詩歌探究社 蓮 (SHIIKATANKYUSYA HASU)

詩歌探究社「蓮」は短歌を中心とした文学を探究してゆきます。

『わたしの日本語修行』 ドナルド・キーン 河路由佳

2020-02-15 09:13:53 | 千駄記


『わたしの日本語修行』ドナルド・キーン 河路由佳
(白水社・¥1.800・2020.2.24)

2014年に刊行された同書の新装版である。

2019/10/18に拝聴した河路由佳さんの講演
ドナルド・キーン氏追悼「ドナルド・キーンの日本語」(日比谷図書館)
を拝聴した記憶が甦る。
本書には私が感銘を受けたあの講演のすべてが網羅されている。

ドナルド・キーン氏については
2016年に書いた拙文「カナリヤはいま卒倒するか」で
その発言を取り上げたことがある。

人生を賭けて日本人と日本文学を研究し、東日本大震災後のわが国未曾有の危機に対し
共に立ち向かおうと日本国籍を取得したドナルド・キーンは次のように語っている。
  日本人は自分たちの特殊性を意識し過ぎている。他の国とは違う唯一の存在であるという意識が多くの日本人の間に潜んでいる。
私はこれを「国際協調の欠如」と聴き取ったが、今こそドナルド・キーンのこの言葉に耳を傾けたい。


私はドナルド・キーン氏の言葉ひとつひとつに重みを感じていた。
令和の時代の後見者としてもっともっとその言葉を聞きたいと思っていた。


本書案内の一部を紹介する。

アメリカ海軍日本語学校への入学が人生を変えた──日本文学の泰斗はいかに日本語を学び、
それを生涯の仕事とするに至ったのか。思い出の詰まった教科書を前に、自身の原点を語る。
(略)
インタビューの聞き手となるのは日本語教育を専門とする河路由佳氏。
貴重な資料や教え子たちの証言から、日本文学の泰斗の原点に迫る。