『ハンテッド』
出演: ベニチオ・デル・トロ, トミー・リー・ジョーンズ
監督: ウィリアム・フリードキン
この映画の評価は難しい。
フリードキンの演出は前半素晴らしく、さすがは『エクソシスト』の監督だなぁと思っていたら、
後半、トミー・リーの追跡劇になったら、やたらと冗長だったり、端折り過ぎだったり、、、
ナイフのアクションを見ている分には面白いのだが、拳銃が出てくると一発で片が付いたり。
トミー・リーが優秀な教官であったことは理解できるのだが、
余りにも容易くベニチオの行方が判ってしまうのには白けてしまった。
しかし、ベニチオがイイ。
悲しい眼、、人を寄せ付けないな孤独感、、超然とした強さ、、
このプエルトルコ出身の演技派俳優の圧倒的な存在感は、
フリードキンの演出の粗さを補って余りある魅力に溢れ、
観る者を一瞬にして引き込み、抱きしめ、もはや逃れる事は出来ない。
という訳で、ベニチオ・ファンの私は
強引に満点をつけてしまうという暴挙に出るのである。
★★★★★
ベニチオ・デル・トロ
ストーリー
【注意:以降の記述で物語・作品に関する核心部分が明かされています。】
軍を除隊し、カナダで動物保護官として余生を過ごしていた老人L.T.のもとに
アメリカのオレゴン州からFBI捜査官のアビーが訪れてきた。
彼女はオレゴンで起きている連続殺人事件を解決すべく、彼に協力を依頼しにやってきたのだ。
L.T.は彼女と共に現場を訪れ、わずかな手掛かりから犯人を割り出した。
そして彼は、犯人がかつて軍でサバイバル術を教え込んだハラムであることが分かった。
ハラムに会ったL.T.は彼と格闘するもアビーの活躍で彼は逮捕される。
L.T.はハラムがかつてコソボ紛争に従軍してセルビア軍の指揮官を殺し、
英雄として称えられたと同時に戦場で多くの惨劇(ジェノサイド等)を目の当たりにしたことで
身も心もズタズタに引き裂かれていたことを知る。
ハラムは軍歴を理由に軍に身柄を引き渡されたが、彼は車に事故を起こさせてその隙に脱走した。
多くの捜査員が導入されるも彼は包囲網を突破し、森の中へ逃げ込んだ……。