日 標高2440m付近6:17…ボーコン沢ノ頭7:19…八本歯ノ頭付近8:06…

標高2440m付近9:35~10:39…池山御池小屋11:12…あるき沢橋13:14~

13:29…奈良田ゲート16:26/16:43=新清水IC=岐阜各務原IC=自宅22:34

≪30日≫
この日は雨で移動のみ。

新東名高速を使い新清水ICで降りる。

さらに一般道を北へ70キロ程。

途中、草塩温泉(日帰り施設¥500)に寄る。

集落の中のこじんまりとした立ち寄り湯、温まりました。

奈良田温泉を過ぎ橋を渡り暫く走ると冬期通行止めのゲート。

近くの駐車場は関係者のみとなっているが、

停めてある数台の車は他県ナンバー。

多分お仲間さん、ということで自分も停めさせてもらう。

今夜は車中泊。

後部座席を倒しベッドルームを作りシュラフに入ってオヤスミ。

≪31日≫
目覚ましに起こされる前に自然と目が覚める。

4時半前、空を見上げてみるとお月様と星が見える。

天気良さそうだ。

この日の予報は稜線上は荒れるが回復傾向との事。

麓は晴れマークなので、登るにつれ悪くなるか。

まずは目の前に立ちはだかるゲートを越えなくてはならない。

インターネットで調べたとおり、左側からよじ登る。

ザックを背負ったまま、結構大変だった。

向こう側に降り立ってまずはホッ、第一関門突破かな?

登山口のあるき沢橋までは約12キロの長い長い林道歩き。

照明の無い真っ暗なトンネルも幾つかあり、

ヘッドライトなしではおっかない。

一番長かった新鷲住トンネルは1キロ程。

等間隔で光る非常ベルの赤いランプ…なんだか不気味だ。

林道を歩いていると左(西側)の沢に幾つか滝が見える。

橋にはご丁寧に○○滝と書かれた標識が。

行きは薄暗くてよく分からなかったが帰りはハッキリ見ることが出来た。

水量は少なかったけど、どれも落差がある立派な滝だった。

林道の雪は端にちょこちょこっとあるのみ。

奥の方で工事やってたみたいなので業者が通れるように

またはダム関係者のために除雪してあるのだろうか。

日が当らないところが多く、凍結している所があった。

3時間程あるいてようやくあるき沢橋に到着。

橋の脇に自転車が2台停めてあったけど、

どこから持ち入れたのだろう、凍結箇所もあるというのにスゴイ。

ガイドブックにも書いてあったがいきなり急登だ。

しかも積雪があって、融解して再凍結している。

カリカリでそのまま登るのは危険、始めからアイゼン装着した。

池山南東尾根に乗っかるまで急登は続き、

特に中盤から上部にかけては超急登+カリカリで危険な通過があった。

尾根に乗っかると池山までは緩やかな登り、

どこが最高点なのか解らない池山を緩やかに下って行くと

広い雪原に出た。池山御池だ。

雪原の向こう側の森の中には池山御池小屋。

計画ではこの日の行程はココまでだが、

翌日の行程を楽にするため、もう少し上げることにした。

池山御池小屋付近はなだらかな地形で設営欲!?がうずく。

でも翌日楽な方がいいし…泣く泣く諦めた。

城峰から砂払まではテント適地が幾つかある。

城峰から鞍部へ下り少し登り返した標高2440m付近に適地があったので

そこに張ることにした。

今回投入したNewテント”ニーモテンシ”。

まだ屋外で張ったことは無く、今回が初めて。

自宅内で練習した通り張る。

極寒の中(といっても-7℃くらい)だからか生地が強張っていて

張りにくいように感じた。

本体は何回か練習していたので、それほど時間は掛からなかったが、

前室の取り付けには時間が掛かった。

本体と前室の連結はファスナーだが、

最初の部分がなかなかはまらない。

寒さで生地が強張って延びないからだろうか。

すぐ近くで5人パーティが協力し合ってそそくさと設営していたので、

なんだか恥ずかしかった(思い込み)

テント泊初めての人だと思われてたらどーしよう―…って。

まあ、このテントでは初めてなんですが。

何とか設営して竹ペグでペグダウン。

竹ペグは山の会からの借り物だが、ただの竹棒でなんの加工もされてない。

自宅で加工したもの(ドリルで真ん中に穴を開け細引きを通したもの)を持ってきた。

やっぱりこの方が使いやすい。

会の押し入れの中にある竹ペグはただの竹棒で何にも

加工されてない物ばかりだけど、皆どうやって使っているのだろう…。

細引きでクルクルっと巻いただけではすっぽ抜けそう。

設営終わるとナント15時を回ってる、設営に1時間カカリスギデス。

ベッドメイキングを済ませ、水作りと夕食を並行してやった。

水作りと夕食が終わった頃にはとっぷり暮れていた。

翌日の天気予報をケータイで確認、朝のうち風は強いが晴れるとの事。

しかし翌々日から大荒れの天気に逆戻り。

事前に調べておいた天気予報でも2,3日は怪しいとの事。

2日も停滞したら予備日がなくなってしまう。

先には進めなくなるだろうから、翌日は北岳ピストンに変更した。

すぐそばのテントからは笑い声、楽しそう。

自分で望んだ単独山行だけど、

やっぱ近くでワイワイやってるの見たり聞いたりしちゃうとイイナァ~って思う。

こんなこと書くと”山の会”仲間からご指摘受けそうですね。

じゃあ一人で行くなっ!一緒に御嶽に来いって(笑)

