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台本置き場

GS美神 アニメ版 第01話 「ボディコン除霊師登場!」

2016-05-14 18:41:18 | 台本
GS美神 アニメ版 第01話 「ボディコン除霊師登場!」


【主な登場人物紹介】

・美神令子(みかみ れいこ)

主人公でありメインヒロイン。20歳。身長164cm。1972年11月11日生まれ。B/W/H:90/58/90 Dカップ。AB型。
美神令子除霊事務所所長で、世界最高クラスのゴーストスイーパー (GS) の一人。
亜麻色のロングヘアで抜群のスタイルと美貌、巨額の資産を持つ文字通りのセレブで天性の女王様。
普段着も仕事着も紫色のチューブトップとミニスカのボディコンがトレードマーク。
料理、二輪・四輪の運転、スキー、格闘ゲームなど、多岐に渡ってかなりのハイレベルでこなし、
新しい物事にも即座にコツを把握して習得する天才肌だが、自分の興味を惹かない物事やお金にならない事にはまったく関心を持たない。
しかし、お金が大きく絡むギャンブル運だけは恵まれていない模様。

・横島忠夫(よこしま ただお)

17歳の高校2年生。身長175cm。1976年6月24日生まれ。血液型はO型。
海外赴任中の両親と離れ、アパートで下宿中に偶然見かけた美神の色香に迷い、超薄給かつ奴隷同然の待遇で、
彼女の助手(アルバイト)を始める。頭に巻いているバンダナがトレードマーク。好きなものはハンバーグ、
嫌いなものはタマネギとヤモリ(美神にヤモリを食わされそうになってタマネギとヤモリは嫌いと泣き叫ぶのがお約束)。
野球は大阪タイガースのファン。
女性の姿形をしていれば神も人外もなく欲情する煩悩のカタマリ。
見境無くアタックやセクハラを繰り返し、しばしば美神の着替えや入浴を覗いては半殺しの目に遭う。

・おキヌ

300年前に15歳で一度死んだ村娘の幽霊。巫女装束がトレードマークで美神たちには「おキヌちゃん」と呼ばれている。
身長156cm。B/W/H:78/56/80 Aカップ。血液型はO型。
序盤では幽霊らしく足が描かれていないことが多かったが、途中から足が描かれるようになる(アニメでは当初から描かれている)。
現代文明に毒されていないこともあってか、純粋で温厚かつ誠実な性格。
美神除霊事務所の良心で、誰にでも心優しく世話好きで、生前は、孤児達の面倒を見ていたため、子供嫌いな美神と違ってとりわけ子守りが得意。
家事万能で事務所だけでなく横島のアパートも整理整頓し、横島が食い詰めた際には金を工面して助けていた。

・見鬼(けんき)くん

霊力を感知する人形型の霊体センサー。霊力が無くても使用可能。
アニメ版ではマスコットとしてナレーションも務める。「であ~る」が口癖。
また、原作では「ぴきぴき」などの効果音を発するが、アニメでは「あっち、あっち」などの音声を発している。

【キャスト一覧】

美神令子♀:
横島忠夫♂:
おキヌ♀:

ワンゲル幽霊&男♂:
見鬼くん&幽霊&温泉幽霊♂♀:


【本編】


《夜の廃工場 外から男が拡声器で呼びかける》


男「君はみんなに、ただいな迷惑をかけている。抵抗をやめて、おとなしく成仏(ジョウブツ)しなさ~い」(弱弱しくお願いしている感じ)

幽霊「うるせー! お前たちこそ死にたくなければ、早く消えうせろ! ここは俺様のもんだ! 誰にも渡さん! ん?」


《幽霊の背後から横島 登場》


横島「この世に、どんな未練があって迷っているのかは知らないが」(かっこつけながら)

