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郵便局めぐり

郵便局めぐりの記録と雑多な記事

さようならシティポスト(大都市型簡易郵便局)

2018-08-31 | 規則

2018/8/31、シティポストとして最後まで残っていた池袋西武簡易郵便局が最終営業日となり事実上の廃止となる。

そもそもシティポストとは一体何なのか、当時の資料を見ながら考察してみよう。

 

平成3年版通信白書には以下のような記述がある
http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h03/html/h03a01040608.html

(8)大都市型簡易郵便局(シティ・ポスト)の業務開始 大都市における郵便局不足を解消し、郵政事業サービスの一層の普及と地域社会の振興を図るため、2年度において簡易郵便局法の一部を改正し、大都市においても簡易郵便局を設置できることとした。 この大都市型簡易郵便局(シティ・ポスト)は、2年度に東京都に5局、横浜市に1局、名古屋市に2局及び大阪市に2局の計10局設置し、百貨店、旅行代理店などに委託して業務を開始した。 今後とも、窓口事務量の著しく多い大都市中心部の無集配特定郵便局のうち、特に混雑が激しく、緊急に対策を講ずる必要のある局の周辺に大都市型簡易郵便局を増置し、大都市における郵政窓口サービスに対する需要にこたえていく方針である。

 

従前、取扱の多いところは郵政省が直営で普通局なり特定局を設置して、田舎でそこそこの需要しか無いところには国以外(地方自治体、農協、個人)が受託する簡易郵便局を設置してきた。 しかし、時はバブル。貯金も保険も儲かっていて潤沢な資金があるとはいえ公務員には定員というものがあり、いたずらに局を増やすことも出来ない、そこで大都市においても簡易郵便局を設置することにしたのだ。

 ところで民営化した現在では考えられないことだが、当時簡易郵便局は株式会社が受託することは出来なかった。これを認めてしまうと、特定郵便局長の立場が危ぶまれるからであろう。そのため通常の簡易郵便局の枠組みでではなく、「大都市」に限った簡易郵便局とすることで株式会社(要するにデパートや旅行会社)の受託を認め、局長会の懐柔を狙ったものと思われる。

  通常の簡易郵便局 大都市型簡易郵便局
委託の条件

郵政窓口事務の量からみて
委託することが経済的であるとき

郵政窓口事務の取扱場所又は取扱時間からみて
委託することが経済的であるとき
要するに、 田舎 大都市
受託者 市区町村、農協、漁協、生協、一定条件の個人 株式会社
設置数 約4000局 初年度10局、最大20局

 

 

平成2年(1990年) 9月17日の郵政省令 第四十四号 より

簡易郵便局規則の一部を改正する省令を次のように定める。


第四条の次に次の一条を加える。

第四条の二 第八条第一項第二号の規定の適用を受ける地域において、郵政窓口事務の取扱場所又は取扱時間からみて委託することが経済的であるときに委託契約により委託すべき事務は、次に掲げるものとする。ただし、地方郵政局長において、郵政事業の運営上支障があると認めるときは、各号に掲げる事務のうち、当該各号の事務の一部を委託しないことがある。
一 郵便
イ 国内のみにおいて発着する郵便物の引受けに関する事務。ただし、次に掲げる郵便物に係るものを除く。

(以下略)

 

「第八条第一項第二号の規定の適用を受ける地域」とは委託費表を兼ねてはいるが、この様になっている。

別表第二(第八条第一項第二号関係)


地域

一平方メートル当たりの施設の使用に要する額
一 東京都  
イ 千代田区 八万四千七百四十円の範囲内で別に定める額
ロ 中央区 九万九千四百七十円の範囲内で別に定める額
ハ 港区 六万四千二百二十円の範囲内で別に定める額
ニ 新宿区 九万三千五百円の範囲内で別に定める額
ホ 文京区 二万九千五百三十円の範囲内で別に定める額
ヘ 台東区 二万千百五十円の範囲内で別に定める額
ト 墨田区 二万百円の範囲内で別に定める額
チ 江東区 一万六千九百六十円の範囲内で別に定める額
リ 品川区 三万七千三百四十円の範囲内で別に定める額
ヌ 目黒区 三万九千四百四十円の範囲内で別に定める額
ル 大田区 二万六千七十円の範囲内で別に定める額
ヲ 世田谷区 一万七千百七十円の範囲内で別に定める額
ワ 渋谷区 八万八千七百九十円の範囲内で別に定める額
カ 中野区 二万六千二百五十円の範囲内で別に定める額
ヨ 杉並区 二万三千百七十円の範囲内で別に定める額
タ 豊島区 五万五千百四十円の範囲内で別に定める額
レ 北区 二万三千三百十円の範囲内で別に定める額
ソ 荒川区 一万二千六百三十円の範囲内で別に定める額
ツ 板橋区 一万二千百五十円の範囲内で別に定める額
ネ 足立区 一万七千百七十円の範囲内で別に定める額
ナ 葛飾区 一万四千七百三十円の範囲内で別に定める額
ラ 江戸川区 一万四千九百円の範囲内で別に定める額
二 横浜市  
イ 鶴見区 八千七百六十円の範囲内で別に定める額
ロ 神奈川区 一万八千二百五十円の範囲内で別に定める額
ハ 西区 四万九千四百二十円の範囲内で別に定める額
ニ 中区 一万九千八百六十円の範囲内で別に定める額
ホ 港南区 一万二千百五十円の範囲内で別に定める額
ヘ 港北区 一万六千五百四十円の範囲内で別に定める額
ト 戸塚区 七千二百九十円の範囲内で別に定める額
三 名古屋市  
イ 千種区 一万千八百三十円の範囲内で別に定める額
ロ 東区 二万四千九百九十円の範囲内で別に定める額
ハ 北区 二千六百二十円の範囲内で別に定める額
ニ 中村区 三万五千九百八十円の範囲内で別に定める額
ホ 中区 四万五千八百二十円の範囲内で別に定める額
ヘ 熱田区 四千九百二十円の範囲内で別に定める額
四 大阪市  
イ 北区 七万七千八百三十円の範囲内で別に定める額
ロ 都島区 一万四千三十円の範囲内で別に定める額
ハ 福島区 八千四百五十円の範囲内で別に定める額
ニ 此花区 三千八百七十円の範囲内で別に定める額
ホ 中央区 六万八千四百円の範囲内で別に定める額
ヘ 西区 三万四千四百五十円の範囲内で別に定める額
ト 港区 三千七百七十円の範囲内で別に定める額
チ 大正区 三千百六十円の範囲内で別に定める額
リ 天王寺区 一万九千九百六十円の範囲内で別に定める額
ヌ 浪速区 二万五百六十円の範囲内で別に定める額
ル 淀川区 一万八千百五十円の範囲内で別に定める額
ヲ 東成区 六千七十円の範囲内で別に定める額
ワ 生野区 三千五百三十円の範囲内で別に定める額
カ 城東区 三千八百円の範囲内で別に定める額
ヨ 阿倍野区 二万六千百八十円の範囲内で別に定める額
タ 西成区 四千七百十円の範囲内で別に定める額


要するに東京23区、横浜市、名古屋市、大阪市なのだが、賢明な諸氏ならおわかりの通り全てではない。
横浜市、名古屋はほんの一部だし大阪市は大正区、西淀川区、東淀川区、旭区、住吉区、東淀川区、鶴見区、住之江区、平野区がない。
全部ありそうな東京23区でさえ練馬区だけが対象外であり、郵政は練馬区をバカにしているのかと思ってしまう。
(つづく)


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