夜中何度か目が覚めた。

シュラフカバーを忘れたから今一暖かさを感じなかったためか。

まあ、山では熟睡することはあまりないけれど。

ゴーゴーと音を立てて風が吹き何度かテントが揺れた。

≪1日≫
4時半に起床。

荷物を全部まとめる必要がないのでのんびり出発…。

のつもりだったけど、のんびり過ぎて数分遅れた。

ピストンだけなのでテント、シュラフ、スコップ、行動食以外は置いていく。

ざっと計算して7,8キロは軽い。

歩き始めの十数分はキツイが身軽が幸いして足取り軽やかだ。

樹林帯の中の展望地から見える夜明け前の空色は美しい。

天の漆黒から地平線のオレンジへとかわるグラデーション。

この感じが好きだ。

目の前には富士山、左へと目をやると鳳凰三山が見える。

さらに登って行くと、歓喜の声。

振り返ってみると、夜が明けそうだ。

立ち止まって待っているとそれは来た。

御来光だ。

富士山の左から広がる明り、山からのご来光は何度目かな。

いつ見ても素晴らしい、感動する。

ちょっと涙が出た。

砂払までくると森林限界を越える。

南の方へと目をやると朝焼けに色付く農鳥岳~間ノ岳が見えた。

物凄く大きな山、これをこの時期縦走しようなんて考えた自分を恥ずかしく思った。

う~ん、無理そうだな~今の自分には。

真っ白で何も生えてないように見えるボーコン沢ノ頭に一歩一歩登って行く。

うっすらと新雪が掛かっているがその下は締まっていてアイゼンの刃が良く食い込む。

不思議なくらい風は穏やかで、雲もほとんどない、ベストコンディション。

ボーコン沢ノ頭に立つと目の前に向かう北岳が大きく現れた。

八本歯ノ頭まで続くなだらかな稜線、その先は難所、そして急登の先に目指す頂。

白峰三山、塩見岳、鳳凰三山、甲斐駒、南アルプスの山々がすべて素晴らしく見えた。

たまに来る強風を逃しながら一歩一歩先に進む。

一時間足らずで八本歯ノ頭に着いた。

その先は解りやすいぐらいの難所。

ロープは出ている、梯子の状況はここからでは見えない。

すでに鞍部から岩稜に取り付いているパーティが見えた。

その後ろのパーティは梯子のところでザイルを出していた。

梯子は雪で埋まっているのかそうでないのか…。

頭からまずは5m程の下り、前向きで降りれなくはないが

下りた先は崖なので雪面に向き合って降りる。

次は片側が切れ落ちたところをロープを頼りに…怖いかも。

次は1,2歩だが両側が切れ落ちていて、ロープは離れている。

その先は片側切れ落ちていて…。

梯子までは対して距離ないのだけど、足が止まってしまって怖いと感じてしまった。

立ち止まっている時間が長くなると恐怖心も大きくなる。

行けそう…でも、足元が崩れて落ちたら…。

1分立ち止まっていたかな?怖いという思いにかなわなくなり引き返し決定。

次にやってくる登山者は難なく越えていくけど、

やっぱり自分には駄目でした。

白峰三山縦走できず、北岳も登れずで凄い悔しかったなー。

なんだか自分だけが取り残されたような気分でした。

戻る途中で北岳バックに写真撮ってくれた単独者が

”去年も一人で来て北岳からの下りで骨折しちゃって…今回はリハビリ兼ねて。”と。

あきらめちゃ駄目だなって思いましたね。

まあ、今回は背伸びし過ぎた!これが結論。

難なく登って行っちゃう登山者は自分よりスキルが上だから。

今回の計画は失敗だった。

コンディションとか抗えない部分もあるけど、

厳冬期八ケ岳(赤岳)の次に南アルプス北岳は背伸びし過ぎた。

でも、いい経験にはなったと思う。

なんでもやってみないことには肌身感じて解らないからね。

今度はもっと自分にあったところから登ろうと思う。

ガイドブックと山仲間と相談して。

ややブルーな気持ちのままテント撤収、下山を開始した。

池山御池から下の急登はやっぱりカリカリで登り以上に恐怖を感じた。

夏の奥穂~西穂縦走した時よりもヒヤヒヤだったかもしれない。

今までの下山でこんなに緊張し、慎重になったのは初めてじゃないだろうか。

結構時間掛かるかなと思っていたが1時間足らず。

なんや~いつもと一緒やん。

あるき沢橋からウンザリするくらい長い長い林道を3時間掛けてゲートに到着。

最後の力を振り絞ってゲートをよじ登り越える。

行きよりは気持ち楽だったかな?最初の足掛ける箇所変えたから。

薄暗い中、マイカーに到着。

お疲れ様、自分。

悔いは残るけど、楽しい山行でした。

うーん、でもやっぱり物足りない感が残る。

さあ、次はどこを登ろうか。



夏の南アルプス縦走

2012-08-15 14:17:36 | 山歩き…アルプスの山
山名:大無間山~大根沢山~光岳~茶臼岳

山行目的:南アルプス深南部を縦走する

山行日:2012年8月11日(土)~14日(火)

天気:11日くもりのち雨 12日晴れ一時ガスか雨 
   13日朝のうち晴れのち雨一時ガス 14日雨のち晴れ

山行者:単独です。

CT:
11日 自宅12:10=岐阜各務原IC=島田金谷IC=沼平18:30{自転車デポ}=

てしゃまんくの里19:00(車中泊)

12日 てしゃまんくの里5:50…小無間小屋8:43…小無間山11:02~11:31…

中無間山12:06…大無間山13:06~13:41…三方峰14:35(テン泊)

13日 三方峰4:47…アザミ沢で水補給5:54~6:22…大根沢山7:41…

コル9:07…西俣山11:11…信濃俣12:47…

百俣沢の頭南東2180ピーク付近14:30(テン泊)

