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台本置き場

ラーメン大好き小泉さん 一杯目 ヤサイマシニンニクアブラカラメ

2017-02-14 01:33:20 | 台本
ラーメン大好き小泉さん 一杯目 ヤサイマシニンニクアブラカラメ




【登場人物一覧】


小泉さん(こいずみさん)

ラーメンをこよなく愛する女子高生。名は不詳で姓のみが作中での呼称名。
身長152cm。ウェーブがかった、金髪ではなくかん水の黄色のイメージの髪を持つ美少女。
ラーメンのこと以外に興味がなく、また、つるんで食べるものではないという考えから
友人などもほとんどいない。
物語開始以前に悠たちが通う高校に転校してきた。
ラーメンに関する知識とこだわりは他の追随を赦さず、
突発的にご当地ラーメンが食べたくなると現地まで赴くなど行動力と執着心は高い。
家系や変わり種のラーメンはもちろん、それほど得意ではないが激辛系のラーメンも好み。
痩身の見た目に反してかなりの大食漢だが、本人にその自覚はまったく無い。
また、食べるのは得意だが、作るのはインスタントの袋麺ですら失敗するという料理ベタでもある。
ナンパされることもあるがその全てを素っ気なく断っている。
東北旅行としてラーメンを食べに行ったことにより一度は追試を受ける羽目になったが
基本的に成績は優秀であり、また理由は不明だがドイツ語も堪能である。


大澤 悠(おおさわ ゆう)

小泉さんのクラスメイト。高校1年生。身長160cm、血液型O型、家族構成は両親と兄。
ショートカットでアグレッシブな少女。昔から可愛い女の子が大好きで、
クールビューティな小泉さんと仲良くなることに異常な執着心を見せる。
その入れ込みっぷりは新幹線に乗って名古屋に停車した際、
小泉さんを見かけたというだけで後先を考えず行動した結果、
ほぼ文無しで見知らぬ土地で迷子になるほどで、
通常もストーカー的に彼女と行動を共にしているが大抵はスルーされている。
それでもめげずに小泉さんと交流を持とうとするが、小泉さんの連絡先を知ったのが、
美沙、潤に次いで最後だったことは本人もショックを隠せなかった。
両親が共働きしている影響で料理が得意。
小泉さんに家庭風アレンジラーメンを振る舞った際は彼女を唸らせた。



【キャスト一覧】


小泉さん♀:
大澤 悠♀:
店員&男♂:


【本編】


店員「おまちどうさん」

悠N「――きっと」

小泉「いただきます」

悠N「今日もどこかで 彼女はラーメンを食べている」


  一杯目 ヤサイマシニンニクアブラカラメ


《放課後 帰り道で悠が友人と別れる》

悠 「んじゃーねー」

《携帯に母から残業のため夕飯は各自で食べてと連絡が入る》

悠 「――・・・・・・あらっ ゴハンどーしよ。コンビニかなぁ」

《ラーメン屋の前にたくさん人が並んでいる》

悠M「ラーメン食べたいけど、女子が一人で入るのもなぁ。こんなでも一応女のコですし・・・!」

《ラーメン屋に並んでいる小泉さんを見つける》

悠M「あれはっ 先週転校してきた小泉さん!? えー何でこんな所に!?」

男 「ここ 並んでます?」

悠 「!? えっ え」

小泉「・・・・・・」(じーっと悠を見つめる)

悠 「あ えーっと・・・・・・はい」

《結局、ラーメン屋に並ぶ悠》

悠M「何だーこの状況・・・ま、いーか。ラーメン好きだし。てか そんなことより!
   小泉さん 近くでみるとやっぱり可愛いなー。転入してきてまだあんまり話せてなかったけど
   ――これはチャンス」

悠 「あの わかるかな。あたし同じクラスの大澤 悠。よろしくっ。
   一人でラーメン食べたりするんだ!? 意外ー」

小泉「つるんで食べるものじゃないですから」

《一瞬、しん・・・となる》

悠 「すごいなーー あたしとかムダに周りの目とか気にしちゃって。
   小泉さんはこのお店によく来るの?」

小泉「・・・・・・」(本を読んだまま沈黙)

悠M「――って聞いてにゃい」

店員「おまたせしましたー」(遠くから呼びかける)

悠 「あ ちょうど開店みたい!」


《店内に入り、小泉さんが『ぶたダブルラーメン』のボタンを押す》


悠 「食券なんて学食みたい。じゃ私も同じの!」

《カウンターの隣同士で席に着く小泉さんと悠》

悠M「学校帰りにラーメン屋なんて初めて」

店員「左の方 ニンニク入れますか?」

小泉「ヤサイマシニンニクアブラカラメ」

悠 「!?」

店員「そちらの方 ニンニク入れますか?」

悠 「え? あ、ハイ!! 何かこう 同じ感じ(?)で!」

店員「ぶたダブルヤサイマシニンニクアブラカラメ おまちどー」


《悠の前に野菜と肉がたっぷり山盛りに盛られたラーメンが置かれる》


悠M「!? 麺が見えん!!! コレ ラーメンなの!?」

店員「豚ダブルヤサイマシニンニクアブラカラメ おまちどー」

悠 「!」

小泉「・・・・・・」(腕まくりをしながら、関節を鳴らしている)


《箸を手に取り、カッと目を見開いて、もの凄い勢いでラーメンを食べる小泉さん》


小泉「がふ ずるっ ずるずるずるっ
   がぶ がつがつ ず ずず
   ごく ごく ごっくん
   はーーーーーーーーーーーーー」(最後は至福の笑顔)

悠M「な な 何 今のーーー!!?
   しかも 何て幸せそうな表情(かお)」

小泉「・・・・・・・・・」(悠に見られていることに気づいて表情を元に戻す)

悠M「あ 戻っちゃった」

小泉「伸びますよ」

悠 「!? ぎゃ~~~」


《二人とも完食して店を出て、神社の前でへたりこむ悠》


悠 「うぷ 何て量だ・・・体中の穴という穴からラーメンが吹き出そうだ」

小泉「てっきり常連なのかと」

悠 「初めてっス・・・」

小泉「では私はこれで」

悠 「あ 小泉さんてさ ラーメン好きなんだね!?」

小泉「・・・・・・・・・・・・好きです」(振り返らずに)

悠M「クールだけど案外庶民的でフツーの子なのかも」

悠 「じゃあ美味しいお店知ってたら今度教えてよ」(小泉さんについていきながら)

小泉「お断りします」(振り返らずに)

悠 「・・・・・・アレか! ホントにウマい店は自分だけの秘密にしておきたい的な!?」

小泉「・・・・・・・・・」(早足で歩き出す)

悠 「ちょっと待った! せっかくクラスメイトになったんだし
   これからはもっと話しようよ。ラーメンのことでも何でも」 

小泉「お断りします」(振り返って)

悠M「・・・・・・桜舞う中の小泉さん絵になるなぁ・・・
   よし また明日話しかけてみよう」




悠N「これはラーメン大好き小泉さんのお話」






一杯目 完食