ゆうちゃんの独り言

モーツァルトが大好きで毎日欠かさず聴いています。人生の生き方は仏教で毎日般若心経を唱え、時間を見つけて寺巡です。 合掌

■ 第1628回NHK交響楽団定期演奏会を聴いて(Aプロ初日)♪♪

2008-10-18 15:21:36 | Weblog
 先日、10月の定期公演を聴いてきました。指揮はアンドリュー・リットンで演奏された
曲目は、 ベートーヴェン/序曲「レオノーレ」第3番作品72b、シューマン/ピアノ協
奏曲イ短調作品54、チャイコフスキー/交響曲第2番ハ短調作品17「小ロシア」でした。
また、シューマンのピアノ協奏曲を弾いたのがイモジェン・クーパーです。

 プログラムには指揮者のアンドリュー・リットンとピアニストのイモジェン・クーパーは
ともに、以前にN響と競演したことがあるとのことでしたが、私は全く覚えていません。覚
えていないということは、その演奏会を聴かなかったか、あるいは内容が良くなかったから
印象に残っていないのどちらかであると思います。

 結論からいうと今回の演奏会は、3曲ともに満足したものでした。ここ数年のN響の定期
演奏会で演奏された全ての曲に関して満足したことはなかったので、本当に久しぶりの良い
演奏会になりました。

 指揮者のアンドリュー・リットンから流れ出てくる音は、一言でバランスが非常に良いこ
とが最大の特徴だと思います。どの楽器も全体の音楽作品の中で確実にその役目を果たして
いることが感じられるものでした。いままで同じ曲をいろいろな指揮者やオーケストラで聴
きましたが、なかなかここまで全体がまとまった演奏はありませんでした。

 ベートーヴェンの序曲「レオノーレ」第3番などは、CDのなかでおまけのトラックに入
っているような曲で、自分では過去にわざわざこの曲を聴きたいがためにCDをかけること
はありませんでしたので、今回も少しばかり抵抗感があったのですが、聴き始めから感じた
のは、今までの曲の演奏と異なることでした。曲の楽想は、他のベートーヴェンの曲に比較
すると少しレベルが低い感じがしますが、それが立派な曲として聴こえてしまうところに驚
きを感じました。

 2曲目のシューマンのピアノ協奏曲ですが、ピアニストのイモジェン・クーパーの演奏の
素晴らしさを感じました。折り目正しい清楚な音色ですが、ただ弾くだけのものではなく心
の奥にある暖かくまた優しさのある情を感じるような演奏でした。

 シューマン独特のピアノの音色が十分に発揮された名演奏だと思いました。個人的には今
回の演奏会の様子が放送されたならば確実に録画しようと思ったほどの内容でした。

 最後のチャイコフスキー交響曲第2番ハ短調作品17「小ロシア」ですが、個人的にあま
り好きではない作曲家の曲なので、適当に聴こうと決めていましたが、これがまたアンドリ
ュー・リットンの魔術というのか、演奏の上手さに聴き手が参ってしまうほど、曲の中へど
んどんと引き込む力を発揮していました。あとで指揮者の解説を読んだところチャイコフス
キーの作品を得意としていると書かれていたので、素直に納得した次第です。

 このような内容の演奏会が毎回続くのであれば楽しいのですが、最近は期待外れの演奏会
が意外と多いのがN響の定期公演だと思います。今回は、個人的に本当に満足した演奏会で
した。

 指揮者のアンドリュー・リットンは今後注目されるマエストロになるような予感がしまし
た。ウォッチングを要する指揮者の一人だと思います。


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