14日 百俣沢の頭南東2180ピーク付近5:07…百俣沢の頭5:50…光岳6:44…

光小屋6:55…易老岳8:30…仁田岳希望峰9:39…茶臼岳10:11…茶臼小屋10:30…

横窪沢小屋11:38…畑薙大吊橋13:55…沼平14:35→(自転車)→

てしゃまんくの里15:42/16:24=川根温泉(入浴・食事)17:45~18:30=

島田金谷IC=岐阜各務原IC=自宅23:50

≪11日≫
午前中、仕事があったので昼過ぎに自宅を出発した。

この日は下山地に自転車デポしたら登山口付近で車中泊だ。

流石南アルプス、登山口まで半日掛かる、結構な長旅だ。

途中、出来立ての新東名高速を利用した。

勾配が殆ど無く、殆ど直線、

カーブがあっても緩やかで、車線も広く走りやすい。

走行車線は80~100kmで巡航できるが、

追い抜き車線はものすごいスピードで車が走り抜けて行く、

ぼわれたくなかったら走行車線が無難だ。

高速を下りてから沼平までが結構な距離、

大井川沿いを上流へ向かって走る。

途中くねくねとした道を走り畑薙第一ダム構造体の先の沼平に到着。

駐車場はそれ程混んではいない、登山計画書を提出し、

自転車を小屋の軒下に置かせてもらう。

デポが済んだら登山口の田代中へ戻る。

田代中のてしゃまんくの里(駐車場付き公衆トイレ)に

車を停めて仮眠する。

この日は生憎の雨、落ちる雨粒がルーフに当たりポタポタ音を

立てなかなか眠りにつけなかった。

≪12日≫
セットした目覚ましが鳴る前に目が覚めた。

駐車場に停めてあった2台の持ち主が準備している。

僕と同じく大無間方面へ向かうのかと思いきや、

車に乗り込み何処かへ行ってしまった。

朝食をとり準備し出発する。

天気予報では今日は雨だと言っていたが

どういうわけか青空が広がっている。

諏訪神社の鳥居を潜り登っていく、

林道を横切りさらに登ると神社境内と登山道へ分岐、

登山道入り口には登山届ポストがあった。

小無間小屋までは普通の樹林帯の登山道だった。

里山の登山道と何ら変わりないあるやすい道。

途中前方から60L程のザックを担いだ単独男性が下りてきた。

大無間山を往復したのだろうか、

てしゃまんくの里に昨日すでにあった軽バンの持ち主だろうか?