幽霊「呼んだか~?」

横島「いいえ~。ちっとも~」


《横島、幽霊から逃げる》


横島「ごめんなさーーーいっ!!」

幽霊「待て~!」

横島「たったっ助けてーーーっ!!」

幽霊「死ね~! !?」


《美神 登場》


美神「この世に、どんな未練があって迷っているのか知らないけど、ちょっと悪さが過ぎたみたいねぇ。
このゴーストスイーパー美神令子が、極楽へ、逝かせてあげるわ!」

幽霊「なぁに~!? お前こそ、返り討ちにしてくれるわーっ!!」


《幽霊が美神に襲いかかる。美神はお札を取り出し、お札が光る》


幽霊「うわあああ!!」

美神「吸引!」


《幽霊がお札に吸い込まれる》


幽霊「うわあああああああああ!!!!」

美神「一丁上がりっと」

見鬼くん「彼女の名は美神令子。ゴーストスイーパーとしてはトップクラスの実力の持ち主で、あ~る!」


【タイトルコール】

見鬼くん「ボディコン除霊師(ジョレイシ) 登場!」


《美神の自宅の一軒家》


見鬼くん「GS(ゴーストスイーパー)とは人々に害を及ぼす悪霊やモンスターを退治する、現代の悪魔ばらいなので、あ~る!」


《美神がシャワーを浴びている。扉前で横島が覗こうとしている》


見鬼くん「そして彼の名は横島忠夫。ここでアシスタントのバイトをしている。その理由はもちろん」

横島「未知への挑戦と、冒険を求める熱き情熱のためで、うわっ!!!」(扉が急に開いて顔面強打)

美神「毎度毎度、みっともないマネしてんじゃないの!」


《美神、着替え終わり椅子に座る》


美神「ふーーっ。ボロもーけのあとは気分もいーわね~!」

横島「そんなに、ボロかったんですか?」

美神「相手は大企業よ、半日で一億!」

横島「い、いちおく!?・・・それで、俺の時給は250円? せめて300円くらいは!」

美神「・・・・・・」

横島「・・・・・・」

美神「ほら、次はこれなんかよさそーね」(依頼資料を手に取りながら)

横島M「おいおい」

美神「人骨(ジンコツ)リゾートホテルですって」

横島「だいたい今時誰がですね!」

美神「露天風呂に霊が出て、客が激減」

横島「時給250円なんてそんな、露天風呂~!?」

美神「ギャラは安いけど、のんびりできそうよ~」

横島「ろ、ろ、露天、風呂・・・」(美神の裸を思い浮かべながら)

美神「で、給料がどうしたって?」

横島「給料がどうかしましたか?」


《ホテルへ向かう山道 ものすごい量の荷物を背負って歩く横島》


横島「ぜーっ、ぜーっ、ぜーっ・・・」

美神「大丈夫~? 横島ク~ン!」

横島「だ、大丈夫っスよ~! うわははっはっはっ! こんなもんくらい!・・・し、死ぬ~」(最後は倒れる)

美神「若いんだからがんばって。じゃ、先に行くわね~!」

横島「美神さ~ん! 待って~! いかん、女がいなくなるとますます意識がモーローとしてしまう。急がねば、命が・・・」

おキヌ「あの人・・・あの人がいいわ・・・ようし・・・」(木の陰から横島を見ながら)

横島「ぜーっ、ぜーっ、ぜーっ」

おキヌ「えいっ!!」(横島を蹴り飛ばす)
 
横島「ぐはっ!?」

おキヌ「あ、大丈夫ですかっ!? おケガはっ!? 私ったらドジで・・・」

横島「今、アンタ『えいっ』とか言わなかったか!? 『えいっ』て!? だいたいだな~、その」

おキヌ「あ・・・」


《おキヌの可愛さに心奪われる横島》


横島「大丈夫ですか? おケガは? 私ったらドジで・・・」(紳士っぽく)

おキヌ「ああ~! 今のショックで、持病のシャクが・・・!!」

横島「へ?」

おキヌ「ちょ、ちょうどそこに薬が・・・取ってきていだけます?」


《そこには超豪華なセットの真ん中に薬が置いてある》


横島「ちょ、そんなアホな」

おキヌ「大丈夫! あやしくなんかないです!! もうばっちり!!」

横島「思いっきりあやしいわいっ!!」

おキヌ「お願いっ!!」(横島に抱きつく)

横島「やりましょう!!」


《横島がそ~っと、薬に近づく急に上から大きな岩が降ってくる》


横島「うひゃあああ!!!」(間一髪でよける)

おキヌ「また失敗・・・せっかく死んでいただけそうな人をみつけたのに・・・しくしくしく」(最後は姿を消す)


