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台本置き場

青春恋愛大作戦!?

2016-10-07 23:06:26 | 台本

青春恋愛大作戦!?


【キャラ紹介】

堀田コウイチ♂ :鷹ノ森学園2年。告白した女子に散々とフラれまくる高校生活を送る。
         自称最強だが、実際は最弱。なぜか正義感だけは人一倍強い。
佐藤エータロー♂:鷹ノ森学園1年。ゲームオタクだが、普段は至って普通。成績も普通。
         ゲーム仲間として、堀田に誘われた。
鈴木ショーコ♀ :鷹ノ森学園1年。入学当初はクラスの女子からイジメにあっていたが、
         今は堀田や佐藤とゲームで暇つぶしをしている。
高梨サナエ♀  :鷹ノ森学園1年。堀田が一目惚れした女の子。天然で華奢で可愛い。



【キャスト一覧】

堀田コウイチ♂:
佐藤エータロー♂:
鈴木ショーコ♀:
高梨サナエ♀:



【本編】


  放課後。空き教室でハンティングゲームをしている3人


鈴木「ちょっと、早く尻尾切ってよ先輩。その素材は尻尾の剥ぎ取りからしか出ないんだからさ」

堀田「こちとらハンマー担いで来てんだよ! 打撃武器で尻尾が切れるか!」

佐藤「ブーメランがあるでしょ。ブーメランが」

堀田「ブーメランで切れるかっ!? っていうか佐藤! お前大剣なんだから、お前が切れよ!」

佐藤「切りたいんですけど、このモンスター暴れてなかなか切れないんスよ」

鈴木「先輩。ハンマー担いで来てる割には、まだ一回もスタンが入ってないんですけど?」

堀田「ちっ、今から入れるから待ってろ!・・・フン! フン! オリャアアア!!」

佐藤「あ・・・」

鈴木「あ・・・」

堀田「倒しちゃった・・・」

鈴木「ちょっと! 尻尾切れてないじゃん! なんで尻尾切る前に倒すのよ!」

堀田「だったら太刀のお前が切らんかい!」

鈴木「先輩がスタン入れないから切れないんでしょ~!」

佐藤「まぁまぁ、二人とも。俺、次は麻痺武器持っていきますから」

鈴木「頼むわよ~。あ~、早く武器強化した~い」

堀田「あ、やべっ、電池切れそう」

鈴木「ちょっと先輩、充電しといてよ~」

堀田「すまんすまん。ま、いい機会だから、ちょっと休憩しようぜ」

佐藤「俺もノド渇いたんで、飲み物買ってきます」

堀田「佐藤、俺いつものやつ!」

鈴木「お茶よろしく~」

佐藤「はいはい、パイナップルゼリージュースとお茶っスね。後でちゃんと払ってくださいよ~」


  佐藤が教室から出て行く

SE:教室から出て行く音


堀田「ああああ!!!」

鈴木「なによ、いきなり」

堀田「思い出した」

鈴木「え?」


  佐藤が戻ってきて、鈴木と談笑し始める


堀田「ごほん。え~、みんなに今日集まってもらったのは他でもない。
   ちょっと相談したいことがあってな」

鈴木「なぁ、佐藤。グランドレギオンってどうやって作るの?」

佐藤「ああ、それは、確かアイアンソードから派生させて」

堀田「ちょっとお前ら! 人の話を聞け!」

佐藤「なんスか? 先輩」

堀田「い、いや、その、じ、実はな・・・最近、こ、こう、か、可愛いな~って
   思ってる子がいてだな~」

佐藤「・・・誰なんですか?」

堀田「そ、それは、い、一年の高梨サナエちゃんっていう子なんだけど」

鈴木「で、告白してフラれたと」

堀田「まだなんもしとらんわい!」

佐藤「じゃあ、さっさと告白してくればいいじゃないですか?」

堀田「他人事だと思ってよくもま~そうアッサリと・・・告白したいのはヤマヤマだが、
   今まで普通に告白してきて散々フラれてきたんだがしかし! 今回は作戦を考えてきた」

鈴木「作戦?」

堀田「そう! 名づけて!
   
   不良 『よおよお、お嬢ちゃん。キミカワウィ~ネ~。オレと一緒に遊ばんね~?』
   サナエ『や、やめてください! 人を呼びますよ!』
   不良 『あん? こんなところで大声出したって誰も来やしね~よ。なぁ、いいだろ~?
       オレと一緒に楽しいことしよ~ぜ~?』
   サナエ『いや、いや! 誰か、誰か助けて~!』
   堀田 『待て~い!』
   不良 『誰だテメーは!?』
   堀田 『天が呼ぶ! 地が呼ぶ! 人が呼ぶ! カワイ子ちゃんが助けてと俺を呼ぶ!
       堀田仮面参上!』
   サナエ『堀田仮面!』
   堀田 『サナエちゃんを放せ!』
   不良 『は? ウザイんだよ~! オラ~!』
   堀田 『はっ! とうっ!』
   不良 『うげっ! ぐほっ! ちっ、ちくしょ~。おぼえてろ~!』
   堀田 『ふっ、口ほどにもない。大丈夫かい? サナエちゃん』
   サナエ『ええ。ありがとう、堀田仮面!』
   堀田 『礼には及ばないよ。さあ、サナエちゃん! 俺と一緒に夕日に向かってダッシュだ!』
   サナエ『はい!』
   堀田 『あははははっ! あはははははっ!』
   サナエ『うふふふふっ! うふふふふふっ!』
   
