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ポンコツクエスト ~魔王と派遣の魔物たち~ 第三十一章「紅一点」

2017-05-28 21:09:02 | ポンコツクエストシリーズ
ポンコツクエスト ~魔王と派遣の魔物たち~ 第三十一章「紅一点」


【キャラクター紹介】

カク

角の生えた獣の魔物。だらしがない、口が悪い、と言うダメダメな性格で、
いつも愚痴ってはイムラになだめられている。
自慢の角は唯一の武器だが、とても脆く、すぐ折れる。折れると言うより、むしろ砕ける。
「労災は下りんの?ちゃんと。」

イムラ

カクと仲のよいスライム。比較的真面目で大人な性格なので、カク達のツッコミ役になる事が多い。
魔物の中でも最弱で、特技は自爆。(ただし相手にダメージはなし)
すぐ死んですぐ生き返るので、死生観がユルユル。
「テロレロレロ、じゃねえよ!」

カツラギ

炎の力をアレした剣による必殺技が得意なヒト型の魔物。
魔王直属の部下四天王の一人だが、現在四天王のメンバーは四人揃っておらず、
その事をイジると激怒して必殺技を放ってくる。
決めポーズや決めゼリフを好むナルシストで、アイドルと呼ばれるのを否定しない。
「あっ、またゴキブリだ!えっと…逆流性食道炎!!」

カザミ

鳥のような大きな羽根を持つヒト型の魔物。
魔王直属の部下四天王の一人で、自称お色気担当。
お色気担当であるにも関わらず露出度の高い衣装を嫌がり、
自慢の生足を「鳥足」といじられるとショックでえづく。
キャラ付けの為に無理矢理語尾に「ですわ」を付けて喋ったり、
ネットの翻訳サイトで調べた適当なフランス語で必殺技を叫ぶ。
「そうですわよ!このチョビヒゲ!」



【キャスト一覧】

カク  ♂♀:
イムラ  ♂:
カツラギ ♂:
カザミ  ♀:


【本編】


《広場》


カク  「あ~~、だり~~、帰ろうかなもう」

イムラ 「今日もやる気ないな~、コイツ」

カク  「あ~あ、今日もやる気がないな~!」

イムラ 「はっきり言ったな~」

カツラギ「おい、貴様ら」

カク&イムラ「?」

カツラギ「またダラけているのか」

カク  「一天、カツラギさんじゃないですか」

イムラ 「どうしたんですか急に」

カツラギ「おい、今一天王って言おうとしたな貴様そこのバカよ!
     あっはっはっはっはっ! バカめ!」

イムラ 「テンション高いな、おいどうした?」

カツラギ「もう一天王とは言わせんぞ!」

カク  「ええ~、なんスか~」

イムラ 「四人揃ったんスか~?」

カツラギ「おい! カザミ!」

カク  「カザミ?」

イムラ 「え~?」

カツラギ「カザミ~!」

イムラ 「おお、なんだ、なんか来た」

カク  「だま~って歩いて来たけど」

カツラギ「カザミよ。あのな」

カザミ 「え?」

カツラギ「呼ばれたら一応、返事はした方がいいぞ」

カザミ 「あ、すいません」

カク  「あ、いきなりちょっと怒られた」

カツラギ「よしカザミ!」

カザミ 「はい!」

カツラギ「自己紹介してやれ!」

カザミ 「はい!」

イムラ 「めっちゃ返事してるw」

カク  「まじめw」

カザミ 「あたいが四天王の紅一点。疾風の女王こと、カザミですわ! おーほっほっほっ!」

イムラ 「ええ~?」

カク  「急にテンション高いな」

カツラギ「どうだ!」

イムラ 「いや、どうだって言われても。こちらの方が新メンバーなんですか?」

カツラギ「そうだ。カザミが加わって、なんと四天王が二人になったのだ!」

カク  「ニ天王じゃないっスか」


カツラギ「誰がニ天王だ、無礼者!」(カザミと同時に)

カザミ 「二天王ってなんだバカ!」(カツラギと同時に)


