プルサーマル計画を憂慮する有志の会

愛媛県伊方発電所3号機におけるプルサーマル発電の問題を考える有志の会です。

コジェマ社のMOX燃料とその責務

2010年05月14日 | 日記
メロックス社(工場)を所有する核燃料会社コジェマ社のMOX燃料に関して、イギリスのBNFL社でのMOX燃料データ不正が露見した当時(2000年に)、フランスのコジェマ社でもドイツ向けMOX燃料の品質管理(検査)データに不正が発覚しています。

「ドイツの原子力企業で、ドイツの電力会社のために、仏核燃料会社コジェマとMOX燃料加工契約を結んでいるシーメンスは、コジェマ社製造のドイツの原発用MOX燃料の品質管理データのコンピューター入力漏れを起こしていたことを明らかにした。シーメンスの発表では、別のドイツの原発用に製造された英国核燃料会社BNFL社によるデータねつ造問題と同列に語られている。その原発は閉鎖され、MOX燃料は取り出されている。シーメンスは現在、全ての過去のMOX燃料の品質管理データをコジェマに要求している。」ということで、非常に厳しい対応(当然と言えば当然ですが)をシ-メンス社は取っています。

その「データ入力漏れ」とは、「シーメンスによれば、計測検査のための抜取数は、MOX燃料ペレット7000個中に100個となっていなければならないところ、ペレット60個分しかなかったという。『ソフトウエア』上の問題で、40個分のデータが入力されなかったという。」(以上グリーンピースジャパン、プレスリリースより)ことで、たったこれだけの不備で、とは言えないのが、広範囲の周辺住民や原発及び輸送等の労働者や、周辺各国の国民の健康や生命にさえ危険を及ぼす可能性がある、原発事業が負わなければならない責務だと思うのですが、それに対し原子力ビジネスに携わる企業が応えられていないと感じるのは私だけでしょうか。

*この時のシーメンスによるMOX燃料の品質管理データ要求に対して、コジェマ社はどのような対応を取ったのでしょうか?ご存知の方は、お知らせ頂けると有り難いです。
また、コジェマ社のメロックス工場で製造されるMOX燃料については、「ベルゴニュークリア社と兄弟会社のコジェマ社のメロックス工場では、1999年に製造したMOX燃料の20.5%を不合格品として廃棄しています。つまりコジェマ社が作るMOX燃料は5個のペレットの内1個は製造時に廃止されるほど品質に問題があります。」と、昨年関電が廃棄したメロックス社(コジェマ社メロックス工場)社製のMOX燃料が、当時から品質に問題を抱えていた、ということが分かります。

さらに、「コジェマ社のカダラッシュMOX燃料加工施設は地震の危険があるため、フランス政府によって認可が取り消され、今年7月をもって商業用MOX燃料の製造が中止されました。しかし、そのフランス政府の意向をコジェマ社は真っ向から無視するように、翌月の8月12日、米国との間で、米国のデューク原発で使用予定のMOX燃料をこの危険な施設で製造する契約を結びました。フランス政府の安全規制当局(DGSNR)の許可なしに進められたものです。そのMOX燃料は米国の核兵器解体から生じたプルトニウムを使ってMOX試験用に使う4体です。試験用だからとの理由で、再びMOX製造を強行しようとしているのです。」(以上2003年、「美浜のHP」より)ということです。

このように、当時の規制当局(DGSNR)どころかフランス政府の指導も無視するという、コジェマ社のコンプライアンスなき姿勢が如実に現れているように思いますし、データ漏れ、それは意図的であればデータ捏造と同等であり、その品質の低さからしても、そのメロックス社製のMOX燃料を装荷し、臨界運転を続けている伊方原発周辺の住民にとっては、決して心安く過ごせる事実ではないということです。(私の居住地は60キロほど離れていますが、事故となれば放射能の被害が当然予想されますので、恐怖はあります)

何度も繰り返しますが、「データの開示と公開」ということが、その品質、安全を証明するものとして極めて重要なキー・ファクターとなってくることは否めませんし、それに応える義務が責務が、同社にはあると思うのです。


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