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台本置き場

ラーメン大好き小泉さん 二杯目 まーゆ

2017-03-23 20:56:51 | 台本
ラーメン大好き小泉さん 二杯目 まーゆ




【登場人物一覧】


小泉さん(こいずみさん)

ラーメンをこよなく愛する女子高生。名は不詳で姓のみが作中での呼称名。
身長152cm。ウェーブがかった、金髪ではなくかん水の黄色のイメージの髪を持つ美少女。
ラーメンのこと以外に興味がなく、また、つるんで食べるものではないという考えから
友人などもほとんどいない。
物語開始以前に悠たちが通う高校に転校してきた。
ラーメンに関する知識とこだわりは他の追随を赦さず、
突発的にご当地ラーメンが食べたくなると現地まで赴くなど行動力と執着心は高い。
家系や変わり種のラーメンはもちろん、それほど得意ではないが激辛系のラーメンも好み。
痩身の見た目に反してかなりの大食漢だが、本人にその自覚はまったく無い。
また、食べるのは得意だが、作るのはインスタントの袋麺ですら失敗するという料理ベタでもある。
ナンパされることもあるがその全てを素っ気なく断っている。
東北旅行としてラーメンを食べに行ったことにより一度は追試を受ける羽目になったが
基本的に成績は優秀であり、また理由は不明だがドイツ語も堪能である。


大澤 悠(おおさわ ゆう)

小泉さんのクラスメイト。高校1年生。身長160cm、血液型O型、家族構成は両親と兄。
ショートカットでアグレッシブな少女。昔から可愛い女の子が大好きで、
クールビューティな小泉さんと仲良くなることに異常な執着心を見せる。
その入れ込みっぷりは新幹線に乗って名古屋に停車した際、
小泉さんを見かけたというだけで後先を考えず行動した結果、
ほぼ文無しで見知らぬ土地で迷子になるほどで、
通常もストーカー的に彼女と行動を共にしているが大抵はスルーされている。
それでもめげずに小泉さんと交流を持とうとするが、小泉さんの連絡先を知ったのが、
美沙、潤に次いで最後だったことは本人もショックを隠せなかった。
両親が共働きしている影響で料理が得意。
小泉さんに家庭風アレンジラーメンを振る舞った際は彼女を唸らせた。


中村 美沙(なかむら みさ)

小泉さんのクラスメイト。身長153cm、血液型A型、家族構成は両親と弟3人。
小柄でツインテールが特徴。愛らしい見た目で普通にモテるのだが、
もう彼氏がいるだろうと思われて告白されないタイプ。
当初は小泉さんに対して多少の苦手意識や嫉妬心を持っていたが、
本意でないにせよ一緒にラーメンを食べたのを機に仲良くなっていく。
実は激辛マニア。美容に関しては博識。弟のうち1人はケンタという名前で中学生。


高橋 潤(たかはし じゅん)

小泉さんのクラスメイト。身長158cm、血液型A型、母子家庭で一人っ子。
母親は出版社で編集の仕事をしている。外ハネした長髪に眼鏡をかけた少女。
クラス委員長を務めており、みんなからは委員長と呼ばれている。
テストでは学年上位に入る才女。眼鏡が曇るから、という理由で熱々の麺系を食べるのが苦手。



【キャスト一覧】


小泉さん ♀:
大澤 悠 ♀:
中村 美沙♀:
高橋 潤 ♀:


【本編】


《小泉さんが学食の入り口に貼られているポスターを見ている》

小泉「・・・・・・」

《悠と美沙と潤が歩いてくる》

美沙「おなかすいたー」

潤 「昼 何食べる?」

悠 「あ 小泉さん」

小泉「?」(振り返る)

悠 「何 見てんの!?」

小泉「・・・・・・・・・」(沈黙後に走り出す)

悠 「逃げないで!」


《小泉さんが走り去る》


美沙「? 今の小泉さん?」

潤 「ユウ 昔から可愛い子大好きだもんねー」

悠 「もう 一緒にラーメン食べたのにツレないなー」

悠M「一体 何見てたんだろ?」(ポスターに近づく)


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4月の新メニュー ご当地ラーメンフェア ~第1弾~

熊本ラーメン 特製 馬油入り
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悠M「"うまあぶら"? やっぱり小泉さんラーメン好きなんだなー」

悠 「ねぇ たまにはお昼学食で食べない?」

潤 「混むから嫌だよ」

悠 「何でさーーっ "小泉さんと友達になろう計画"協力してよーー」

潤 「いや それ初めて聞いたし」

悠 「美沙はーー?」

美沙「美沙 小泉さん 苦手」

悠 「えーーー」

美沙「なんかー 転校してきてから誰とも話そうとしないしーー
   何か冷たいカンジっていうかーー・・・・・・・・・」
   まぁ ひとことで言うと 『美沙よりモテる子はみんな邪魔。』」

悠 「ほらほら 嫉妬はイカンよ 皆仲良く!
   美沙も十分可愛いんだからさー」

美沙「小泉さんとどっちが?」

悠 「小泉さん」

美沙「ちょっと!」

潤M「はーーー 今日も平和だなぁ」


《結局、悠だけ学食で食べることになる》


悠 「隣 いいかな?」

小泉「・・・・・・・・・またあなたですか
   勝手にすれば良いと思います。別に私の家ではないので」

悠 「そうさせて頂きます!(席に着く)
   あ 小泉さんも同じだ! 私も! 初・熊本ラーメン」

小泉「ちゅるっ ごく はーーー」(ゆっくりラーメンを味わう)

悠 「前みたく勢い良く食べないんだね」

小泉「・・・・・・あの店だとロット・・・回転を悪くしないよう極力食べる速度を上げているだけです」

悠 「ねぇねぇ このラーメンとんこつ味だけど独特な香りするよね。
   このスープに浮いてる黒っぽいの何だろ・・・?
   ―――あ そっかアレか! "うまあぶら"」

小泉「・・・」(ぴくっとする)

悠 「そうだよ。この"うまあぶら"がイイ味だしてるんだよ
   馬の油が豚骨スープにこんなに合うなんて
   まさに豚と馬の奇跡のコラボレーション
   いやーイイね! "うまあぶら"」

小泉「・・・まーゆ。"うまあぶら"では無く"馬油"(まーゆ)と読みます」

悠 「え」

小泉「ちなみに馬の油で無く ニンニクを焦がして香りを移した香味油のことです」

悠 「えっ 馬関係ないの!?」

小泉「関係があるとしたら"鶏" 熊本系のスープは豚骨と鶏ガラのミックス
   馬油を使うことでルーツである久留米・玉名系よりコクがあるのが特徴
   ただ学食ということもあってかニンニク臭は抑えめですね
   本場のものとなると・・・」

悠M「ああ 好きなモノ(ラーメン)のコトなら結構話してくれるじゃん」

小泉「『九州とんこつ』というと博多・長浜系がメジャーですが
   熊本系はそれらより麺が太いのも特徴で・・・」

悠M「淡々と話してるけど女の子らしくて可愛い声だなぁ」

小泉「学校周辺にも最近オープンした店が・・・」

悠 「うんうん それで?」


《小泉さんが急に立ち上がる》


悠 「ねえ! 私 そのお店のラーメン食べたい! 今度一緒に行かない?」

小泉「嫌です」

悠M「なんか今日 結構しゃべれたんじゃない!?」





二杯目 完食