ゆうちゃんの独り言

モーツァルトが大好きで毎日欠かさず聴いています。人生の生き方は仏教で毎日般若心経を唱え、時間を見つけて寺巡です。 合掌

■ 尊敬する恩師の死と秩父34所観音霊場巡り!!

2010-04-29 21:21:06 | Weblog


 先日、私の尊敬する恩師が94歳で亡くなりました。4月だというのに冷たい雨が降る中、
通夜に参列し先生を偲びました。先生との出会いは、学生の時に電気磁気学を受講した際の
教授であり、さらに電波工学研究室のゼミで電波工学を学んだ際の担当教授であったことで
す。

 外見からは非常に優しい印象を受けますが、授業やゼミの時は非常に厳しい先生でした。
先生がもっとも嫌いであったことは、一生懸命に取り組まず手を抜くような行為であり、こ
のようなことをした学生に対しては、激怒されたことを今でも思い出します。

 ただし、真面目で一生懸命に前向きに取り組む学生に対しては、出来が悪くても褒めてく
れる先生でした。何を隠そうこの私は、成績は悪かったのですが、電波が好きで真面目にそ
して前向きに取り組んでいたので、先生からは可愛がられた学生であったと思っています。

 人間って不思議なもので、他人から可愛がってもらえている事を実感できると、何事でも
一生懸命に取り組むものです。褒めたり優しくしたりすることの重要性をこの先生から学び
ました。

 先生はお酒が弱いにも関わらず、ゼミで飲み会を設定すると必ず出席しさらに多大な寄付
までいただくなど、幹事としてとても助かった思い出があります。学部を卒業し就職するか
大学院へ行くか悩んだ時に、先生に相談したところ大学院で勉強するのであれば学内推薦を
してあげると言われ喜んだことが、昨日のように思い出されます。

 結局は大学院へ行かず就職したのですが、就職の時も学校推薦で内定した会社を最終的に
断り、先生が大学に来る前に居た会社に入社しました。当時世の中では、会社が指定する大
学の学生が優先的に入社出来る指定校制度がありました。

 一流の大学を出たものは苦労をせずに一流の企業に入社できるシステムが公に存在してい
ました。どんなに優秀でやる気がある者でも、この指定校になっていない大学の学生は一般
公募の枠が設定されていればそれを受けるしか入社する手段はないのです。

 2流の私立大学にいた私は、この指定校制には泣かされましたが、当時はそのような制度
が当たり前で、誰も疑問に思いませんでした。

 先生の出身会社を一般公募枠で受験し、1次試験をパスし2次試験に進む際に人物推薦書
の提出が必要となりましたが、既に学校推薦で内定が決まっていた会社があったので、学校
から新たな人物推薦書をもらう事が出来ない状況でした。

 困った挙句の果てに先生に頼みに行きましたが、当時先生は就職担当でしたので学校推薦
で入った会社を断ることはルール違反になるので駄目だろうと思っていました。しかし先生
は暫く考えた後に、先生個人による非公式な人物推薦書を書いて渡してくれました。

 この先生の非公式な人物推薦書を携えて2次試験に臨みましたが、面接官の中に先生を知
っている方が多くいた関係で何の問題もなくスムースに終わりました。そして、この会社か
ら内定通知をもらった際に、先生に報告に行った時は満面の笑みで非常に喜んでくれました。

 今の会社で採用の仕事にも携わっていますが、学校には拘らず人物本位で採用し少しでも
公平性を保つようにしています。このような考えの背景には、自分が経験した指定校制に対
する疑問があったのは事実です。多くのチャンスを与えることが今後とも企業としての責務
だと思っています。

 社会人になった後に先生にお世話になったのは、結婚する際に仲人をお願いしたことです。
当時の結婚は、仲人を立てて執り行うのが通例でした。会社の上司にお願いすると後々まで
いろいろな関係で大変になりそうだったので、迷わず恩師にお願いした次第です。先生の家
へ愚妻とともに仲人のお願いに訪問した際には、いつものようににこにこしながら一つ返事
で受けていただいた日の事を思い出します。

 その後は、数年に一度開催されるOB会でお会いしたり、最近では年賀状を通じての挨拶
だけになってしまいました。年賀状にはいつも先生のコメントが几帳面な細かい文字で書か
れているのを読むのが楽しみでしたが、これからは先生のコメントはありません。少し寂し
い気持ちです。

 先週の日曜日に、秩父34所観音霊場巡りを終えました。最後の34番札所でこれまでの
先生への感謝の気持ちを持ちながら、今後は自分が先生から学んだ大切なものを後輩に教え
なければならないと新たな決意でこれから取り組んで行くことを誓うとともに、先生のご冥
福を祈りました。

 今こうして自分があるのは、先生のお陰だと思っています。先生と出会う事が無ければ、
今の自分の人生はあり得ないと思っています。先生本当にありがとうございました。合掌


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