円独歩高:金融危機で止まらず 介入難しく有効打なし
米欧の金融危機の深刻化により、外国為替市場で円が主要通貨に対して急騰する
「円独歩高」が止まらない。24日のロンドン市場で円相場は一時、1ドル=90
円台と約13年2カ月ぶり、ユーロに対しても一時、1ユーロ=113円台の円高
水準を記録し、株安を一層、推し進めかねない勢いだ。超円高は85年と95年と
過去2回起き、輸出に頼る日本経済を翻弄(ほんろう)した。今回は、金融当局の
介入も難しく、有効打を見いだせない状況だ。【清水憲司】
◇「困るの日本だけ」
今回、市場では「企業業績の悪化など円高で困っているのは日本だけ。欧米には協
調介入の理屈がない」(JPモルガン・チェース銀行の佐々木融氏)との指摘もあ
る。日本単独の円高阻止介入に乗り出すことも考えられるが、「3日で10円も進
む相場の流れを単独介入で変えるのは無理」(国際金融筋)。財務省も「かつてな
い市場の変動ぶりで、為替介入の影響が読めない」と苦慮している。
抜粋
毎日新聞 2008年10月25日
円高で輸出企業は困ってるのかもしれないが
日本が困っているというのは一面的過ぎる。
輸入業者は喜んでいるだろうし
物価の値上がりも一段落し、ガソリンも下がったではないか。
消費者は本当に困っているのか?
円安の時より良いのではないか?
円高になっている事は、
日本経済が国際的には健全であると見られているという事であり、
むしろ胸を張るべきだ。
物事は多面的であり
一面だけを、しかも悪い面だけを捉えて
困っただの悪いだのと殊更に喧伝するのは
むしろ消費にブレーキをかけ、日本経済に不利益であろう。
マスコミはもっと多面的に報道すべきである。
『横槍』についての私の見解はこうです。
例えば見ず知らずの人から私の客人に言葉尻を捉えた攻撃があった場合、
私はあらゆる手を使ってこのツッコミを攻撃排除します。
しかし、あなたは私の知人であり同級生でもあり、
私はあなたに配慮しなければならず、
私の客人も『あなたが私の知人であるらしい』ことを察知するでしょうから、
私に配慮した対応をとらざるを得ないのです。
私が「このような議論をここでは歓迎します。」と言った事で
あなたの誤解を呼ぶことになったのは反省します。
ひとつにはあなたと客人に対する配慮から出た言葉でしたが
却って仇になったようですね。
改めて述べますと、
私が議論と言っているのは、基本的には「私の論旨(記事)」に関することであり、
私の論旨に対する異論などには(私がアラシと判断したものは別です)できるだけ真摯に答えるようにしていますし、
これを拒むものではありません。
Meizeneseさんのコメントにも、きちんと反論していると思いますよ。
今回の記事の私の論旨はこうです。
「円高は必ずしも悪い事ばかりではない。マスコミはもう少し多面的に報道すべきだ」
ところがあなたは私の記事の中の
「日本経済が国際的には健全であると見られているという事」
という私の論旨とは直接関係のない“言葉”を採り上げ、
これをを曲解(誤解)否定し、その上であなたの見解を述べられた。
この見解は主に株価に関する解説でした。
私にはこの解説に付き、私の論旨『マスコミは多面的に報道すべきだ』
との関連がよく理解できませんでした。
二度目のコメントの時のあなたの論旨は
『毎日新聞は、「円高が困った、悪い」と言っているわけではなく、「急激な為替変動が問題である」』
というもので、おっしゃっている事は理解できました。
毎日の記事は間違いなく
「円独歩高:金融危機で止まらず 介入難しく有効打なし」というタイトルに次
「困るのは日本だけ」という小タイトルを付けています。
毎日は『円高で日本だけが困る』と言っているのではありませんか?