あいさつし涼しい顔で下りて行った。

一時間おきに休憩を入れながら3時間程で小無間小屋に着いた。

小無間小屋は手前にある小ピーク頂から一段下がった樹林帯の中にある。

ドアを開けると狭い土間、中は板張りで囲炉裏の良いなものがある、

火を焚いた匂いがしっかり染みついており中で泊ってみたいとは思わない。

外には雨水を桶に溜める仕掛けがあった。水場が付近にないからだろう。

万が一火事が起きた時の初期消火用か、

飲用にするなら濾過煮沸しないと飲む気にならなそうだ。

小屋手前のピーク頂は小さな広場で南側が開けている。

残念ながら朝方広がっていた青空も、

この時にはガスが辺りを覆っていて眺望を望めなかった。

小屋を過ぎるといよいよ難所の鋸歯である。

ポコッポコッとした小ピークを3ツ越えて行く。

岩と木の根っこがむき出しの尾根、

結構急な所も何カ所かありよじ登る感じで通過していく。

鋸歯を越えてもまだ油断ならない、小無間山への最後の登り、

標高差にして300m程か、まずは両側の山肌が抜けている所通過。

ここも結構急で、ロープが掛かっている所もある、よじ登る感じである。

ガスが掛かって高度感があまりなかったのが救いだった。

300mの急登をやり終えると小無間山頂、

今日のエライところはこれにて終了。

頂は樹林に囲まれていて全く展望がなかった、

あれだけ苦労して登って来たんだからご褒美の展望があってもいいだろうに。

小無間山までハードな登りが続いたがここからは楽になる。

中無間山で左へ直角に曲がり、

緩やかな勾配を250m程標高を稼ぐと大無間山だ。

途中、北側が開けた場所からガスが取れた三方峰から光岳へ続く尾根が見えた。

明日はこれを歩いて大根沢山の先のピークまで行く予定、無事辿り着けるだろうか。

頂手前でY字の分岐、山頂へはまっすぐ、三方峰へは周り込むように右へ。

大無間の山頂はテント場のような場所だった。

テントが張りやすいように整地されてたところが所々にあった。

頂からの展望は皆無。

運び上げた水の半分近くが減ったためここで水補給。

前無間へと続く道を下りコルから関の沢へ下る。

資料には往復30分とあった。

草付きの斜面で足場が悪い。

山頂から15分か20分程行ったところまで下ったが、

一向に水が流れている感じがない。

これ以上下ると危険と判断し、山頂へ戻る事にする。

一杯汗かいて水を求めに下ったが、

水は補給できず喉は乾き無駄に水を消費っしてしまった。

当初、大無間山でテント泊するつもりでいたが、

時間的に余裕があるので三方峰まで進む事にする。

大無間山から分岐を左へ、

これまでは道がハッキリしていたがここからは道が薄くなる。

大きく下って小ピークをやり過ごし山方峰へ、

笹の原の二重稜線を進んでいく。

笹の原の中に立ち枯れを含む木がポツポツとある、

山頂標識のすぐ西側は大きく崩壊している。

ここから先はバリエーションの域、

もうちょっと行けそうな感じがしたがここまでとした。

笹の原の中にテントを張る、下はフカフカなので寝心地良さそうだ。

ガスっていたが夕方には再び晴れ綺麗な夕日を見る事が出来た。

夜には満天の星空、薄らと見える天の川から幾つか流れ星が降り注いだ、

丁度この時期はペルセウス座流星群のピークだった。

遠く南には掛川か焼津の町の光が見えた。

≪13日≫
この日はいよいよバリエーションの域に突入する。

といっても事前に得た情報では踏み跡、目印ともにあるらしい。

三方峰からは人か動物か踏み跡が北へ延びていた。

この日と翌日の天気予報メールを前日夕方に奇跡的に受信。

天気がいいのは朝方まで、風が強く下り坂だそうだ。

翌日の午前中も天気悪いらしい。

この日の行程は大根沢山の先1913ピーク辺りまでだが、

出来たらもう少し先へ歩を進めたい、あわよくば光小屋まで、

あそこまで行けば安心できる縦走路がある。

方峰より2127ピークの先までは左山を見てトラバースして歩を進めて行く。

踏み跡は一本だけでなく何本かあるように見える。

稜線直下のトラバース路、又は稜線上を忠実に、

踏み跡が濃いからといって安心はできない、

濃い踏み跡が分岐していたので選んで進んで行ったら

どんどん標高を下げて行くものだから引き返したものもあった。

青いビニールテープが付けられている踏み跡は

安心して歩いて行ってもいいようだ。

やがてアザミ沢のコルに着いた。ここで前日汲めなかった水を補給する。

アザミ沢へは踏み跡が付いている、結構ここで水を汲んでいる輩が多いようだ。

自分が得た情報でも15分下れば水ありとあった。

5分程下るとガレ場が現われ沢らしくなる。

もう少し下るとチョロチョロと水が流れていた。

適当な所で水を汲む、か細いので何十分掛かるのだろうと

思っていたがものの数分で3.5L汲むことができた。

水は綺麗でキンキンではないが冷たくておいしかった。

これで安心して今日と明日は過ごす事が出来る、

計画通りに進んでも明日には光小屋に着くので

そこで水を別けてもらう事も出来る。

水を汲む事が出来たので安心してコルへと戻る。

ザックに水筒を仕舞い、一息入れてから大根沢山へと登る。

コルから大根沢山へは標高差400m程、

踏み跡がしっかりしていれば1~1時間半程で登頂出来そうだ。

踏み跡は予想通りしっかりしていて、いつも通りのペースで登っていけた。

大根沢山頂は広い台地状で場所を選んでテントを幾つか張れそうな感じだ。

辺りは木々がうっそうと生い茂っていて展望は全くなし、

三角点のある場所は最高点から南西に少し離れた場所だった。

最高点を訪れ辺りを散策していたら酷いものを見てしまった。

ゴミだ。幾つか銀マットが捨てられている。

ビールの空き缶なども捨てられていた。

これ程奥深い山で、こういう光景を見ると幻滅する。

南アルプス一般縦走路だったらあり得ない、

人がなかなか訪れないからこういうことするのか、

同じ山ヤとして信じられない。

大根沢山からはこれまた一気に標高450m程下る。

三方峰~信濃俣間で唯一道が分かりづらかった所だった。

最初ここまで頼ってきた青テープを探したが

見つける事が出来ずGPSを頼りに下る事にした。

主稜線通しだと崖とかあって直では厳しい。

主稜線を右に見て、何度か支尾根や谷を越えて行きながらコルに辿り着いた。

途中倒木や、足場の脆いガレ場などがあり慎重に下って行った。

何度か落石を起こしてしまい、下に人がいたら危なかったかもしれない。

何度か支尾根に騙されそうになった、

尾根に乗っかり方向はもちろん確認するがちょこっと下って

GPSで確認し間違いに気付き尾根を乗り換えたりした。

コルまであともう少しのところで緑色のテープを見つけホッとした。

コルから暫くは痩せ尾根が続いた。

両側が絶壁である所が多かった、

ただ樹木が生い茂っているのそれ程恐怖感は感じない、

しかし滑落したら木に引っ掛かかり助かるかどうかはちょっと疑問である。

この日テント泊する予定の1913ピークには午前中の早い時間に着いた。

この頃には辺りは完全にガスの中で小雨もぱらついている。

この場所は予想通り平坦な場所がピークの前後にありテント場適地であった。

特にピーク西側は広い台地状になっており、多くのテントが張れそうだ。

ピークから下っていくと二重稜線になっており尾根を乗り換える。

道の方向がすぐに2度直角に西⇒北、北⇒西と変わるので注意が必要だ。

西俣山(2107ピーク)までは痩せ尾根と小ピークを幾つか越えて行く、

岩や木の根っこなどを頼りに登っていく、