   作戦だ!!」
   (ここまで全部堀田が一人で演じます。不良を佐藤で、サナエもそのまま演じても構いません)

SE:チーンという音

鈴木「あ、アホや・・・」

佐藤「どこからツッコんでいいやら・・・」

堀田「この作戦を完遂すれば、間違いなくサナエちゃんとラブラブになれるはずだ!」

佐藤「なんのアニメに影響されたか知りませんけど、こんなの絶対無理ですよ~!
   だいたい、不良の役は誰がやるんですか?」

堀田「そんなの決まってるじゃないか」

佐藤「え? まさか・・・」

堀田「君だよ、佐藤くん♪」

佐藤「え~!? 嫌ですよ~! なんで俺が不良役をやらないといけないんですか~!?」

堀田「あっれ~? そんなこと言っちゃっていいのかな~?
   あ、そういえば、この前貸したゲームソフト、まだ返してもらってないな~?」

佐藤「そ、それは・・・」

堀田「あ、そういえば、この前の前に貸したゲームソフトもまだ返してもらってないな~?」

佐藤「そ、それはですね・・・」

堀田「あ、そういえば、この前の前の前に貸したゲームソフトもまだ」

佐藤「あ~! もう! わかりましたよ! やればいいんでしょ、やれば。
   ただし、今回だけっスからね」

鈴木M「佐藤の奴・・・一体何本ゲームソフト借りてんのよ」

堀田「よ~し! じゃあ、本番に備えてリハーサルをしておこう!
   鈴木君、君はサナエちゃん役をやってくれたまえ」

鈴木「え? アタシ!?」

堀田「しょうがないだろ~。女子は君しかいないんだから。
   ささっ、所定の位置について~」(堀田が鈴木の背中を押す)

鈴木「ちょ、ちょっと」(背中を押されながら所定の位置につかされる)

堀田「よ~し! シーン1! テイク1! カット!」

佐藤「・・・よ、よお、お嬢ちゃん。キミカワイ~ネ~」(たどたどしく棒読みで)

堀田「カット!カット! 全然ダメ! いい? リピートアフターミー!
   キミカワウィ~ネ~! はい!」

佐藤「キミカワイ~ネ~!」

堀田「もっと元気よく! キミカワウィ~~ネ~~!! はい!」

佐藤「キミカワイ~~ネ~~!!」

堀田「その調子! キミクァワウィ~~~ネ~~~!!!」

佐藤「キミカワウィ~~ネ~~!!」

鈴木「アホらし・・・アタシ、先に帰るから。じゃ」

堀田「キミクァワワイイィィ~~~ネ~~~!!!」

佐藤「キミクァワィ~~ネ~~!!!」


  このやりとりをあと何本が続けてください


SE:ブリッジ

堀田「そして、作戦本番当日」(ナレーションっぽく)


  とある通学路。堀田と佐藤と鈴木が物陰に隠れている


佐藤「先輩、この道で待ってたら本当に高梨さんは来るんスか?」

堀田「ふっふっふっ。俺が長年かけて調べ上げた結果、サナエちゃんは帰宅時に必ずこの道を通る!
   しかも、ここは人目に触れにくく、作戦を決行するにはもってこいの場所なのだ!」

鈴木「ただの変態じゃんかよ」

堀田「ん? 何か言ったかね? 鈴木君」

鈴木「別に。っていうか、アタシ必要なくない?」

堀田「何を言うか。いざというときに女性がいるというのは心強いもんだぞ」

鈴木「そ、そうなのか?・・・」

佐藤「あ、先輩! 高梨さんが来ましたよ!」

堀田「よし、第一種戦闘配置。目標が指定座標に到達次第、作戦を実行に移せ!」

佐藤「ラジャー!」

鈴木「佐藤、アンタ楽しんでない?」


  高梨が歩いてくる


高梨「ふんふんふん♪」

佐藤「よおよお、お嬢ちゃん。キミカワウィ~ネ~。オレと一緒に遊ばんね~?」

高梨「あ、ああっ!(何かに気づいて) いいですよ! どこで遊びましょうか!」

佐藤「・・・・・・」

高梨「・・・・・?」

佐藤「ちょ、ちょっとタイムだ」

高梨「はぁ?」

佐藤M「あれ? おかしいな? 先輩の作戦だと、このあと拒否られるはずなんだけど・・・
    っていうか見ず知らずの人に声かけられたら普通断るよな・・・」

高梨「どうかされましたか?」

佐藤「い、いや、あのさ。見ず知らずの人に、いきなり声をかけられて、誘われたらどうする?」

高梨「え~と、断りますね」

佐藤「そうだよね! そうだよ、断るよな!」

高梨「は、はい・・・」

佐藤「ちょっと誘い方が真面目すぎたかな? もっとチャラくいこう、よし。ゴ、ゴホン・・・
   よおよお、お嬢ちゃん。キミクァワウィ~~ネ~~! オレと一緒に遊ばんね~?」

