探検家・角幡唯介氏の講演「地図を捨てる」~ツアンボー・北極・日高での探検~
まず北海道登山研究集会が小生と同い年の50回目を迎えたおめでとうございます主催=北海道勤労者山岳連盟/主管=道央地区勤労者山岳連盟
ノンフィクション作家で探検家の角幡唯介(かくはたゆうすけ)氏の講演会が無料で聞けるとはラッキー
角幡氏は北海道芦別市出身で早稲田大探検部OB。2002~03年にはチベットのヤル・ツアンポー峡谷の未踏査部を単独で探検。2011年にはカナダ北極圏1600kmを徒歩で踏破。多数の著書があり、ヤル・ツアンポー峡谷に挑んだルポ「空白の五マイル」は、開高健ノンフィクション賞を受賞した。
会場は定員オーバー。予想どおり凄い人気だ探検家の講演は初めて。とても面白く感慨深いものがあった 予定時間オーバ一の2時間以上の講演に
講演では、日高山脈や北極の犬ぞりの話が中心であった。今後、道北の天塩管内での犬ぞり猟の見通しなども話していた。角幡氏のやっている冒険は、エベレストや南極点などの頂上を目指すものではない北極の白夜でも数か月ぶりに太陽を見る瞬間を旅のゴールにしている。とても過酷な冒険といえる。さらに、地球上の空白地帯探し。現代社会や地図、GPSなどのシステムから脱する旅をしている。まさにテーマの「地図を捨てる」。角幡氏曰く「GPSを使うと、位置が分かるから明日の予定を立てられる。安心する。でも、闇の本質は分からなくなる」。意図的に自らを困難な状況に追い込んでいく探検家だ・・・うむむむ・・・わかる気がする。
数年前、はじめてGPSを持つようになって時々使うようになってから、研ぎ澄まされた洞察力のような肌感覚というか感性が低下している気がする小生であーる
角幡氏はトレーニングとして、日高山脈を、地図なしで登っている。これからも続けるそうだ。はるか昔、地図のない人たちが見た風景とはどんなものだったのかを求めている。地図なし登山なんて初めて行く山域は怖くて小生には絶対無理だが
地図なし登山とは、要するにはじめてその地を訪れた原始人と同じ山を見る、完全に未知の自然環境に突入して山を見たとき、その山はどのように見えるのか、それを知るのが目的であるそうだ。だから、一度でも地図を見て山域の概念が頭にインプットする時点で企画は失敗となるとのこと。登山が終わった後も一度として日高山脈の地図は確認しないので、極私的な空白地帯としての日高は温存されたままで、来年すべての沢などを隈なくローリングしていくとか。凄まじい
角幡氏blog拝借
角幡氏曰く「日高山脈の地図なし登山を続け、いろいろ彷徨い八日後に主稜線に出て、かっこいい山に登れた。まだ地図を見てないが、私のなかでこの山はメンカウラー岳(本当はカムエク)という名前で呼ばれている」・・・笑
本にサインしてもらう。握手の感触から冒険家の手というオーラが伝わってくる角幡氏の真似は絶対無理だが、常に何かに挑み続ける人になりたい・・・ 汁なし六鶴
そうした講演会があるとは知りませんでした。私は数年前に札幌で開催された角幡氏の講演を一度聴いたことがありますが、朴訥とした語りの中に彼の凄さを感じたものです。
きっとまた「ヒリヒリする感じが堪らない」的な発言をされたのではないかと想像しますが、彼にはもうこれ以上ヒリヒリすることは止めてほしいとも思いますが、彼はまた何かを計画中なのでしょ?????