逆コースだったら少し難儀しそうな感じだ。

個人的に今回のルートの核心部分は大根沢山~西俣山だったと思う。

椹沢山までは一部急登や倒木もあるが割と安心して登れる。

椹沢山で登山道と合流…地形図では千頭からの林道から点線が上がってきているが、

しっかりとした登山道という感じは無く踏み跡程度という感じ、

百俣沢の頭まで一般の登山道とは違った割りあい険しい道が続いた。

信濃俣は小さな山頂、二等三角点と

たぶん山名が書かれていたと思う錆びた金属プレートがあった。

雨ザアザア、ガスって何も見えず、早々に山頂を後にした。

山頂から北西方向に踏み跡が付いているように難じた、

その先は崖っぷち、すぐに気付いたがチョット解りにくい、

正解の踏み跡は真北に続いている。

一気に急降下して小ピークを幾つか越えていく、

光小屋まで行きたかったが天候が悪化してきていたので、

適当にテン場となりそうな場所を探しながら進んでいく。

百俣沢の頭の手前の小ピーク(標高約2180m)辺りで

テント張りそうな場所を見つけたのでそこで今日の行程は終了。

稜線から一段下がった平坦な場所、樹林帯なので風、雨の影響は少ない。

テントを張って早々に中に入った。

カッパ着込んでスパッツも着けているが

服も靴の中も汗だか雨だかでビショビショ、

ちょっとの間何もする気が無くテントの中でボーっとしていた。

とりあえず乾いたアンダーウエア、靴下、フリースに着替える。

夕食には早いので遅めの昼寝にする、

結構疲れていたのか気が付いたら6時を過ぎていた。

外は雨風が強く、おまけに雷まで鳴っている。

光小屋まで行こうと思っていたが行かなくて正解だった。

夜は近くでゴロゴロドカーン、

多分落ちないだろうと思ってはいたが…やはり山の中の雷は怖い。

≪14日≫
朝から天気の方は良くない。

前日に天気予報メールを受信出来なかったので、

今日一日雨という事にしていて行動する。

今日は悪くても茶臼小屋まで、

あわよくば畑薙に下山して“てしゃまんくの里”まで行きたい。

百俣沢の頭への登りは相変わらず一般の登山道らしくない、

三方峰~椹沢山の踏み跡と同程度、

ほとんど垂直に木の根っこを掴んで登るような所も何カ所かあった。

百俣沢の頭まで来ると立派な踏み跡、

もとい、一般的な分かりやすい登山道となる。

見えるものも深南部の鬱蒼とした森というより、

多くの登山者が訪れる南アルプスらしい森といった感じ。

光小屋近くまで来てようやく2日ぶりの人に会う。

若い人のグループ、軽装だったから光小屋からピストンか、

どこへ行くかは聞かなかった。

お地蔵さんのある分岐で左へ10分足らずで光岳へ、

ガスっているし特に何にも感じない、一応百名山だけれども。

展望台10m、光岩7分とあったが面倒臭いので止めた、

どちらも天気のよくないこの状況では行ってみても感動しないと思う。

光小屋はとても立派だった。

テント場は2カ所あって風や雨の影響はもろ受けそう。

周りをぐるーっと堀が作られているので雨が降った後は乾き早そうな気がする。

イザルガ岳も面倒臭いのでスルー、沢伝いのガレた道を下っていく。

途中、期待していた静高平の水場は出ていなかった。

トリカブトの群生地から流れ出るこの水場の水はうまいと聞いてきたのだが…残念。

メインの縦走路だけあって結構人に会う、前日人に会わなかったので結構嬉しい。

易老岳では茶臼小屋を朝出発したという男性に会った。

百名山をやっているという事で現在97座とのこと、

おお!凄いあとチョットで完登やん、と思った。

仁田岳も希望峰から往復30分程だったけどスルー、

仁田池からは茶臼岳は見えず、

そういえば今回は雷鳥君に会わなかったなーと思いながら茶臼岳に到着。

これで光岳から北岳まで繋がりました。バンザーイ。

稜線上の風雨はとても強くなってきている、

茶臼小屋までの分岐までとても寒い思いをしました。

稜線から下っていくと風の影響は皆無、茶臼小屋はすぐでした。

テント場にはそこそこテントが張られています。

時間はまだ10時半、これなら今日中に下山出来そうです。

水だけ汲んで横窪沢小屋まで一気に下ります。

稜線上はガスが酷かったけど、

途中展望が開けた場所からは小無間~大無間が望めました。

横窪沢小屋は懐かしい場所、2年前に南アルプス縦走した時に最初に泊ったところ。

当時、着いた時缶ビールとりんごを頼んだっけな。

りんごありますか?と聞いたら生憎お客さん用はきらしてまして…

と言われ従業員用ならと切ったりんごを頂きました。

感謝。暖かいお茶も頂嬉しい限り。

2年前南アルプス縦走やった時お世話になって…と話したら

前日に南アルプス縦走2週間やった男性が

ここに泊ったの事を話していただきました。

その男性があの“わっきーさん”だったとは…

後にわっきーさんのHPで知りました。

わっきーさんは僕の登山に影響を与えた人、

一日早ければお会い出来たかも知れないのに…

でもそれは計画的に無理ですね、

でもいつかそのうちお会いしたいです。

横窪沢小屋から2時間15分程で畑薙大吊橋、

個人的には最大の難所で核心部、まさか2度目の通過があるとは…

横窪沢小屋のオネーサンは暴風雨でも大丈夫と言ってましたが。

死んだ顔をしてどうにか長い長い吊り橋を渡りきって、

ほぼ標準CTで沼平に到着。

山の上は天気悪かったのに、

下山してみたら空は晴れ渡っておりました。

ちなみにデポした自転車は無事でした。

ここからてしゃまんくの里(田代中)までは約17kmの道のり、

ほとんどが下り坂だから大丈夫だと思うのだが、実際は結構辛かった。

自転車は変速機なしの所謂ママチャリというもの、

平坦な所では問題ないが、

車を運転して状態では気付かない程の緩やかな上り坂が登っていけない、

背中の20kg弱の重りが足かせとなっているようだ。

急勾配のところは全くなかったが、

チョットの勾配がペダルを重くさせるので降りて手押し、

平坦な道or下り坂では自転車に乗るという感じで進んだ。

下りは下りで問題発生、ギアが無いので絶えずブレーキで減速せねばならず、

ブレーキ多用で効きが悪くなってしまった。

乗り心地も最悪、やはりビンゴ大会で当たった

安物のママチャリで山道を走ってはダメだという事だな。

この時、折り畳み式でちゃんとしたそれなりに高くても良い自転車が欲しいと思った。

1時間足らずでてしゃまんくの里に到着。

なんとか計画した山々を縦走し、

ここまでママチャリで下りてこれた喜びを一人噛みしめながら、

少しだけ放心状態、自転車を車に積んで岐路に着いた。

途中、渋滞に巻き込まれながらも

なんとか日付変更線を越える前に帰宅できた。

4泊5日が1日短縮して3泊4日になりましたが、

有意義なテント泊縦走でした。

バリエーションのはずである三方峰~椹沢山は

踏み跡とテープとGPSがあったため歩き通す事が出来ました。

天気にはあまり恵まれませんでしたが、

計画通りに歩き、無事下山出来たことに感謝します。


奥穂高岳~西穂高岳

2012-07-29 22:13:25 | 山歩き…アルプスの山
山名:奥穂高岳・ジャンダルム・西穂高岳

山行目的:岩稜歩行に慣れる

山行日:2012年7月28日(土)~29日(日)

天気:28日晴れ 29日晴れ一時ガス

山行者:山の会”K藤さん、N川さん、M利さん、I藤弟さん”と僕の5名。

CT:
28日 西濃総合庁舎4:00=羽島IC=高山IC=新穂高7:10/7:25…

白出沢登山口9:04…重太郎橋10:09…穂高岳山荘14:35(泊)