《怖くなって一目散に人骨リゾートホテルへ向かい走り出す 》


横島「あ、あ・・・・・・う゛あああああーーっ!! 美神さん! 美神さん! 美神さん! 美神さん! 美神さーーーーん!!」


《人骨リゾートホテル 客室 美神が夕食を食べている》


美神「15、6の女のコの幽霊? う~ん、だとしたら今回のとは別件ね。露天風呂の方は、むさくるしい男の幽霊らしいから」

横島「で、でも俺ね! 殺されるところだったんスよっ!?」

美神「生きてるんだからいいじゃな~い。横島クンが除霊料金出すんなら別だけど?」

横島M「こ、この女は~~っ!!」

美神「さてと、おなかもいっぱいになったことだし」

横島「あ、あっ、俺のメシは?」

美神「問題の露天風呂に行くわよ!」

横島「お供いたします」


《露天風呂付近 美神が見鬼くんを持ちながら幽霊を探す》


見鬼くん「ぐる・・・ぐる・・・ぐる・・・ぐる・・・ぐる・・・」

美神「みたとこ、霊の気配はなさそうねぇ」

横島「あ、あのっ、じょ、女性が、ふふ風呂に入ってないと、ダ、ダダダメなんじゃないですかね~?」

美神「じゃ、とりあえず入ってみましょーか」

横島「うおっしゃああーーっ!!」

見鬼「ぐるぐるぐるぐるぐる 出た出た出た」(幽霊をみつける)


《横島がズッこける》


ワンゲル幽霊「ううっ! 自分は明峰(メイホウ)大学ワンダーホーゲル部員であります!! 寒いであります!! 助けてほしいでありますっ!!」

横島「アホかーーっ!!! 貴様ーーっ!!! あと5分!! いや3分がなんで待てんのだっ!! 
   もーちょっとで、もーちょっとで美神さんの裸体がおがめたものをっ!!! 
   幽霊とはいえ、それが、それが男のすることかーっ!! バカっ! バカ!! バカーっ!!!
   あーっ! 情けなやっ! 口惜しやっ!!」

ワンゲル幽霊「な、なんでありますか?」

美神「気にしなくていーの」


《本題に入る美神》


美神「あの山で遭難した?」

ワンゲル幽霊「そーなんであります・・・すいません。しかし、いまだに遺体は発見してもらえず、放置されております。」

美神「なるほど。じゃ、遺体をみつけて供養(クヨウ)すればおとなしく成仏するのね?」

ワンゲル幽霊「はい、そのつもりであります!」

横島「美神さん! こんなバカで体育会系で足が臭そうな野郎は、封印して燃やしてやればいいんですよっ!!」

美神「あのお札は一枚300万はするのよ。そのお金、誰が出すと思ってんの! で、遺体の場所は?」

ワンゲル幽霊「自分が案内するでありますっ!」


《美神とワンゲル幽霊が横島を見つめる》


横島「! ひょ、ひょっとして俺が行くんスか!? 春ったってまだ雪は残ってるのに・・・」

美神「だから、横島クンに行ってもらうんじゃない」

横島「お、鬼・・・」


《猛吹雪の雪山》


ワンゲル幽霊「むっすめさん~♪ よっくきーけっ♪ やっまおににゃ、ほーおれーえるなよほう~♪」(テキトーに歌いながら)

横島「ぜーっ、ぜーっ、ぜーっ・・・おい! まだ先なのか!?」

ワンゲル幽霊「あと2時間くらいであります!!」

横島「2時間だって!? 冗談じゃねーよ!? こんな天気で歩き回ってたら俺まで死んでしまうじゃねーかよっ!?」

ワンゲル幽霊「大丈夫っス! 自分は山に詳しいから、心配いらないっス!」

横島「お前だいたい遭難して死んだんだろうがっ!?」

ワンゲル幽霊「・・・・・・」

横島「・・・・・・」

ワンゲル幽霊「はーっはっはっはっ!!」

横島「はーはっはっじゃないよ!!・・・死の予感」

ワンゲル幽霊「いっつかあーるき~♪ やっまで死ーんだ~♪」

横島「縁起でもねぇ歌うたうなよ~」


《死角からおキヌが横島を見ながら》


おキヌ「きっと昼間はやり方がまどろっこしすぎたんだわ。今度はもっとストレートに死んでもらおう」

ワンゲル幽霊「横島さん」

横島「あ?」

ワンゲル幽霊「あそこでちょっと休んでいきましょうっス」(あからさまにあやしそうな洞窟を指差して)

横島「あ、ああ・・・」

ワンゲル幽霊「ささっ、横島さん、つつっと中へ。男同士、友情と青春のひとときを過ごしましょう」

横島「ちょ、ちょっと待てよ~」

ワンゲル幽霊「友情っスよ? 友情!」

横島「んな気色悪い友情なんかいらんわっ!!」

ワンゲル幽霊「このままだと死ぬっスよー!」

横島「じょ、冗談じゃねーやっ!!」(走って逃げる横島)

