プルサーマル計画を憂慮する有志の会

愛媛県伊方発電所3号機におけるプルサーマル発電の問題を考える有志の会です。

枯葉剤が残したもの

2011年01月31日 | 日記
 昨夜、NHKの「枯葉剤の傷跡をみつめて」という番組を観ました。枯葉剤という猛毒(ダイオキシン)が引き起こした影響の大きさを、ほんの僅かでも知ることができました。(以下内容の要約です)

 ベトナム戦争時、枯葉剤(エージェント・オレンジ)の危険性を米軍の兵士も知らされていませんでした。帰還後、多くの兵士が癌や糖尿病を発症しましたが、その子供にも様々な奇形や先天障害が生じました。

 番組の中でベトナムへの旅を行なったヘザーさんも、父親がベトナムに従軍し、枯葉剤を浴びました。その影響で、生まれたヘザーさんは片足がなく手が奇形となりました。彼女は差別され、虐められ、孤立して戦って生きてきました。米国では、枯葉剤の被害者を支援する公的団体がないといいます。彼女自身も、枯葉剤被害者として認定されることなく、また病院から、被害の枯葉剤との関連を否定されてきもしました。

彼女にとって、「ベトナム戦争は終わっていない」、未だその「傷がうずいている」のです。そして、国民の大半がベトナム戦争をよく知らない世代となったベトナムには、さらに多くの重度の障害をもった第2世代の子供たちがいます。全身の皮膚が爛(ただ)れた姉妹に対してフェザーさんは、「貴方たちに責任はない」、これは「不公平なこと」だと語り掛けます。私には、彼らのはにかんだ笑顔が痛々しく、心臓が締め付けられるようでした。

枯葉剤に含まれる有害なTCDDはダイオキシンで、ベトナムにおける枯葉剤によるダイオキシン汚染は史上最大規模のもので、ベトナム全土で400万人の人々が浴びたそうです。癌や糖尿病、甲状腺ホルモン異常、神経疾患や皮膚病、さらに流産や奇形などの疾患が発症し、またこの汚染は、数十年、数百年と長期にわたる影響を与え続けるのです。

 枯葉剤と先天性異常の関連に早くから気付いて治療に当たってきた「ツーズー病院」では、育てられない多種の重度障害を持って生まれた子供たちを預かって治療していますが、死に至る赤ちゃんの多くが中絶させざる得ない現実があるようです。様々な奇形をもち、生まれることを拒まれた胎児の標本のビンを見た時には、衝撃で思わずオームを連呼していました。(正直、恐かったのです)

 ただ、頭が二つある奇形のズエン君に対して(申し訳ないのですが、彼は目もなく、正直言って直視しずらい容貌なのです)お母さんが、息子を「天が与えたもの」、「他の同じ子供として育てていく」といって、愛情を持って世話している様子を見た途端、不覚にも涙が零れました。お父さんは、「障害はあっても、生きようとする力がある」といって子供への思いを表現されました。そして二人のお姉さんである少女たちが、ズエン君を明るく可愛がる姿に、深く心が強く揺さぶられ、涙が溢れて止まりませんでした・・・(書き切れませんでしたので、後日続きを投稿させて頂きます)