これを、
『毎日新聞は、「円高が困った、悪い」と言っているわけではない』
と読むことは私にはできません。
『急激な為替変動』については同意します。
細々と述べましたが、
私にはどうも私のこのコメントを含めこれらのやり取りは言葉遊びにしか思えません。
ま、しかし、たまには面白いものではありますね。
付け加えますと、
私のブログは不特定多数を対象としている関係上、
常にアラシや炎上のリスクを覚悟して運営しています。
そのような場合はこれらを攻撃排除するのに、
言葉遊びどころかあらゆる手法を使いまする。(笑)
どーも至らない点があったようで申し訳ありません。
私は、以前にも、他の人のコメントについて、ここにコメントを起こしたことがあります。そして、Pさんからは「このような議論をここでは歓迎します。」というような趣旨のコメントがあったように記憶しております。
だから、そのときのようなコメントは、ここでは歓迎されるものと考えていました。
そのとき、相手の人からは私に対して「あんた、だれ?」のようなかなり乱暴な反応があったと思いますが、Pさんからは、その人に対して注意等はされていなかったと思います。
前回のコメントについては、もともとロジックについてのものであり、確かに本論から外れていました。貴兄からも「ねじ込み」という言葉で、止めろという意思表示がありましたので従いました。
しかし、今回の株式についてのコメントは、ロジックの話でもないですし、ギャグとも思えませんでした。したがってストライクではないかと考え、議論もできる(貴兄とも貴兄の客人とも)ものと考えました。私としては、貴兄のルールに従ったつもりです。でも、今後は、ここにコメントをした人どうしで、このブログで議論をしてほしくないというのであれば、ここは貴兄のルールの世界ですからそうすべきでしょうね。そういうことなのですかね。どこかに私の勘違いがあったのですね。
私に配慮が足りなかったとすれば、「おれの立場も考えろよ」という貴兄の声なき声が聞こえなかったことなのですかね。
昨日、奇しくも日経新聞朝刊の一面トップに、日銀が円高、株安に対応して利下げを検討している旨の報道がありました。円高に対応する利下げについては、私のコメントで意味が理解していただけると思います。為替だけではなく、株価と金利にも深い相関関係があると思います。
ちなみに、私のところでは、ねじ込みと思われるようなコメントは、貴兄のところ同様歓迎しておりません。
真摯なコメントをありがとうございます。
私の方こそ尖った文字を書いてしまい、反省しています。
確かに『胸を張るべき』は言い過ぎであったと思います。
私の真意は
『下を向いてくよくよするな。円高だって良い事だってあるじゃないか。良い所を見つけて少し上を向いて歩こうよ。』
といったところの積もりでした。
経済の動き(というか、世の中の諸々の動き)は多面的かつ多元的であり、
一面一元だけを捉えて『良い、悪い』と判断すべきではない
と私は思っています。
また、それらの判断は全て相対的であり、
それぞれのポジションの如何により感じ方は変わるように思います。
もう少し立体的、多元的にマスコミには報道してもらいたい、
と、私は思ったという訳です。
Meizeneseさんのコメントはとても勉強になります。
ただ、前回、今回に関しては、
私の記事の『前提の【言葉】』の否定だったので、
チト激しく反発したということです。
また、私のブログの『客人』に対するツッコミは、
Meizeneseさんのブログの客人に
もし私が『ねじ込み』を入れたらどのような気持ちになるか
を想像していただければお判りいただけると思います。
色々な情報交換は大歓迎です。
これからもよろしくお願いいたします。
ちと、気分の悪い思いをさせましたかね。そうだったら申し訳ありません。
まったく、言葉尻を捕らえるつもりもありませんし、揚げ足取りをするつもりもありません。もし、そう感じたらおっしゃってください。ただ、このところ急に次々とコメントしたから、少し煩わしかったも知れませんね。お許しください。
そうですね。確かに、「・・見られている」ことが「健全になったことになる。」ということにはなりませんね。ご指摘どおりです。またしくじってしまいました。
でも、そうなら「胸を張るべき」ことでしょうか。「日本経済が国際的には健全であると見られている」ならば、「胸を張るべき」なのでしょうか。
たとえば、出来の悪い私が、何かの事情で優等生と見られたら、胸を張るべきなのでしょうか。
「胸を張るべき」と書いてありましたので、当然、実体が伴った話だと思ってしまいました。
現在の円高は、国際的に日本経済が健全と見られていることの結果かどうか、私にはわかりません。もし分かるようなら、今もう少し気の利いた収入を得ていたかもしれません。
それが理由かも知れませんし、前に書いたような色々な条件かもしれません。
先の欧米協調利下げのとき、日本は追随しませんでした。というより有効な利下げができなかったのでしょう。金利平価説からはそれも一つの原因でしょう。
