採血

2007-12-14 14:06:34 | Weblog
入院中のこと、、


体を締め付けられるのが嫌で、私は日頃下着をつけないで寝る。

下着といっても冬場寒いので、上半身は長袖のTシャツとパジャマを着ているから、
下半身だけスッポンッポンのかなり情けない格好で寝ている事になる。

最も安価な6人部屋に入院中の私は、もしもの事があってはいけないと思いパンツとパジャマのズボンも穿いて寝ていたのだが、
いつの間にか寝ている間にズボンもパンツも脱いでしまっている。

そこで、私は毎朝目覚めると急いで布団の中の足下あたりをまさぐり、
慌ててゴソゴソとパンツとズボンを穿き、
何食わぬ顔をして洗面の為に起き上がるという毎日を繰り返していた。

通常自宅での私の起床は7時半くらいで遅い。
病院の朝は早いようだが私は7時くらいまで目覚めない。

入院して3日目くらいのまだ暗い早朝、シャーーっという音と人の気配に目覚めると、
蝿を飲み込んだばかりのカエルみたいな顔をした看護婦が、
押し殺した、しかし有無を言わせぬ口調で『採血です!』と言った後、
いきなり私の布団をめくった。

突然の事でまだ完全に覚醒していなかった私は『あぁ~~』と痴呆のような声を上げるしか術は無く、
まだ定まらぬ瞳孔を何とか枕元の時計に合わせると、、6時ちょうどであった。

脳にいくらか血液が流れ込み、
先ほどのシャーーっという音は、私のベッドの周りを囲んでいたカーテンを開けた音なのだと気付いた。

カエルは私の右腕をとる時、布団の間から露出した私の臀部及び大腿部の一部をグルリと眼球を動かして確認した後、、


私の目を見て、、、ニヘッ、、っと笑った。





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