プルサーマル計画を憂慮する有志の会

愛媛県伊方発電所3号機におけるプルサーマル発電の問題を考える有志の会です。

田辺三菱製薬 新薬試験せずに出荷

2011年01月26日 | 日記
 1月26日付『朝日新聞』によると、「田辺三菱製薬の子会社が品質試験をしていない医療機関向けの注射薬を出荷していた」、「2007年~10年3月の約3年間に試験担当社員が一部の試験を行なわず、出荷の基準に合格していたように虚偽の試験結果を記録した行為があった」とのこと、「田辺三菱と別の子会社(「バイファ」)は昨年4月、薬の承認申請で試験データを改竄したなどとして業停止処分を受けて」います。

「問題となった子会社は田辺三菱製薬工場」、「同社の足利工場が製造している・・・リプル注、パルクス注、リメタゾン静注、パズクロス点滴静注液の4製品で不適切試験の疑いがもたれ」、「田辺三菱と同工場は・・・社内調査を実施」、「『本人もやったと言っているし、記録でも裏付けられた』として『試験は行なわれていた』と結論付け」ていましたが、弁護士らによる社外チームの調査で不正が発覚したものです。(*「リプル、パルクスは閉塞性動脈硬化症などの手術や治療に使われる代表的な薬」だそうです)

 田辺三菱は、「隠蔽する趣旨はなかった」としていますが、データ改竄、不正試験と続く一連の流れの中では、どう転んでも「隠蔽」しようとしたとしか妄想できません。昨日の近藤氏も、抗癌剤新薬の開発(治験)過程でも、データのトリック(改竄)があるとその著書で書かれていましたが、これは単に1社員、1工場の問題ではなく、会社全体、さらには製薬企業全体の風土(「利」のシステム)となっているように思います。

 ちなみに薬の品質試験とは、薬の安全性を確保するため、製薬会社が出荷前に品質を最終チェックする」もので、「申告した品質試験を行なう前提で、国から薬の製造販売の承認を受けている」とのことですから、非常に重要な欠くべからざる「試験」なのですが、担当社員は「手間がかかる」とのことで、どうも面倒くさかったようです・・・。しかもそれをチェックする体制もないというか、「ばれたらまずい」、「告発とかしないように」といった社員の言葉にも顕われているように、とにかく「隠蔽」しようとする、「利」を最優先するシステムは、暗黙の了解で出来上がっていたようです。さすが「利」のシステムでも、最先端を走るだけの企業であり、製薬業界の代表的な会社だけはあります・・・

「田辺三菱は薬害C型肝炎訴訟が続き08年に和解が成立した」ところなのですが、チマチマ試験などしてたら、手間隙だけ掛かって儲けが減ると信じているのでしょう。(まあ実際、コストアップになりますし、他社が同様の薬剤を製造すれば利は大きく減じますが)結局彼等に、それまでも、また今後も、人命や人の健康に直接携わる営みによって「利(益)」を得ているという「自覚」を求めることは、哀しいかな無理な相談のようです・・・(私も哀しいかな、この世界の「利」のシステムの上で、その恩恵を受けて生きていると言う意味では、「同じ穴の狢」ではありますが・・・)

P.S. 田辺の前身の一つが「みどり十字」であるのはご存知かと思います。薬害エイズを起こし、まさに「利(益)」に忠実に、エイズ・ウイルスに感染した非加熱製剤を在庫が尽きるまで売り続けたトップセールス企業でした。その「みどり十字」を吸収したのが田辺製薬ですから、今なおエイズ・ウイルスならぬ「癌細胞」は生きていて、増殖しているというわけです・・・(まあ、どちらが宿主で、どちらが癌なのか、どちらも癌細胞なのかも分かりませんが・・・)

P.S.2 「厚生労働省は、薬事法違反にあたるかどうか判断」するとのことですが、判断などせずとも、文字通り読めば「違反」でしょうし、「隠蔽」なのでしょうが、そこは接待も受け、退職後は天下らないといけませんから、軽く「不注意」を窘(たしな)めるぐらいのところでしょうか・・・