ゆうちゃんの独り言

モーツァルトが大好きで毎日欠かさず聴いています。人生の生き方は仏教で毎日般若心経を唱え、時間を見つけて寺巡です。 合掌

■ 第1730回NHK交響楽団定期演奏会を聴いて♪♪

2012-06-10 11:09:00 | Weblog

 6月9日(土)の夕方、第1730回NHK交響楽団定期演奏会を聴きにNHKホール
に出かけました。今回は、ウラディーミル・アシュケナージの指揮によるリムスキー・コ
ルサコフ:組曲「サルタン皇帝の物語」作品57、グリエール:ホルン協奏曲変ロ長調作
品91、チャイコフスキー:交響曲第4番ヘ短調作品36でした。

 個人的には、アシュケナージの指揮によるN響の演奏はいつも不満を持ちながらNHK
ホールを後にしたことが多くありました。従っていつも思うことは、アシュケナージは指
揮者でなくピアニストとして音楽を極めるべきであると思っていました。

 今回も、不満が残る演奏になるだろうと思ってHNKホールに行きましたが、なんと今
回は、今までと異なり最高の演奏を聴かせてくれました。何がきっかけでこんなに変わっ
たのか不思議でなりません。

 1曲目のリムスキー・コルサコフ:組曲「サルタン皇帝の物語」ですが、とてもかわい
らしい楽想で、初めて聴く曲でありましたが以前から知っていたような不思議な感覚を覚
えました。

 2曲目はグリエール:ホルン協奏曲変ロ長調作品91で、ホルン独奏は世界最高のホル
ン奏者であるラデク・バボラークでした。バボラークの演奏ですが、演奏が難しいとされ
るホルンをいとも簡単に演奏し、音の強弱や高低さらにテンポを自由に操り、素晴らしい
音楽を聴かせてくれました。バボラークが奏でるホルンの音色は、この上なく耳に心地よ
く響き、ホルンであるのに弦楽器の音のように聴こえた瞬間もありました。

 また作曲家であるレインゴット・グリエールですが、1875年に父親はドイツ人の楽
器職人で、母親はピアノをよくしたポーランド人の間にキエフで生まれました。スクリャ
ービンやラフマニノフと同世代であり、1938年から1948年まで、ソ連作曲家同盟
組織委員会の議長をつとめ、ソヴィエト音楽史において最も体制に寄与した作曲家の一人
と言えるようです。個人的には、今回の演奏を聴くまで全く知らなかった作曲家でした。

 今回のホルン協奏曲はとても美しい曲であるとともに、ホルンの魅力を余すところなく
表現した素晴らしい曲だと思いました。3楽章構成で25分程度の曲でしたが、久しぶり
に感動した曲でした。また、初めて聴いた曲にも係らず心の中に浸み込んでくる不思議な
曲でした。楽想全体が牧歌的でかつ民謡風の流れであることから、聴きやすかったのかも
知れません。

 ホルン協奏曲の演奏が終わった時には、NHKホール中が拍手とブラボーの声援で熱狂
的な状況になりました。個人的にも今回の演奏会は歴史的な名演奏ではないかと思いまし
た。後日のTV放映の際には、必ず録画したいと思います。鳴り止まぬ拍手にバボラーク
はバルボトゥ作曲「独奏ホルンのための5つの詩的な小品」から第5曲を演奏しました。
小品でしたが、聴きごたえのある内容の作品でした。

 3曲目のチャイコフスキー:交響曲第4番ヘ短調作品36ですが、今回の演奏会の中で
はN響が久しぶりに良い演奏を行ったにも係らず、曲の流れがあたかもジグソーパズルの
絵の中で、いつも2ないし3枚のピースが欠けているような状況になっていました。簡単
に言えば全体のバランスがもう少し良いと、素晴らしい演奏になったと思います。

 しかし、今回の演奏会でアシュケナージの指揮とN響のヴァイオリンの演奏が特段良く
なった印象を受けました。今後もこのような傾向が続くことを期待しています。


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