『反転』田中森一
凄腕の特捜検事と言われた著者が検事を辞し、
ヤクザや地上げ屋などの弁護士となり、やがて自身も経済詐欺事件の被告となる。
長崎平戸の小島から這い出し、
苦闘しながら日本の中枢の表と裏舞台を縦横に舞い続けた、、あるいは、踊らされた男の記録。
いわゆる文学としての面白みは無いが、
首相を務めた竹下登、中曽根康弘、或いは山口組組長や若頭、さらには許永中、イ・アンド・イー . . . 本文を読む
手術室は近代的なローマ帝国の風呂のような所だった。
床や天井も含めてすべて白っぽいタイル張りで、
天井の中央から歯科医院にあるようなライトのデカイのが
多頭系恐竜の頭のようにこちらを睨んでいた。
私への作業は一段落したようであり、軽部は結子に軽口を叩き始めた。
『ここんとこオペが多くてさぁ、、先週なんか3っつだぜ、みっつ』
『ひゃぁ~、大変ですねぇ、、』
『まぁ、でかいのは無いんだけどね、、 . . . 本文を読む