一人っ子終了～

くうの一人っ子生活は短かった。。

今日、ゆうまま家に新しい家族がやってきた。




あたし、「みう」
新しいおかあさんの会社の裏で生まれたの。

生んでくれたお母さんの名前は「みけ」っていうの。
おかあさんの会社に「ちびた」おじちゃん、「なお」おじちゃんが
いるんだよ。
この間まで、お母さんお父さんおじちゃんやおばあちゃんと
お外で自由に暮らしてたの。怖いこともいっぱいあったけどね。
お父さんは昔は「飼い猫」だったんだって。
お引越しで飼い主さんがいなくなって、いっぱい「くろう」
したんだって。時々、血だらけになっちゃったって。
「ルース」おじちゃんが「男の子」だったときは
お父さんとよく「けっとう」したそうよ。
「男の子」でなくなった「ルース」おじちゃんは皆のやさしい
おじさんになってくれたわ。
おかあさんの会社の裏はあたしの家族がいっぱいいるの。
でも、先週、みぃ～んな「しゅじゅつ」を受けたの。
お父さんもお母さんもみぃ～んな。
あたしもおなかをちくちくって縫われたわ。
これでもう、あたしの家族は増えなくなったんだって。
淋しいなって思うけど、それはみぃ～んなにとって「よいこと」
なんだって。そうなのかな。
これからお父さんもお母さんもゆったりとした猫生がおくれるんだって。

で、あたしはね。
そのお父さんにそっくりなのでジュニアって呼ばれてたの。
あたしが生まれたのが５月か６月ごろ。
それが「えん」なんだって。
おかあさんが病院から帰ってきたあたしに
「じゃあ、みう。お家に帰ろうか」っていうの。
がたんごとんってうるさいものに乗って（怖かったよ）
ここに着いたのね。
「みう」？何よ、その名前。
「う」繋がりで、ひらがな二つの名前なんだって。
まだ会ったことないお姉ちゃんがつけてくれたんだって。
ふぅ～ん。

それよりなにより、ちょっと聞いてね。
ここには、けだものがいるのよ。
怖いったらめちゃめちゃ怖いわよ。
お玄関に入ったらいきなり「わん、わん」よ。
あたしの入ってるかばんを覗こうとしたから「ふーっ」「しゃー」
って言ってやったら、そのけだもの、お水の入ったおちゃわんに
足をつっこんで、たじたじしてるの。おかしいわ。
あたし、いきなり勝っちゃったわ。

お部屋に入ってしばらくすると
顔のおっきな人間がきたのよ。もう、びっくり。
「しゃー」って言ったら、出ていっちゃった。
また、あたしの勝ちよ。

今日はいっぱい疲れたから、もうねんねするわね。
時々、ドアの向こうからけだものの「くん、くん」
気配がするから、あたし、どきどきよ。
絶対に、入ってこないでね。
おかあさんはあのけだもののこと、「おにいちゃん」って言うの。
そわそわしてほんとに落ち着きがないのよ。
「おにいちゃん」なら、もっと落ち着いててほしいわね。