ワンゲル幽霊「あ! 逃げないでーっ!」

横島「いやだっ! 男はいやだっ! 寒いのはいやだっ! 死ぬのはもっといやだっ!!」

ワンゲル幽霊「友情っスよーーっ!! 青春っスよーーっ!!」

横島「俺は死なんぞーっ!! 生きのびて、やーらかくて、かーいらしいねーちゃんとあっためあうんだーっ!!」

ワンゲル幽霊「待ってーっ! 横島サーン!!」

横島「ねーちゃーん!!」

おキヌ「実力行使!! えいっ!! お願いします!! お願いします!! しかたないんです! 私のために死んでーっ!!」


《おキヌが横島を狙って岩で殴りかかったが実際はワンゲル幽霊を殴っていた》


横島「わーーーっ、ねーちゃんやーっ!!」

おキヌ「キャーーッ!!」

横島「やーらかいなーっ! きもちええなーっ!! これやっ!! これなんやっ!! 俺が欲しかったのはこれなんやーっ!!」

おキヌ「いやーっ!!」

横島「あっ! 待ってねーちゃーん!!」


《逃げるおキヌを横島が追いかけていく。取り残されるワンゲル幽霊》


温泉幽霊「しくじったな」

ワンゲル幽霊「先輩・・・」

温泉幽霊「早く奴を追いかけるのだ。さもないと・・・」

ワンゲル幽霊「ううっ・・・わかりました。行くであります!」


《美神が露天風呂に入っている》


美神「あー、気持ちいい~!。飲み放題食べ放題だし。
   ギャラが安い分、しばらく居座るのもいいわね~。
   こうしてると人間のみにくい欲望や争いなんて、とてもちっぽけに思えてくるわ・・・」


《露天風呂の外から声が聞こえてくる》


横島「ねーちゃーん!!」

おキヌ「キャーーッ!!」

ワンゲル幽霊「横島サーン!」


《三人が同時に露天風呂に突っ込んでくる》


横島M「!! 裸のねーちゃん!?」

おキヌ「助けてっ!! 助けてくださいっ!!」(美神の後ろに隠れる)

横島「ふたりとももらったーっ!!」


《美神のアッパーが横島に炸裂する》


横島「ぐわっ!!」

ワンゲル幽霊「こ、こわい・・・」


《一段落して》


美神「洞窟に連れこまれそうになった?」

横島「女がええんやーっ! 男はいややーっ! 寒いのもいややーっ! 死ぬのはもっといややーっ!!」

美神「で、あんたは?」

おキヌ「あ、はい・・・私はキヌといって、300年ほど前に死んだ巫女(ミコ)の娘です。
    お山のお怒りを鎮めるために人身御供(ヒトミゴクウ)として捧げられたんです。
    死んでからは山の神様になるはずだったんですが・・・でも、わたし才能なくて、神様にもなれないし、成仏もできないし・・・」

美神「たしかに他人と入れ替われば、地縛(ジバク)は解けるけど・・・なんで横島クンなの?」

おキヌ「あそこまでコキ使われても平気な人なら、喜んで替わってくれると思って・・・」

美神「なるほど」

横島「悪かったなっ!!」

美神「事情はよくわかったわ。でも、仕事を先に片づけないと」


《再び雪山 洞窟入り口》


美神「たしかにあやしいわね、ここ。横島クン、神通棍(ジンツウコン)を」

横島「は、はい」


《頭上から大きな氷柱が降ってくる》


おキヌ「美神さーん!!」

横島「うわあああっ!!」

おキヌ「キャーーっ!! あっ! 入り口が!?」(逃げて振り返ると)

美神「しまった!」

横島「武器もお札も穴の外っスよ!?」

温泉幽霊「ウヒャヒャヒャヒャヒャ・・・」(洞窟の奥から聞こえる感じで)