29日 穂高岳山荘4:12…奥穂高岳4:52…馬ノ背付近5:10…ジャンダルム6:06…

天狗のコル7:26…天狗岩7:59…間ノ岳8:48…西穂高岳9:58…西穂口駅13:30⇒

ロープウエイ⇒新穂高14:35=温泉=高山IC=羽島IC=西濃総合庁舎19:45

≪28日≫
新穂高には予定より早い時間に到着したが

無料駐車場はパンク状態で停めることができず、

ロープウエイ駅近くの有料駐車場に停めた。

空は雲で覆われていた、穂高平まであとちょっとのところで空から雨粒が。

このまま本降りになってしまうのかと思っていたが

白出沢分岐に着く前に好天し、青空が覗いた。

この日の予報は午後から下り坂、

計画では夕方に穂高岳山荘到着予定、なんとかもってほしいところ。

幽霊が出ると噂される小屋の横で息を整え出発する。

N川さん先頭で登っていくが徐々に苦しくなっていく、

僕と先頭を交代し最後尾に付くN川さん、

意識しながらゆっくりゆっくりで歩いているつもりであるが

最後尾のN川さんは離される。

僕の知っているN川さんはパワフルだったはず、どうしちゃったのかな?

沢の音が近づき、一本入れるために休憩適地を探していたら

重太郎橋に着いた、ここで小休憩する。

橋というより木の板が置いてある重太郎橋付近の水量は

穏やかで渡渉でもなんとか行けそうなぐらいだ。

橋を渡り左岸へ、ハシゴを2本程登り断崖絶壁な道を登っていく。

このまま陽のあたる沢道かと思ったら

水が枯れたところで右岸にわたり返し再び樹林帯へ、

ここからさらに急登になっていく。

荷継沢の指標が現われた辺りから樹林帯を抜けガレ場の登りとなる。

目の前に小さいが雪渓が現われる、奥にはもっと大きい雪渓が見える。

最初の雪渓は小さなものでトレースもありひょいひょいと簡単に通過できた。

奥の雪渓は標高差で100mあるかないか程、

リーダーK藤さんから折角なのでアイゼンを装着しようと指示が出た。

キックステップでなんとか登っていけそうな気がしたので

僕だけお先に登り始めた。

アイゼン装着に手間取っているのかなかなか上がってこない、

雪渓をようやく登りきる所でI藤弟君が信じられない猛スピードで上がってきた。

疲れました~と言っていたが

顔は爽やかな笑顔で汗一つかいてなかった…流石。

雪渓上部にあった岩の上で残り3人を待っていると

ゆっくりゆっくり上がってきた。

バックにはまだ雪渓残る笠ヶ岳が顔を出していた。

雪渓を越えるとひたすらガレ場の登り、

はるか上には穂高岳山荘の土台が見える。

残り標高差500m程、それ程あるように見えないが、

歩いても歩いても一向に近付かない山荘にもどかしさを感じた。

皆が倒れる前になんとか穂高岳山荘に到着する。

テラスには登山者が溢れかえっていた。

空いていた石のテーブルに陣取り缶ビールで乾杯する。

標高差1800m程を一気に登ってきた。

皆疲れたようで、

このあと涸沢岳に登ろうなんていう人は誰もいなかった。

結局この日は上がってくるまでに天気はもった。

夜になってガスが出て来てパラパラした程度であった。

最近天気予報よく外れるがこういう外れ方ならOKである。

山荘で受付をしあてがわれた部屋へと向かう、

今日は大賑わいで布団一枚(一畳)に付き2名とのこと。

あてがわれた部屋は2階の“蝶ヶ岳”の間、

6畳ほどで先客が2人居た。

自分達が5名のパーティなのであと5名は入る事になる。

狭いこの部屋に12名、考えられない、

しかし結局これ以降お客さんは増えずに

6畳ほどの部屋に7名とそれ程窮屈せずに寝ることができた。

夕食まで時間はたっぷりあったので僕は談話室で山のマンガを読んでくつろいだ。

あとの4名は、何をしていたんだろう?

夕食は4回戦だった。

僕らは3回戦目、

一回戦100名程片付くので宿泊客は400名程か、本当に大賑わいだ。

夕食のメニューは塩サバに付け合わせ、

かぼちゃコロッケに大根の煮物と生野菜サラダにフルーツ、

柴漬けにごはんとみそ汁がおかわり自由だ。

自炊と比べたら十分おいしい食事、

メニューは下界でいったら(青少年自然の家のメニュー並みか)

貧相かもしれないけど、山の上では十分立派だ。

食後は特にすることなく後はもう寝るだけ、

周りの部屋や、階下の談話室辺りからは賑やかな会話が聞こえる。

歯磨き、トイレ、翌日の朝弁当を受け取り、

ザックの中を整え布団に入る。

普段の生活と比べたら早過ぎる時間、

賑やかな声、寝付きを妨害されながらも眠りに入る。

夜に何度か目が覚める、

疲れているのに…なんだろう…イ○キのせいかな?

イ○キで何度目かの目覚め、

ふと窓から夜空を見ると満天の星、下界じゃ考えられない程の星の数、

こ、これは天の川が期待できる!

デジタル一眼レフと三脚を持って外へ、空を仰ぐと満天の星!

徐々に目が慣れてくると見えてきたものは天の川、実に2年ぶりだ。

三脚をセットし一眼レフで天の川を狙う。

星空観察が趣味のK藤さんも起きていた。

頼んでもいないのに親切に星座や星を説明してくれるK藤さん、

でも…夏の大三角形とはくちょう座しか解りませんでした。

Mなんたら星雲とかアンドロメダとかは今一…。

何枚か写真撮っていたら寒かったのかK藤さんは先に部屋に戻ったよう。

ダウンを着てもやや冷える中、一時間程星空を堪能して部屋へ戻った。

残り睡眠時間1時間程、しかしまたもやイ○キに妨害され…、

今度は忘れず耳栓を持っていこう、あと濡れフキンも(嘘)

