12時間の家出

ぱるるが家出した。


月曜日にお正月休みが明けたお医者に
ばあちゃんがぱるるを連れて行ってくれた。
水曜日に避妊手術の予約を入れてきてくれた。

そんな会話を聞いていたのかどうかわかんないけど。

今朝、ばあちゃんがゴミ出しのために勝手口を開けたとき
ぱるるが勢いよく飛び出したそうな。
そのまま、何処かへ行ってしまったそうな。。

あわてたばあちゃんが職場に電話してくれたけど
とてもすぐに帰れる状態じゃなかった。
戻ってくることを祈りながら一日過ごした。

みうさんが飛び出しても
この辺のことを知らないので怖くなってすぐに帰ってくる。
でも、ぱるるは2ヶ月前まで外にいた野良猫。
おまけに発情している。。
それでもメスってテリトリーが狭いから遠くには行かないだろうなって
思ってた。
お腹が空いたら帰ってくるだろうなとも。

ご飯の時間にも帰ってこなかった。
外は真っ暗。家出して10時間以上経ってる。
仕事から戻った私は、懐中電灯片手に怪しいおばさんとなって
「ぱるる～るるるる～」（キタキツネじゃない）
みいとも鳴かない。
パパもばあちゃんも探すけど姿が見えない。
今日はもうだめかな。明日の朝は戻ってくるかな。

兄弟猫のちるるは日中もずっとお庭にいたそう。
ちるる～ぱるるを探してよ。

Apimamaにもきいちゃんにも呼びかけてもらう。
「ぱるる～帰って来い～」


あきらめきれずにもう一度、探そうと外に出たら。
ちるるが二匹。
ん？ぱるるだぁ～

帰ってきたんだね。お利口だ。

でも、それからが長かった。
いきなり野良に戻ったぱるる。
私を見ても低く「ぐるる～」って唸ってる。
どうした、ぱるる。わたしだってばあ～

えさを撒いたり呼びかけたり。
うるさい犬達を2階に閉じ込めて。
玄関を開け放つ。みうさんも部屋に閉じ込めておかなきゃ。

玄関の奥にご飯を置く。
ああ、入ってきた。ん？あんたはちるるじゃん。
お家に入りたいの？「うぎゃ～シャ～がるる～」「すぱん！」
そ・そう。。ね。入りたくないのね。。

ねえ、ぱるるぅ～。戻っておいで。お家に入ろう。
母さんはもうとても寒いよ。

どんなに説得しても唸ったばかりで近寄ってこない。

ほら～ご飯だよ～
とか、1時間以上怪しいおばさんは暗いところにいる猫に話しかける。
あぁ。おととしもトムが家出したとき、こんな風に
真っ暗な駐車場で猫に語りかけてたなぁ。と思い出した。

ご飯のお茶碗を差し出して
「ほら、ご飯だよ。食べようよ」
みうさんの部屋からぱるるを呼ぶ声が聞こえる。

いきなりぱるるの表情が変わった。

「あっ」っていうぱるるの声が聞こえたようなくらいに。

気が付いたみたい。ここが、お家だったんだ。
それからは一目散にお家の中に入っていった。
そして、2階に上がった。
みうさんと半日振りの再会。
さっきまであんなに唸ったたのに、いつものぱるるに戻ってた。
みうさんがぱるるの全身を確かめるように舐める。

12時間の家出。
よかったよ。帰ってきてくれて。
あぴまま。きいちゃんありがとう。

手術前の絶食が10時から。ぎりぎりセーフ。
いつもより少な目のご飯を上げることが出来た。

明日は手術。
帰ってくるのはあさっての朝。

ともかく、よかった。
あとは手術が無事に済みますようにと祈るだけ。