もりたもりをblog

Valuation/Accounting/Finance/USCPA
何事にも前向きに取り組みます!

子会社の増資④:持分比率が減少するケース:部分時価評価法

2008-06-21 00:51:28 | 連結会計
持分比率が減少するということは、実質的な株式の一部売却と同じです。ですから部分時価評価法だと時価評価する範囲も狭まります。つまり比率が減少する(売却)のたびに(組替・修正で)、評価差額を一部取消していくよ。

(借)評価差額×××/(貸)土地×××

持分比率の減少なので「みなし均等割当て、みなし一部売却」だよ。ですから株数の変化もきちん把握し、減少させる比率を出します。

持分比率の低下割合で、後に取消すべき評価差額の金額や、取消すべきのれんの金額がわかります。

ここではまだ「増加するべき小持当」を出しちゃダメです。なぜなら単純に増資「後」の子会社のNAに、「小持の増加比率」をかけても意味のない数字になるからです。

期末NAに「最終的な小持割合」をかければ確かに「期末あるべき小持」が出ます。しかし「どの程度増加すべきかという増加分」はわかりません。

なぜ意味がない数字になるかというと、パイの中で新たに小持に渡す部分が増えること(小持の増加比率)と、パイそれ自体も大きくなっていることの2つが「小持の当期の変動」に影響を与えているからです。

だからいきなり増資の仕訳を一本でやろうとすると間違えるから「みなし―みなし」で慎重に出していきます!

開始仕訳は前期末残高にもとづいてやります。だから評価差額も増資前の計上分を消すよ。もう反対仕訳が入れられ部分的に消されていたとしても、開始仕訳で消す金額は変わりません。

すると(時価評価範囲の縮小にともなう)評価差額の反対仕訳分は残りますが、後のみなし売却の仕訳でプラマイゼロにされるんだな~と思っておきましょう。

当期純利益の按分も増資前の比率で、のれん償却も普通にります。増資はたいていは期末に行なわれるからです。

比率減少の仕訳は、最初に均等割りあての仕訳をやります。これは持分比率に関係なく行ないます。

(借) 新株の発行  (S当)  / (貸) 関係会社株式  (持分比率で按分)
    新株の発行  (SJ当)        小持当       (持分比率で按分)

その次に親持(関係会社株式)が増えすぎなので、一部売却の仕訳をやり、減らしてあげます。これが借方の関係会社株式のイミです。

(借) 関係会社株式             / (貸) 小持  (期末NAでの増加割合=普通の売却でやっていることと同じです)
  (@1株×小持に移動すべき株数)          評価差額 (修正分と同額&開始仕訳で消しすぎだから)
                                 のれん (減少比率分だけ取消す)
                                 持分変動損益 (貸借差額)

関係会社株式の金額は貸借差額が、親会社による実際の払込金額と一致するように調整すると考えてもよいですよ。

持分変動損益とは、「貸方のれん」と同じ性格を持っているものです。親にしてみれば「ちょっと払い込むだけで実質的な株の価値があがっちゃった」「だけど持分比率は低下してる(小持からの払い込みによってね)」ということを意味します。で比率が低下してるから「のれん」を取消しているのです。

しかし同時に「貸方のれん」を計上するのは辻褄が合いません。だからP/L科目として認識するということなのです。これは連結上の収益であり「のれん償却」などの反対の性格を持つものです。だから翌期には、利益剰余金前期末残高になって開始仕訳にインパクトを与えるわけです。

最新の画像もっと見る