ゆうちゃんの独り言

モーツァルトが大好きで毎日欠かさず聴いています。人生の生き方は仏教で毎日般若心経を唱え、時間を見つけて寺巡です。 合掌

■ ハンス・シュミット・イッセルシュテットのCDを聴いて♪♪

2011-01-29 17:16:30 | Weblog

 ハンス・シュミット・イッセルシュテットは学生のころにその演奏の素晴らしさを体験し、さらに好きになった指揮者です。1900年5月5日にベルリンに生まれ、1973年5月に亡くなった生粋のドイツ人です。気取るところがなく、実直かつ素朴で着実に音楽を作り上げる地味な感じを受ける指揮者だと思っています。  

 なぜ今回、このイッセルシュテットの話をするのかというと、先日5年振りで目的もなく渋谷のタワーレコードへ出かけCDを見ていました。そんな中でハンス・シュミット・イッセルシュテットが指揮したドヴォルザークの弦楽セレナードホ長調と管楽セレナードニ短調のCDを見つけ購入したからです。

 このCDは既に廃盤となっていた演奏をタワーレコードがグラモフォンと提携し、オリジナルCDとして発売したものです。値段も1000円程度で手ごろであり、演奏内容は当時のイッセルシュテットを思い起こすようなきめ細かく充実した内容であり購入して大満足です。モーツァルトは当然ですが、ドヴォルザークも良いなぁと思う内容の演奏でした。

 さて、ハンス・シュミット・イッセルシュテットですが、学生のころに発売されたウィーンフィルハーモニーとのベートーヴェン交響曲全集が出会いのきっかけです。当時は第5番と第8番の演奏が質の高い演奏ということで話題になっていました。今聴いても誇張のない素直な演奏で、名演奏の中に入るレベルだと思います。

 イッセルシュテットの演奏を生で聴いたのは、1970年のベートーヴェン生誕200年の際に再度来日し、読売日本交響楽団を客演した際にチケットを購入した時でした。時は、1970年12月16日に日本武道館で開催された演奏会で、演奏曲目はベートーヴェンの交響曲第9番であり、この時初めて生演奏で聴きました。

 演奏が始まってからは感激の連続で、自分でもなぜそうなるのか分からず、第3楽章や第4楽章では鳥肌が立ち、そして何故か涙が自然と出てしまうという経験をしました。今でもあの感激を鮮明に覚えています。

 今思うと何故日本武道館でクラシックのコンサートが行われたのか不思議です。音響環境の悪い中でよくやったと思います。確かにまだ都内には良いホールは少なかった時代でした。このような中でも大感激したのですから、現在のような音響の良いホールで演奏したらどのように聴こえ、どのように感動したのか想いはただただ大きくなるばかりです。

 イッセルシュテットは、モーツァルトを愛しそしてブラームスに拘ったとされています。この点は凡夫と同じ視点なのでイッセルシュテットの音楽を聴くと感動の波長が一致するのかも知れません。

 久しぶりに昔のCDに出会い、そしてハンス・シュミット・イッセルシュテットを懐かしく思い出しながら、音楽の内容と指揮者の人間性に関して再度考えさせられるものがありました。暫くは、ハンス・シュミット・イッセルシュテットが指揮した音楽を聴いて過ごそうと思った次第です。 合掌