日本経済が健全と思われているのなら、日本の株式はアメリカ市場にも増して、なぜ売られるのかと思います。
私は、貴兄のように断言することはできないのですが、まあ今回の円高は、「実体経済」よりも「金融不安」によるものではないかと思われているようですね。アメリカは金融立国を目指したようですから金融と実体経済は概ね一致するのかもしれません。ただこれからビッグスリーがどうなるか気になるところです。
今は、ドルよりもユーロのほうが弱いようですね。これも、ユーロ圏の準主要国や主要国以外、たとえばイタリア、ギリシャ、チェコ等の国々がサブプライム関連で相当傷んでいるという話もあるようで、それがまだ表に出てこないことも売られている要因かもしれません。
どちらにしろ、これらは投機の動きだと思います。リスクとリターンの中でどれか一つの通貨がターゲットになります。円、ドル、ユーロの通貨圏すべてが同じく通貨不安にあっても投機資金は一づつ、つぶさないとリターンが出ません。ドル、ユーロ、円の順番はたまたまかも知れません。
日本の金融機関は、羹に懲りて膾を吹く状態でしたから、概ね大丈夫と思われていました。しかし、ある大手証券会社が前1四半期で1400億円の赤字と公表しました。
昨日、久しぶりに日経平均が大幅反発しましたが、総じて大手銀行は値下がりしました。ストップ安の銀行もあったようです。
某銀行1兆円増資によるdilutionを嫌ったとか、さらなる増資の請求であるとかいろいろ言われているようですが、株価もここまで来るとさすがにそろそろ日本でも何か起きるかも知れません。少し不安です。
だらだらと書いてしまいまして申し訳ありません。
もともと申し上げたかったのは、毎日新聞は、「円高が困った、悪い」と言っているわけではなく、「急激な為替変動が問題である」と言っているのではないかということを言いたかったのです。
余計な事を書いて混乱させたようでしたら、申し訳ありません。
経済学のご教授ありがとうございます。
言葉尻を捉えてではないと信じて述べますが、
>>「日本経済が国際的には健全であると見られているという事」
は、
米国を含め他の主要な国々が非常に深刻である中で、
『国際的には』(比較的に)健全であると『見られている』と述べたものです。
それがどうして
『急激な円高は急に日本経済が健全になってきたということになる』
などという事になるのでしょうか?
『円高』は世界的金融不安の中で、
まだしも日本はリスクが少ないと見られているからのことでしょう。
それは
「日本経済が国際的には(比較的に)健全であると見られているという事」
の結果ではありませんか?
もし違うとおっしゃるのであれば、
株などから引き上げた国際マネーが
ドルやユーロでなくYENに集中している、
或いは、少なくとも、YENが売られていない理由
を説明してください。
円高は悪いことばかりとは言えません。
実は、恥ずかしながら私んとこは輸入業者ですのでコッソリ喜んでいます(^^;
マスコミの愁嘆は日本経済に悪影響をもたらしますね。
「濃く最終意思」
は
「国際収支」
の間違いです。
お詫びして訂正します。
ある意味、為替の変動は損をする人得をする人がいて、ミクロ的にはスクェアですが、それは単純に「日本経済が国際的には健全であると見られているという事」だとはいえません。
もしそうなら、急激な円高は急に日本経済が健全になってきたということになります。
為替変動の要因は、購買平価説、金利平価説、国際収支説、為替心理説、アセットアプローチ説などの考えがあり、今は一つの理由で説明できないというのが一般的なコンセンサスでしょう。為替は日本のように濃く最終意思が黒字の場合は全体として損であるとはお思います。しかし、長い目で見ればそれもバランスがとれるかもしれません。
しかし、問題は急激なことです。急激なことが問題なのです。
私には、株価下落のメリットというのは、ショートポジションを持っている投資家の短期的な収益以外には考えられません。
だからこそ、今、右だろうが左だろうが、政治家はおろおろしています。株価下落は、金融機関の自己資本規制に影響を及ぼし、貸し渋り貸しはがしを呼びます。そして、それはデフレの予兆かもしれません。よく言われる実体経済への波及です。経済的に安定していると考えられるのは、穏やかなインフレであるというのは政治的にもコンセンサスが得られているのではないでしょうか。
株価の動向は、実際経済を反映すべきです。もし、景気が下降気味であれば仕方がないかもしれませんが、
すでに新古典派の政策のどこかに誤りがあったことは、マーケット至上主義に誤りがあったことを米国のグリーンスパン前議長が認めました。
http://sankei.jp.msn.com/world/america/081024/amr0810241928005-n1.htm
どこかでオーバーシュートをコントロールするために政治があったはずです。これは、小泉政策の評価にもかかわることだと思います。
ま、我々一般庶民がうろたえて、どうにかなる問題でもありませんから。