横島&おキヌ「こわーーーいっ!!」

美神「会いに行くしかないようね」

横島&おキヌ「うそーっ!?」


《洞窟の奥に進む美神一行。奥で温泉が湧いている》


美神「やっと会えたわね、黒幕が」

横島「え? どこに?」

美神「いいかげんに出てきなさい!」

温泉幽霊「ウヘヘヘヘッ! ここの温泉は全部オレのもんだ~!」

美神「なるほど。今から400年前、慶長(ケイチョウ)3年にここで最初に温泉を掘り当てた直後、
   すべってころんでおぼれて死んだ、地縛霊(ジバクレイ)ね」

温泉幽霊「ギクっ!?」

横島「す、すごい! いきなりそんなことまで!」

美神「この美神令子の霊能力で、わからないものなどなにもないのよ」

おキヌ「あの? そこでなにしてらっしゃるんですか?」

横島「あ? シェー!!」(ずっこける)


《ワンゲル幽霊が美神の横でカンペを持っている》


美神「オーホッホッホッホッ!」

ワンゲル幽霊「先ほどは申し訳ありませんっス。あいつは温泉を他の誰にも入らせたくなかったんっス。
       それで自分を使って罪もない人々に嫌がらせを・・・自分は嫌だったんっス!
       本当っス! でも先輩にはかなわないっス!
       絶対服従が掟(オキテ)っス! 殺してっ! あいつをぶち殺して自分を成仏させてくださいっス!!」

美神「うるさいっ!」(足にしがみつくワンゲル幽霊を蹴り飛ばす)

ワンゲル幽霊「うわああっ!!」

温泉幽霊「ヘヘーーッ!! キュエエーーッ!!」

美神「この世の未練にアンタが迷うのは勝手だけど。ちょっと悪さが過ぎたみたいねぇ。
   このゴーストスイーパー美神令子が極楽へ、逝かせてあげるわ!」

温泉幽霊「キエエエーーーッ!!」(美神に襲いかかる)

美神「やだっ、強い、パワーが足りないわ!・・・
   うっ、くっ・・・精霊石(セイレイセキ)よ!」(神通棍で受け止めた後、精霊石を投げつける)

温泉幽霊「ギャアアアーーッ!!」

美神「いまのうちよ!」


《岩陰に隠れる美神一行》


美神「やばかった・・・神通棍じゃ歯が立たないわ。まずいわね」

横島「まずいって、どういうことですか?」

美神「つまり、下手すると私も横島クンも殺されちゃうってことね」

横島「なるほど・・・え!?」

おキヌ「大丈夫です! 死んでも生きられます! ちょっと死ぬほど苦しいけど」

横島「やかまし~いっ!」(泣きながら)

美神「そうだ、おキヌちゃん」

おキヌ「はい!」

美神「荷物の中に一枚八千万の超強力なお札があるんだけど、外に出て取ってこれる?」

おキヌ「はい、私は出られますけど、お札が抜ける隙間があるかな?」

美神「とにかくやってみるしかないわね。横島クンは私から離れないで。行くわよ!」

横島「死にたくないーっ!!」

温泉幽霊「キエエエーーーーッ!!」(再び美神に襲いかかる)

横島「ぎゃーーーっ!! こわーーっ! こわーーっ!!」

美神「おキヌちゃん! 頼んだわよ!」(神通棍で受け止めながら)


《洞窟の外に出て荷物を見つける》


おキヌ「あった! かばん!・・・これは違う、あれも違う、んっと、えっと・・・あったーっ!!」


《再び洞窟内 温泉幽霊と対峙し続ける美神と横島》


美神「うっ・・・くっ・・・」

横島「こわいーーっ!! ものすげーこわいよーーっ!!」


《洞窟の外 おキヌが必死にお札を洞窟内に入れようとする》


おキヌ「んっ!・・・んっ!・・・」


《再び洞窟内 温泉幽霊に押される美神と横島》


横島「ダメだっ! もうダメなんだーーっ!!」

美神「こうなったら二人分の霊力で戦うしかないわ! 精神を集中して!」

横島「そんなこと言ったって、俺には霊力なんか!?」


《洞窟の外 お札を入れようとするが破れてしまう》


おキヌ「んんーっ! もうちょっと!・・・あああーーっ!!」


《再び洞窟内 温泉幽霊に押され続けて後ろに足場がない》


温泉幽霊「グワーーーッ!!」

横島「ぎゃーーーっ!? ああーーーっ! 死ぬんや! もうあかん! ああっ! 
   せめて死ぬ前に水着の美女で埋め尽くされたプールに飛び込んでもみくちゃにされてみたかったーーっ!!」

美神「妄想はいいから精神を集中しなさい!」

温泉幽霊「ギエエエーーーッ!!」

横島「ぎゃーーっ! いやーーっ! いやーーっ!」

美神「男の子でしょっ! こうなりゃヤケだわ! このっ!」

横島「死ぬならせめて、その胸の中で死なせて!・・・やわらかい」(後ろから美神の胸を触る)