カク  「いっぺんにめっちゃ怒られた、すいません」

イムラ 「っていうか新しい人、女性なんですね」

カツラギ「そうだ、こういうのにお色気キャラは必須だからな」

カザミ 「そのとおり! あたいは四天王のお色気担当ですわ! おーほっほっほっ!」

カク  「なんかうるせぇな、この人」

イムラ 「ちなみにカツラギさんは、何担当なんですか?」

カツラギ「私はキザ担当だ」

イムラ 「自分で言うのすげぇな」

カザミ 「私はお色気担当ですわ!」

イムラ 「何回言うんだ、聞いたよさっき」

カク  「でもなんかお色気担当って感じじゃなくないっスか?」

カツラギ&カザミ「!?」

カク  「お色気担当だと、もっとエロい格好とかしないと」

カザミ 「エグり殺しますわよ!」

カク  「エグり殺すってなんだ、怖い!」

カザミ 「エロい格好なんて嫌に決まってるじゃない」

カク  「え?」

カザミ 「あんた地獄に落ちるわよ!」

イムラ 「いや占い師か」

カク  「なんでエロい格好嫌なんだよ。お色気担当のくせに」

カザミ 「だって似合わないもん。恥ずかしいし」

カク  「あれ? 向いてないな」

イムラ 「内気だな」

カツラギ「いや、でもちょっとよく見ろ。この格好」

カク  「ええ?」

カツラギ「生足が結構出ている」

カザミ 「そうですわよ、ほら生足」

カク  「いやでも鳥の足、鳥足じゃん」

カザミ 「と、鳥足!? おえええ~」

イムラ 「どうした!?」

カク  「えづいた!?」

カツラギ「おい貴様! カザミの足をフライドチキンみたいに言うな!
     ショックで『おええ~』ってなってるではないか!」

カザミ 「そうですわよ、このチョビヒゲ!」

カク  「チョビヒゲではない」

イムラ 「チョビヒゲってなんだ」

カザミ 「もうお前達がなんと言おうとあたいはお色気キャラでいくんだよ!
     このチョビヒゲ野郎!」

カツラギ「落ち着けカザミ! チョビヒゲではない」

イムラ 「チョビヒゲってなんだ!?」

カク  「いや、でもお色気キャラやっぱ向いてないと思いますけどね」

イムラ 「う~ん、やっぱちょっと考え直した方が」

カツラギ「というか貴様ら、さっきから生意気な言動が過ぎるぞ」

カザミ 「そうですわよ! 四天王に向かってそんな態度とっていいと思ってんのか、ですわ!」

カク  「『ですわ』の使い方も下手なんだよな~」

カツラギ「貴様ら、どうやらお仕置きが必要なようだな」

イムラ 「え~、お仕置き?」

カツラギ「我々四天王二人による合体技を見せてやろう!」

カザミ 「地獄に落ちるわよ!」

カク  「占い師かって」

イムラ 「いや、でもヤバいぞ。地獄に落とされる。謝ろう」

カク  「すいませんでした! 許してください!」

カツラギ「い~や、許さん! いくぞ!」

カザミ 「いきますわよ!」


カツラギ「酩酊(めいてい)!」(カザミと同時に)

カザミ 「フラーム!」(カツラギと同時に)


カツラギ「あ、そっちか」(カザミと同時に)

カザミ 「あ、すいません」(カツラギと同時に)


イムラ 「いや合ってねぇじゃねぇか!」

カク  「決めとけよ! 何やるか!」

カツラギ「ま~、あ~、あの~、今日はアレだな。カザミが主役の日だからな。二人技は止めとくか」

カク  「言い訳するな」

カツラギ「うるさい! カザミ! 見せてやれ!」

カザミ 「わかりましたわ。トルナード・テリーブルで吹き飛ばしてやるですわ!」
               <恐ろしい竜巻>

イムラ 「トルナード? なに?」

カク  「ちょっとたどたどしかったけど、何語ですか?」

カザミ 「フランス語ですわ」

カク  「へ~~~、だっせ~」

イムラ 「恐ろしい竜巻って、単純だな~」

カザミ 「それとも、フランボワーズ・ドゥ・エスポワールで切り裂いてやろうかしら!」
              <希望の木いちご>

イムラ 「木いちごって何だ!? 希望の木いちごって」

カク  「フランス語分かってないだろ、さては」

カツラギ「いーや! カザミはちゃんと、ネットの翻訳サイトとかでフランス語を調べているのだ!」

イムラ 「翻訳サイト使うんかい!」

カク  「全然分かってねぇ奴じゃねぇか」

カザミ 「やはりここは、シャトーブリアン・エ・フランボワーズかしら!」
            <最高級ヒレ肉に木いちごを添えて>

イムラ 「料理名か! また出てきた木いちご」

カク  「添えるな木いちご」

カザミ 「それともやっぱり、イル・オフェ・サ・コンフィアンス・エ・ソン・アムールかしら!!」
                     <信頼と愛情をお届けします>

イムラ 「いやもう、どれでもいいわ!」

カク  「なんか昔のCMで聞いたことある!」

カザミ 「あ~、もうなんかゴチャゴチャめんどくさいからフランスパンで殴ろう」

イムラ 「ええ~~!?」

カク  「雑っ! 急に!?」

カザミ 「おりゃああああ!!」

カク  「あ~! でも普通にめっちゃ痛い!!」









おわり