プルサーマル計画を憂慮する有志の会

愛媛県伊方発電所3号機におけるプルサーマル発電の問題を考える有志の会です。

原発事故 未収束宣言

2011年12月17日 | 日記
 福島県の佐藤知事は、野田首相の原発事故収束宣言に対して、「事故は収束していない」(以下、引用は『朝日新聞』)とコメントしました。川内村の遠藤村長は、収束とは「燃料を取り出して廃炉にし、住民の帰還が終わったことを言う」のだと言っています。また避難住民の方々も、「事故が収束したと言えるのは、元の生活に戻った時だけ」、しかし「とても戻れる状況でない。首相の言葉でかえって突き放された感じです」、「声高に宣言されると、逆に空しく感じる」と苦悩に満ちた実情を述べられています。政府の収束宣言は、逆に避難住民の方々を苦しめているのです。

 では、原発は本当に収束しているのでしょうか?現在燃料は、「1号機は・・・8割、2、3号機は7割が格納容器に落ちた」と解析されています。その燃料の温度が何度なのか、どのような状態なのか、格納容器底部のコンクリートをどれだけ溶かしているのかも分かりません。今も燃料は崩壊熱を出し、水を分解して水素を出しています。水素爆発を防ぐ為、1~3号機への窒素の注入は続いています。今後も続きます。また、溶けた燃料は「これから何十年も冷やし続ける必要が」あり、現在の仮設の設備では、到底持つものではありません。

 大気中への1~3号機の放射性物質の放出量は、合計で毎時約6千ベクレルだそうです。未だに崩壊熱を出し、蒸気を発生させ、放射性物質が気化しているのです。毎時6千ベクレルが少ない量だとは到底思えません。今最も緊急で危険なのが、地下から海への放射能汚染水の漏出です。現在、「1~4号機の原子炉建屋やタービン建屋には、高濃度の放射能汚染水が約7万6千トン溜まって」おり、またタンクに溜め続けてきた汚染水も約10万トンとなっています。毎日行なっている注水と地下水の流入によって、今後も汚染水は増え続けます。そしてその汚染水が海へと漏れ続けているのです。その抜本的な対策が未だ行なわれていないのです。

 だからこそ東電は、汚染水を海に投棄したがっているのです。しかし、(実際に東電はしてしまいましたが)そのような違法行為が許される道理がありません。海側の遮水壁の計画がありますが、これだけで上手くいくとは思えません。地下水の流入を止める手立ても検討はしているそうですが、東電が本気でやろうとしているようには感じません。「タンクを永遠に作り続けることはできない」などと、松本何某がのたまわっていましたが、やはり、海に投棄したいのです。

廣瀬さんも汚染水の漏出を警告されていますし、小出先生も建屋地下に遮水壁を造るよう指摘されています。まさに汚染水駄々漏れの原発に「オムツ」を穿かせなければいけないのです。ただし、これは想像を絶する困難さがあるように思います。故に、(今後何十年も)注水を続ける限り、事故の収束はない、というのが、辛くても哀しくても受け入れなければならない現実のようです・・・

P.S. ウクライナでは、食器にも子どもの玩具にも、バーベキューの炭や建築資材にも放射線の規制値があるそうです。まさに身の回りにある全ての物が放射能汚染されているのです。しかもそれは、セシウムだけではありません。パラジウムもトリウムもストロンチウムもあります。特に「ストロンチウムは、体内に取り込むと骨に沈着する。危険が非常に高いため、ウクライナの規制値は厳しくされて」おり、「肉はセシウム137の場合1キロ200ベクレルだが、ストロンチウム90は20ベクレル、ジャガイモはセシウム137の60ベクレルんび対して20ベクレルと低い」そうですが、日本にはこのような細かい放射能規制の分類も、厳しい規制値も、またストロンチウムには暫定値すらないのです。かのバンダジェフスキー氏は警告します。「今後、放射能が土壌に浸透して野菜が吸収しやすくなる。内部被曝の心配はこれからです」と・・・

市民原子力委員会 提言24

「政府は、ストロンチウムのウクライナ並みの厳しい基準値を設け、計測が困難で時間が掛かる(ベータ線を出す)ストロンチウムの機器開発に(減税等の)支援をし、また早急に計測できる体制を(ウクライナからの機器の導入等で)整えること」

「また食器や玩具、建築資材など、生活環境に存在するあやゆる物の放射能規制値を設定し、国民の安全を守ること」

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