見鬼くん「その時、横島の全神経はただ一点に集中したので、あ~る!」


《神通棍が大きく光り、温泉幽霊を消し飛ばす》


温泉幽霊「ギャアアアーーーッ!!!」

美神「・・・やった。横島クンの精神集中が異常に高まって、一瞬霊能者並の霊力が出たのね。
   それが私のパワーと相乗(ソウジョウ)されて悪霊を吹き飛ばしたんだわ」

横島「そ、そうか~、や、やりましたね~、美神さ~ん」(美神の胸を触りながら)

美神「・・・・・・」(振り向きながら怒りに震える)

横島「・・・・・・」(あ、これは殺されるなと察する)


《洞窟の外 吹雪は止んでいる》


横島「い、いい感触だった~、こ、この手はしばらく、洗わんぞ~」(半殺しの状態で)

おキヌ「ぐすっ、ぐすっ、すいません! 高いお札を・・・」

美神「いいのよ。あなたはよくがんばってくれたわ」

ワンゲル幽霊「ありがとうございましたっス。これで自分も成仏できるっス」

美神「う~ん・・・ワンダーホーゲル部!」(おキヌとワンゲル幽霊を見比べて)

ワンゲル幽霊「おーす!」

美神「あんた、成仏するのやめて、おキヌちゃんの替わりに、山の神様になんなさい!」

ワンゲル幽霊「え!? 山の神様!?・・・やるっス!! やらせてほしいっス!!
       俺たちゃ街には住めないからっス!!」

美神「これで、おキヌちゃんも成仏できるわ。いいわね?」

おキヌ「はいっ!!」

美神「この者を捕らえる地の力よ!! その流れを変え、この者を解き放ちたまえ・・・!!」

おキヌ「! うわっ! うわーっ!」

ワンゲル幽霊「お・・・お・・・」


《ワンゲル幽霊が山の神に姿を変える》


ワンゲル幽霊「これで自分は山の神様っスねーっ!!」

美神「とりあえずはね。力をつけるにはまだまだ永い時間と修行が必要よ」

ワンゲル幽霊「はいっス! おおっ、はるか神々の巨峰(キョホウ)に
       雪崩(ナダレ)の音がこだまするっスよー!! ヨーホデリホー!!」

横島「なんなんだあいつは」

おキヌ「ありがとうございました。これで私も成仏できます」

美神「いーのよ。こっちも手間がはぶけたもの」

おキヌ「横島さんのことも忘れません。幽霊を押し倒した男として、次の人生でも語りつぎたいと思います」

横島「語りつがんでええ、そんなもんっ!!」

おキヌ「さようなら・・・・・・」(天に昇っていく)

横島「・・・いっちゃいましたね」

美神「・・・そうね」

おキヌ「つかぬことをうかがいしますが、成仏ってどうやるんですか?」(急に戻ってきて)

横島「だあっ!」(ずっこける)

美神「長いこと地脈(チミャク)に縛りつけられてて、安定しちゃったのね。こりゃ誰かにおはらいしてもらうしか・・・」

おキヌ「あの・・・やってもらえないんですか、それ」

美神「おキヌちゃん、お金持ってる?」

おキヌ「え・・・・・・」

美神「じゃ、こうしましょう! うちで料金分働きなさい! 日給はフンパツして30円!!」

おキヌ「やりますっ!! いっしょーけんめー働きます!!」

横島「お・・・鬼だ」


《帰りの山道》


見鬼くん「ゴーストスイーパー。それは常に死と隣合わせの危険な仕事で、あ~る!」

横島「お! えへへへっ・・・ぐふふっ・・・」(美神のお尻に近づく)

美神「あまいっ!!」(回し蹴りが炸裂する)

横島「うぎゃあーーっ!!」

見鬼くん「それでも彼は、この職場を愛していたので、あ~る!」


【次回予告】


美神「かねぐら銀行から幽霊退治の依頼。それにしても、たった一千万円のギャラじゃ安すぎるわ。
   こうなったら、ちょっと情けない幽霊たちだけど、一緒に銀行を襲撃(シュウゲキ)するしかないわね!」

横島「GS美神。『強盗に明日はない!』」

美神「極楽へ、逝かせてあげるわ!」



【エンディング】



第01話   終わり