高梨「はい! じゃあ、どこへ行きましょうか!」

佐藤M「あっれ~???」

高梨「私、ゲームセンターとか行ったことがないんですよ。
   一人だと怖くって、でも、あなたと一緒なら大丈夫かなって」

佐藤「タイムタイムタイム!!」

高梨「?」

佐藤M「やっべ~、どうしよう~・・・うわっ!? 先輩こっちをめっちゃ見てるよ~~~!!」


  物陰から堀田と鈴木が覗いている


堀田「うぬぬぬぬぬ・・・佐藤の奴、一体な~にをしとるのだ!?
   サナエちゃんの悲鳴がないと出られないではないか!」

鈴木「なんか、すっごくあたふたしてるわね」

堀田「佐藤! はよせんか~!」


  場面戻って佐藤と高梨


佐藤「え、えっと、君はどうして俺の誘いを受けたの?」

高梨「え? だってこの前、私が電車で痴漢に遭いそうになっていたところを
   助けてくれたじゃないですか」

佐藤「ん? そ、そういえば確か1週間くらい前にそんなことをしたような・・・
   あ、ああ、あの時の」

高梨「はい、そうです! その節は本当にありがとうございました!」

佐藤「いえいえ、とんでもない。? ということは、俺のことを知っていて、
   あの時のお礼をしようと、俺の誘いを受けてくれたってこと?」

高梨「その通りです! いきなり声をかけられたときはびっくりしましたけど」

佐藤「あ~、そういうことね~」

佐藤M「ああ~! どうしよう~、どっちみちこのままだと作戦通りにいかないよ~・・・!?」


  再び物陰から堀田と鈴木


鈴木「佐藤の奴、今度はものすごく頭をかかえているわね」

堀田「ぐぬぬぬぬぬ・・・もう、我慢出来ん!」

鈴木「ちょ、ちょっと先輩!?」


  物陰から堀田が飛び出す


佐藤「先輩!?」

高梨「え?」

堀田「サナエちゃ~~~ん!!!
   ぼくちんの愛を受け取って~~~~~!!!!」(サナエに突撃する)

高梨「いやああああああああ!!!!!!」(鞄でおもいっきり殴る)

堀田「ひでぶっ!!」


SE:吹っ飛ばされる


高梨「はぁ、はぁ、はぁ・・・はっ!(我に返って) こ、怖かったですぅ~」

佐藤「そ、そうだね・・・」(ドン引きしながら)

鈴木「ありゃあ、死んだかな」(物陰から)

高梨「あ、そうだ! お名前を教えてもらっていいですか?」

佐藤「え? あ、さ、佐藤エータローだけど」

高梨「私は高梨サナエです! 佐藤くん、よろしくね!」

佐藤「こ、こちらこそ。よろしく」

高梨「さあ、佐藤くん。そろそろゲームセンターに行きましょう!」(強引に腕を組む)

佐藤「ちょ、ちょっと、高梨さん!?」

高梨「クレーンゲームもいいけど、やっぱりプリクラかしら? やだっ! 私ったら!」

佐藤「高梨さん? 高梨さん!? 高梨さ~~~ん!?」(強引に連れていかれる)


  しばらくして、近くの公園。
  ベンチで堀田が寝ていて、その隣に飲み物を飲みながら鈴木が座っている。


堀田「う、う~ん、ここは・・・」

鈴木「ゴクゴク・・・やっと気がついた? 先輩」

堀田「鈴木君。俺はどうして」

鈴木「あの子に突撃して、盛大に吹っ飛ばされて、気絶してたのよ」

堀田「そうだったのか・・・またフラれたか」

鈴木「本当にアホなんだから。ほらっ」(ジュースを投げる)

堀田「おおっ、サンキュー。(缶を開けて飲む)ゴクゴク・・・ぷっはー!
   ? それよりも気絶した俺を鈴木君がここまで運んでくれたのか?」

鈴木「あ、あったり前でしょ!?
   あんなとこに変な仮面をつけて気絶した変態の先輩を置いといたら、
   今ごろ警察に連行されるでしょ。か、感謝しなさいよね!」

堀田「お、おう。ありがとな」

鈴木「・・・・・・」

堀田「そろそろ帰るか。今日は付き合わせて悪かったな」

鈴木「120円」

堀田「え?」

鈴木「ジュース代」

堀田「金とるのかよ!」

鈴木「当たり前でしょ!」

堀田「ちゃっかりしてるよ、ほんと」(ジュース代を渡す)

鈴木「まいどあり~」

堀田「あれ? そういえば佐藤の奴は?」

鈴木「あんなやついいじゃない? ほっとけば。それよりも、明日は武器の素材集めに協力しろよ~」

堀田「へーへー。武器の最終強化まで付き合いまっせ」

鈴木「言ったな~? 明日はとことん付き合ってもらうからな~」

堀田「いやいや、レア素材集まるまでとか勘弁して!」




終わり