プルサーマル計画を憂慮する有志の会

愛媛県伊方発電所3号機におけるプルサーマル発電の問題を考える有志の会です。

放射能「汚染状況重点調査地域」の指定

2011年12月20日 | 日記
 環境省は、福島第1原発事故による放射能汚染とその除染に関して、「原発から20キロ圏内の警戒区域や、線量が年間20mSvを超える計画的避難区域の11市町村を、国が直接除染する『除染特別地域』に指定」(以下、引用は『朝日新聞』)、また岩手、宮城、福島、茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉の102町村(新聞等でご確認下さい)を、「除染に直接関係する費用は原則、国が負担する」汚染状況重点調査地域に指定しました。指定の条件は、「(地表1メートルの)放射線量が毎時0.23μSv以上で事故による追加線量が年間1mSvを超える区域があること」です。

 正直、やっと除染に向けての第一歩がやっと出たというところですが、事故から9ヶ月も掛かったことは、非常に残念です。しかもこの「汚染状況重点調査地域」の指定には、各自治体の意向を聞いた上でのことだそうですが、観光への影響等、福島県の猪苗代町や、茨城県の大子町、埼玉県の秩父市など、指定を断った自治体もあるそうで、逆に風評被害を呼び、住民(は勿論、観光客)の不安を引き起こしかねない対応で、(多くの住民を、情報を隠蔽して被曝させた政府に求めるのは無理なことでしょうが、)本来なら国が毅然として指定し、モニタリングを行ない、その結果を踏まえた除染を即座に始めるべきものでした。

 またこの指定には、「広い範囲で放射線量が高くないと認められない」という(意味のない線引きの)条件を付けたため、所謂ホットスポットの除染は対象外となるなど、指定の条件そのものがおかしい点も見逃せません。さらに、除染から出る汚染土壌の仮置き場が決まっておらず、除染開始そのものが危ぶまれる状況は変わっていません。自治体も「一日も早く保管場所を確保してほしい」と要望しているそうですが、未だ国からの明確な回答は出ていません。国民の健康に関わる緊急かつ重大な課題の、早急な解決が求められています・・・

P.S. 昨夜の「TVタックル」で武田先生が、「100ベクレルでも10ベクレルでも、少しの汚染でもあっても実害」、「疑わしいものが全て補償すべき」だし、「全量検査はできる」んだと仰られていました。私自身も、風評被害という言葉の「風評」(胡散臭さ)を思いますが、1ベクレルでも実害なのです。東電の、引いては国の引き起こした事故の実害なのです。その責任を取り、また賠償を行うのは、当然過ぎることではないかと思うのですが・・・

P.S.2 また福島県の汚染米問題で、農家の方は既に春から汚染米が出ると言っていたそうです。実際に、「安全宣言」の後、米を検査に持ち込まれたのも農家の方ですし、やっぱり出たなという感じは多くの方が持たれた感想だと思います。政府の無策と無責任ぶりが覗われる対応ですが、全てのわたってこの調子です。都内の子どものおしっこからもセシウムが検出されたそうですが、検査をすればもっと出てくるでしょう。実態をまず把握しなければ、その対応策も決まりません。特に子供を守るには、被害が出る前に手を打つ、安全と安心の為に最善を尽くす、その為に細心の注意とイマジネーションを総動員すべきだと思うのですが・・・

P.S.3 東電は、福島第1原発の事故に関して、「運転開始から40年が経つ1号機の高経年化(老朽化)による耐震性の劣化は認められず、事故拡大に影響しなかったとする評価結果」を明らかにしたそうです。素人が言うのもなんですが、金属疲労や劣化のない代物がこの世界にあるのでしょうか?しかも放射線(電子)が直接当たっている原発の機器に関して、劣化がないとは考えられません。老朽化すれば、それだけ地震に対しても弱くなるのは理の当然です。

さらに、老朽化による耐震劣化も問題ですが、新品でも地震に対して原発(圧力容器や格納容器のみならず、配管や電気ケーブル等)は持つのかという疑問が付きまといます。(実際、柏崎・刈羽でしたか、新しい原発がギロチン破断しています)耐震性だけではありません。津波に対しても、本当に想定を超える津波に襲われれば、持つ原発は一つもない、というのが本当のところでしょう。武田先生曰く、「地震と津波が起こる場所で、原発が使える設計にはなっていない」のです。まさしく「原発爆弾」そのものです・・・

最新の画像もっと見る