≪29日≫
寝不足のまま、起床時間となり起きて出発時間に取り掛かる。

他の部屋の人たちも続々と起きだし出発準備をしていた。

4時12分、小屋の前で集合写真を撮る。

東の空が徐々に赤くなっていくなかヘッドライトを点けて出発した。

まずは岩壁を登っていく、

ハシゴ2本まではほとんど垂直の登り、

GWの時みたいに凍っていなくて楽に通過できた。

ハシゴの上はGWの時は雪壁だったが、

雪は全くなく、こうも違うのかというくらい楽に通過できた。

奥穂高岳山頂までは楽チンで登頂、

集合写真を撮り、日の出を拝んでから

西穂へと続く今縦走の核心部へと足を踏み出した。

まずは馬の背、両側が切り立つナイフリッジだ。

その先にはロバの耳、ジャンダルム続く、

天気は最初晴れていたが、馬の背に取り付いたころには辺りはガスに覆われ…

これで恐怖感が薄れた、これ幸いか。

いきなり洗礼を受けた感じ、歩ける場所は幅1m程、

落ちたら即あの世行きだ。

前を行くN川さんは普通に歩いているように見えるが、

僕はそんなふうには行けない。

ビビってしまって場所によっては四つん這いで進む。

やや渋滞気味で一旦停滞気味になる、

馬の背は初め水平だったが下降し始める。

足を置く場所、掴む場所を慎重に選びながら下っていく、

一般の登山道でこれほどまでに慎重に行動したのは初めてかもしれない。

なんとかコルに下り立った時には安堵した。

まずは一つ目の核心部終了、難所はまだまだこの先幾つも出てきそうだ。

次の難所はロバの耳、王様の耳はロバの耳のあれである。

岩山を左に見ながら目印を頼りにへばり付くように巻き登っていく。

馬の背の方がスリルあったのかこれはまあなんとかクリア。

ジャンダルムは右に見ながら巻き西穂側から頂に上がる。

ジャンダルムというと相当難しいと思っていたがなんともあっさりと登頂。

拍子抜けした。

頂から下りて再び登りあえしたところは平らな場所、休憩には持ってこい。

ここで休憩とし弁当を取り出して朝飯とした。

朝飯は朴葉寿司に鮎の甘露煮、磯辺揚げとわりかし豪華である。

お腹の中が満たされ元気満タン、勇気は充填されず半分くらいかな?

天狗のコルへと下っていく、ここは比較的緩やかな所もあり緊張感が緩んだ。

天狗のコルは岳沢へのルートが分岐している。

その道も点線ルート、一筋縄ではいかないようだ。

大昔に無くなった避難小屋の跡があった。

周りを取り囲むように石垣のようなものが残る。

ふと振り返ると今まで歩いてきた険しい岩峰群が見える、

ここ歩いてきたなんて信じられない、というか自分って凄い。

コルからまず切り立った岩場を鎖を頼りに登り、

その後も手と足を上手くつっかいながら登ってく、

天狗の頭を越え下りに掛かると、

最後の部分は有名な“悪名高き逆層スラブ”だ。

鎖が下の方まで付いていて、それを頼りに下ってく。

物凄く長いものかと思ったがそれ程長くもなかったし斜度もそれほどキツくなかった。

しかし下の方は断崖絶壁になっており、やはり危険といえば危険、

滑って転んだらストーンと落ちて行きそうだ。

今回は濡れてはいなかったが、濡れていたら怖さ倍増するだろうと感じた。

最後の難所は間ノ岳、僕の中では“馬の背”と“間ノ岳辺り”が危なそうに感じた。

間ノ岳辺りは今にも崩れそうなカスカスな岩山という感じ。

浮き石多く、簡単に落石を発生させてしまいそう。

慎重に登っていったが、大小構わず浮き石が動いて、

下から来る者に落としてしまわないかヒヤヒヤであった。

間ノ岳を過ぎると難路も終わりとなる西穂高岳へと至る。

西穂高岳だけまであともう少しというところで滑落事故があった模様で、

救助に当たっていた人がした。

救助に当たっていた人からは意識はあると聞いたが

その後無事救助され命に別状がなかったかどうかは良く解らない。

同じ道を行くものとして登山者として心配である。

西穂高岳への最後の登りは比較的楽に上がる事が出来た。

西穂から独標まではグレードが一段階下がるが

上級者コースに代わりはない。

観光地かと思う程お賑わいの西穂独標から渋滞に巻き込まれながら下り、

ちょっとした広場に腰を下ろした時ようやく安堵できたと思った。

ヘルメットとグローブを外し、一息入れる。

奥穂高岳~西穂高岳までは緊張しっぱなし、

精神的にも肉体的にも疲れ果てもうヘロヘロだった。

あとは難所のない登山道を下るだけ、

西穂山荘で休憩を入れロープウエイ駅まで一気に駆け下りた。

ロープウエイで下界に降り立ち駐車場で登山靴を脱いだ時、

もう今日は山を歩かなくてもいい事にホッとした。

今回、経験者K藤さん、N川さんあってこそ無事に通過できたと思う。

一人で歩いていたら心が折れていたかもしれない
(心が折れても歩かなければならないが)。

山ヤ憧れの!?馬の背、ジャンダルム、逆層スラブ、間ノ岳、

最後まで安全に歩きとおせてとても満足です。

また一つ大きな自信が付いたような気がします。



蝶ヶ岳・常念岳縦走

2012-07-15 21:10:34 | 山歩き…アルプスの山
山名:蝶ヶ岳・常念岳

山行目的:テント泊縦走したい。

山行日:2012年7月14日(土)~15日(日)

天気:14日雨一時晴れまたはくもり 15日雨(稜線上は強風)一時晴れまたはくもり

山行者:単独です。

CT:
13日 自宅21:30=岐阜各務原IC=豊科IC=三股P1:15

14日 三股P5:49…まめうち平7:32…蝶ヶ岳10:04…蝶ヶ岳ヒュッテ(テント泊)

15日 蝶ヶ岳ヒュッテ5:12…蝶槍5:48…常念岳8:21~8:41…前常念岳9:15…

三股P12:19/12:30=温泉=豊科IC=岐阜各務原IC=自宅18:30

今夏二度目のテント泊はまたもや雨。

梅雨の終盤で、翌日の天気予報が当たるかどうかわからない状況で行きました。

出発前はまあまあいいこと言ってたんだけどなぁ…結果は二日とも雨。

もうそろそろ梅雨明けしてほしい!!

