ゆうちゃんの独り言

モーツァルトが大好きで毎日欠かさず聴いています。人生の生き方は仏教で毎日般若心経を唱え、時間を見つけて寺巡です。 合掌

■ 第1658回NHK交響楽団定期演奏会を聴いて(Aプロ初日)♪♪

2009-11-15 01:55:06 | Weblog
 
 オバマ大統領がサントリーホールでアジア政策演説を行った日の夕方、渋谷のNHKホー
ルへN響の定期演奏会を聴きに出かけました。いつも原宿の駅で降りてNHKホールへ歩い
て行きますが、今日はほとんどの人が代々木体育館とさらに体育館横に仮設置された臨時の
イベントの方へ人の流れが延々と続いていました。

 さて、本日の演奏曲目は、前半がウェーバー:歌劇「オベロン」序曲、シューベルト:交
響曲第7番ロ短調D.759「未完成」、後半がブラームス:交響曲第1番ハ短調作品68
でした。指揮者は2年振りにN響に登場するネルロ・サンティでした。

 演奏の内容ですが、ウェーバー:歌劇「オベロン」序曲は、初めて聴く曲でしたが聴いて
全体的に柔らかくかつ暖かみを感じる曲想で好感を持ちました。特にホルンの旋律と弦楽器
との調和は最高でした。今日は、特にホルンが最高で、音色はベルリン・フィル並みの音色
でした。

 2曲目はシューベルトの交響曲第7番ロ短調「未完成」ですが、本当に久しぶりに聴きま
した。聴きながら初めてクラシックを聴きだした頃の思い出が広がり、青春時代の自分の姿
が浮かび上がるとともに、懐かしさとその頃の幼い自分に対する恥ずかしさが入り混じった
複雑な思いが蘇りました。

 後半のブラームス:交響曲第1番ですが、第2楽章の演奏で違和感を感じました。弦楽器
が奏でる旋律の中に、遠くからまずオーボエが入ってくる場面がありますが、そのオーボエ
が強弱とテンポの面であまりにも単調であり過ぎたので、流れがそこで止まってしまった感
じを受けたのです。

 シューベルトの時のオーボエは良かったのでとても残念でした。個人的には、ブラームス
はセカンドを吹いていた池田昭子に代わって欲しいと思いました。また、オーボエに続いて
クラリネットが入って来ますが、クラリネットの演奏内容は強弱とテンポ面が絶妙で、しか
も感情がしっかりと入っており、非常に充実したものでした。

 全体を通しての感想ですが、ブラームスの特徴である重厚でドイツ的な響きがなく、どち
らかというと明るいイタリア風のブラームスに感じられました。ブラームスで欲しいのは日
本文化で言うところの侘びとさびを出すことに尽きると思っています。

 さらに最終楽章では、もっと緊張感を増すような弦楽器の弾き方が欲しと思いました。ど
のパートも技術レベルは高いのですが、全体的なバランス調整の面で、もう少しサンティに
よる配慮があれば、今回の演奏は名演奏になったと思いました。その意味からも、非常に残
念でした。ただし、ホルン、ファゴット、クラリネット、オーボエ等内容は非常に良かった
と思います。

 今回のN響は全体を通じて、普段のN響と異なった感覚が漂っていました。その原因とし
て2つ考えられます。一つは金管楽器のメンバーがいつもと異なり、全体に若かったからか
も知れません。その影響かどうか知れませんが木管楽器もそれに同調し管楽器全体の響きが
輝いていました。

 二つ目は、指揮者のネルロ・サンティが、全体的に円熟みを前面に出した演奏スタイルを
とっていたように思われます。今回のサンティですが、どの曲を終えた後も、満足している
現われなのかそれとも逆の思いなのか分かりませんが、にこにことしていたのが気になりま
した。

 先月のアンドレ・プレビンと同様に、ネルロ・サンティにも言えますが、高齢であるので
健康面でとても心配しています。健康に配意し、次回も今日と同じような内容の演奏を期待
したいと思います。

 次回の12月定期演奏会は、指揮がデュトワであるので、今日と同じ管楽器のメンバーで
あれば名演奏が聴ける予感がするのですが、如何なものでしょうか・・・・・


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