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ポンコツクエスト ~魔王と派遣の魔物たち~ 第四章「会合」

2016-09-30 21:54:19 | ポンコツクエストシリーズ
ポンコツクエスト ~魔王と派遣の魔物たち~ 第四章「会合」



【キャラクター紹介】

カク

角の生えた獣の魔物。だらしがない、口が悪い、と言うダメダメな性格で、いつも愚痴ってはイムラになだめられている。
自慢の角は唯一の武器だが、とても脆く、すぐ折れる。折れると言うより、むしろ砕ける。

イムラ

カクと仲のよいスライム。比較的真面目で大人な性格なので、カク達のツッコミ役になる事が多い。
魔物の中でも最弱で、特技は自爆。(ただし相手にダメージはなし)すぐ死んですぐ生き返るので、死生観がユルユル。

ミツイ

大きな3つの目が特徴の、翼の生えた魔物。
言動がかなりうざく、カクやイムラを見下した発言をよくするが、寝ている間にマヨネーズをかけられたりと、相手には完全にナメられている。
目を光らせると言う微妙な特技を持つ。

クロヌマ

氷系の魔法が得意な魔物で、幽霊のようにフワフワ浮いている。大人しい性格で、声が高い。
魔法を褒められるとテンションが上がり、いっそう声が高くなる。

ツチダ

大きなハンマーを持っている、モフモフした魔物。無口でいつもボーッとしているので、何を考えているか分からない。
力が強いが、知能はかなり低い。「ハンマー」という単語をよく言う。


【キャスト一覧】

カク♂♀:
イムラ♂:
クロヌマ♀:
ミツイ&ツチダ♂♀:


【本編】


《酒場》

  頭にマヨネーズをかけられたミツイが寝ている

カク  「いや~、しかし起きねぇなコイツ」

イムラ 「もうほっときゃいいんじゃないもう」

カク  「まだ飲み始めて一時間も経ってないのにな」

イムラ 「ん~、コイツ酔いつぶれんの早いな」

カク  「こんなにマヨネーズかけてんのになんで起きないの?」

イムラ 「なんでマヨネーズかけたの? こんなに。っていうか寝かしときゃいいんじゃない、ウザイし」

カク  「これクロヌマがさ、魔法とかかけても起きないのかな?」

イムラ 「え?」

クロヌマ「え? 僕?」

カク  「クロヌマって、どういう魔法使えんだっけ?」

クロヌマ「え? 僕はそうだな~・・・」

イムラ 「声高いな、お前」

クロヌマ「なんか氷系の魔法とか、割と使えるけどね」

イムラ 「へ~」

カク  「その氷系の魔法、ミツイにちょっと撃ってみて、ちょっと」

イムラ 「え? 大丈夫? それ」

クロヌマ「怒られない? それ」

カク  「大丈夫でしょ。それ威力的にはどうなの? 死ぬ感じ?」

クロヌマ「いやいや死ぬ感じでは全然ないけど・・・」

カク  「死ぬ感じじゃないんだったら、全然いいんじゃない?」

イムラ 「死ぬ感じって、言葉なんだ?」

クロヌマ「いやでも大丈夫かな~?」

カク  「大丈夫大丈夫大丈夫。やろうやろう」

クロヌマ「いや本当に」

カク  「やってみよう」

イムラ 「ミツイだし、いいんじゃない」

カク  「そう、それ」

クロヌマ「いいの? じゃあ、やるよ」

カク  「うん、いこう」

クロヌマ「じゃあ、いくよ・・・ヒョード!」

イムラ 「ヒョードって言うんだ」

 ミツイがクロヌマの魔法で少し凍る。

ミツイ 「ああっ、ううっ・・・」

カク  「あ、凍った! 起きるか、これは」

イムラ 「あ、起きそう」

ミツイ 「うあっ・・・ん・・・うあっ・・・」

カク  「お、起きるのか? 起きるのか?」

ミツイ 「むにゃむにゃ」

カク  「起きない!」

クロヌマ「起きないか~」

イムラ 「これホントに寝てんのこれ!?」

カク  「いやヒョードでも起きないか~」

イムラ 「おもいっきり『むにゃむにゃ』っつったけど」

ミツイ 「もう食べられないよ~」

イムラ 「おいなんか言ってるぞおい!」

カク  「いやでも魔法いいよね。こうやって見ると」

クロヌマ「そう?」

イムラ 「おいミツイほったらかしかいこれ」

カク  「な、どういう呪文だっけ? ヒョ、ヒョ?」

クロヌマ「ヒョード!」

カク  「ヒョード?」

クロヌマ「ヒョード!!!!」

イムラ 「うるせいなおい! 声たっけぇな、ほんで。(魔法の効果音が流れる)テロレロレロ、じゃねえよ!」

カク  「やっぱなんか魔法とか、そういった技とか一個欲しいよね。俺も」

クロヌマ「あ~、ま~ね」

カク  「ないからな~、俺ら。イムラもさ、そういった魔法とか欲しいでしょ?」

イムラ 「まぁまぁ、そりゃ~欲しいよ」

カク  「魔法な~」

イムラ 「もしくは武器が欲しいね」

クロヌマ「あ~、武器」

カク  「武器?」

イムラ 「うん、剣とか槍とかさ。カッコイイじゃん」

ツチダ 「ハンマー!」

カク・イムラ・クロヌマ「びっくりした~」

イムラ 「いたのか、お前。何? なんて?」

ツチダ 「ハンマー!」

イムラ 「ハンマー?」

ツチダ 「ハンマー!」

イムラ 「うん、ハンマーもね、武器だよね」

ツチダ 「ハンマー! 武器!」

イムラ 「そうそうそうそう」

カク  「いやでも俺はツノあるしな~」

イムラ 「え? ツノ?」

カク  「うん、ツノ」

イムラ 「そのツノ?」

カク  「このツノ」

イムラ 「でもまあ結構みんなツノあるけどね」

カク  「は?」

イムラ 「だってツチダにもあるでしょ。クロヌマにもあるでしょ」

カク  「は?」

イムラ 「あ、ミツイにもあるわ。ミツイにもあるでしょ」

クロヌマ「あ、ホントだ」

カク  「は?」

イムラ 「俺のこれもツノっちゃ~、ツノだしね」

カク  「は?」

イムラ 「五人中五人あるもん」

カク  「お前のなんかプニップニじゃね~か! そんなんツノじゃね~わ! 『トッキ』だわ!」

イムラ 「なに怒ってんの。だってみんなあんじゃんだって」

カク  「モノが違うんじゃ~!」

イムラ 「わかった、ごめんごめんごめん」

カク  「むっちゃ硬いんじゃ~! 儂のツノは~!」

イムラ 「わかった、ごめんごめんごめん」

カク  「だから武器いらんのじゃ~! 儂は~」

イムラ 「わかったよ。そうだね。わかったよ」

カク  「なんだそのあしらう感じ! なんっじゃ~!」

イムラ 「誰なんだそのしゃべり方!」

カク  「いやそのツチダのハンマーで俺のツノ一回殴ってみ? どんだけ硬いか!」

ツチダ 「ハンマー!」

カク  「そう、ツチダ一回これハンマーで殴ってみ? これ」

ツチダ 「殴る!」

  カクのツノがあっさりとツチダのハンマーで折れる

カク  「うん、折れたけど」

イムラ 「折れちゃったよ!」

カク  「うん、ちょっと強かったね今の。力加減がちょっと強すぎたけど」

イムラ 「大丈夫か、お前。痛くないの? お前」

カク  「痛くはない。痛くはないんだけど」

イムラ 「大丈夫か!? お前」

カク  「じゃあ、クロヌマのそのじゃあ杖で」

クロヌマ「え?」

カク  「杖でちょっと殴ってみ? クロヌマの」

クロヌマ「ぼ、僕の?」

カク  「うん、ツチダはちょっと力が強いから。クロヌマ、殴って」

クロヌマ「え? 大丈夫?」

カク  「大丈夫だから。ちょっと殴って」

クロヌマ「・・・いくよ?」

カク  「うん」

  クロヌマの杖でもカクのツノがあっさりと折れる

カク  「・・・うん、折れたわ」

イムラ 「折れちゃった!」

カク  「折れちゃった」

イムラ 「両方折れちゃった!」

カク  「両方折れちゃった」

イムラ 「ごめんね、なんか」

カク  「う、うん、ぶ、武器、武器買いに行こう」







終わり