霞沢岳

2012-07-01 20:06:17 | 山歩き…アルプスの山
山名:霞沢岳

山行目的:ピークハント

山行日:2012年6月30日(土)~7月1日(日)

天気:30日晴れ 1日雨

山行者:単独です。

CT:
30日 自宅10:00=岐阜各務原IC=高山IC=あかんだなP12:32/12:50=バス=

上高地BT13:25…明神館14:03…徳本峠15:31(テント泊)

1日 徳本峠4:22…ジャンクションP5:09…K1P6:59…K2P7:12…霞沢岳7:31…

ジャンクションP9:45…徳本峠10:16~11:03…明神館12:00…上高地BT12:33/

12:50=バス=あかんだなP13:25/13:45=高山IC=岐阜各務原IC=自宅17:00

朝ちょこっと仕事がありましたので片付けてから出発となりました。

昼過ぎ到着の上高地は初めての様な気がします。

朝着の上高地は賑やかなのに、ちょこっとだけ静かなような気がしました。

それでも河童橋付近は観光客で賑わっておりました。

午後から穂高連峰が雲に隠れずハッキリ見えることは珍しいとの事。

アルピコの運ちゃんがそうおっしゃってました。

いつも通り過ぎるだけの徳本峠の分岐、今日はここを右折します。

最初はなだらかで歩きやすい林道、右手には枯れ沢ですが暫く行くと流れが復活します。

木の橋を二つほど渡って、九十九折りの登りへ。

ブユでしょうか、鬱陶しい数がまとわりついてきます。

最後の水場を過ぎて30分も掛からないくらいで徳本峠に到着。

New徳本峠小屋は登山客で賑わってました。

この日は小屋で催しものがあるようで大入りとの事。

しかし定員30名とのことでそれを上回れば原則お断りとの事です。

僕はテント泊、受付を済ませお好きな所へどうぞといわれます。

テント場は先客1張り、その一つ上に堂々と張らせてもらいました。

ブユは相変わらず鬱陶しくまとわりついてまして、他の登山客も迷惑しているようです。

時期的なものかな?

途中最後の水場で水を汲むのを忘れてましたので空身で汲みに行きます。

小走り10分で水場に到着。

北アルプスの水はあんまり美味しいのに当たったことありませんが、

ここの水場は、まぁ、冷たくておいしいような…ような…。

テントに戻って夕食の準備をし一人カンパーイやります。

ぬるいビールを飲んで、カレーを食べて、ぬるい酒を飲んだら睡魔が…。

夜中何度か起きましたが、まぁグッスリ眠れました。

やっぱテント泊はいいよね。

二日目の朝は天気予報通り雨模様。

最初っからカッパ着て出発しますが、樹林帯で雨粒が体に届かず、

身体が火照るのでジャケットだけ脱ぐことにします。

ジャンクションピークまでは九十九折り、朝から結構いい運動になります。

1時間掛からずでジャンクションピークに到着。

ガスってて景色は何も見えずです。

雨はお湿り程度のがたまにやってくるだけ、なんとか下山するまで持ってほしいものです。

ここから最低コルまで標高差150m以上落とします。

あー勿体無い。

最低コルからちょこちょこっと上り下りして崩壊地のコル。

ここから足元注意の場所が増えます。

登山道崩壊個所が幾つか、慎重に行けば問題ないですが、落ちたらあの世行きです。

稜線上には雪渓が幾つか残っています。

ステップが付いてますので難なく越えて行けます。

アイゼンは必要なさそうでした。

最初の難関!?K1への登りは結構苦労させられました。

おまけに雨で濡れて足元が滑る滑る、一回滑って手をつきましたベタベター。

しかし、苦労だけではありませんでした。

あたりはお花畑、数種類咲き乱れてました。

感動的だったのがキヌガサソウの群生。

これでもかってくらい咲いてました。その数見えるところだけでも数百株。

あとはイワカガミもあちこちに咲いてましたね。

K2を超えたところで、鳩!?と思ってよくみたらライチョウが一匹ひょこひょこ歩いてました。

逃げないと聞きますが、僕の前ではよく逃げます。飛んで逃げたのも見ました。

こやつもひょこひょことハイマツの中へ逃げて行きました。

ライチョウは結局一匹のみ見ただけ、一応天然記念物で珍しい奴なので

見つけるとプチ嬉しいです。

しかし…丸々太って…うまそう(笑)

嘉門次小屋名物イワナの塩焼きの隣で串焼きにして売ってても違和感なさそうだ(嬉)

最後に左から周りこむように霞沢岳頂に到着。

ハイマツで覆われた頂、スペースはわずかしかありません。

あいにくガスの中、何にも見えません。

『霞沢だけに、霞がかってるワ、ケケケケ。』

霧雨状態でおちおち飯も食ってられる状態でもないのでそそくさと下山します。

小雨、霧雨状態で登ってきましたが、下山途中で本降りとなります。

樹林帯にしっかり入ってから降られましたのでセーフ、山の神に感謝です。

途中で男女3人パーティとすれ違い、女3人パーティを追い越しました。

最後のパーティはジャンクションの先で引き返したとの事、賢明です。

徳本峠に付いたらテントに身体だけ入れて足は靴履いたままテントの土間に。

お湯を沸かし、コーヒーを入れ、パンを食べて一息入れてからテント撤収。

今度は晴れ続きの日に来ますと小屋にお礼を(心の中で)言って下山します。

明神まで1時間の高速下山、さらに上高地BTまでは最速更新の33分で到着。

雨具を脱いでちょこっと待ってたらバスが来たので乗りこみました。

凄く汗臭かったけど、着替え持ってこずだったので家まで直行しました。

夏の最初テント泊はあいにくの雨、まだ梅雨の中なので仕方ないですが…。

早く晴れたアルプスの稜線歩きしたいですねー、テント背負って。

気持ちいいだろうなー。