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甘えの構造 by 岩瀬大輔

2012-12-12 11:09:38 | 残念ながら手遅れです
岩瀬大輔さんが面白い記事をBLOGOSにアップしています。


http://news.livedoor.com/article/detail/5483089/


岩瀬さんのおっしゃることは全く正しいと思います。
やらなければならないことのメニューは出揃っているのです。
あとはやるかどうかです。

これは言い換えれば、私たち国民の一人一人が、must do listを実行に移す!という気概を持てるかどうかということです。


しかし、残念ながら実行不可能だと思います。

なぜなら日本人にとっては・・・

将来世代のことよりも自分たちの世代のことのほうが大切だからです。
この国の将来よりも、今の生活が大切だからです。
子供たちの無邪気な寝顔よりも、老人の笑顔のほうに価値があると感じるからです。
価値が減りにくい社会資本を整備するよりも、すぐ価値の廃れてしまう老人の人的資本形成の方が重要だからです。

ま、これは先進国、北半球共通といえなくもないのですが・・・

とにかく「これから生まれてくる世代のことなんか知ったこっちゃない」ですよね?


日本のモノづくりの最高峰を極めるのが「老人の笑顔」づくりです。老人の笑顔を作ることにかけて、これほど長けた国は歴史上存在してきませんでした。これは日本文明の究極の到達点だと言っても過言ではないでしょう。老人の笑顔は輸出もできず、資本として活用することもできず、ただただ失われていってしまうものです。いわば浪費です。

私たちは、この「老人の笑顔」を作り続けることにより、そして「子供たちの安らかな寝顔」を減らし続けることでしか、日本人らしさを維持することはできないのでしょう。

結果的に、私たちは上記の選択をしてしまったということです。

どちらが正しいのかはわかりません。ただ選択は行われたという事実は残り続けます。



☆☆☆☆☆ 以下引用 ☆☆☆☆☆


震災から1ヶ月が経過した。あの日から世界が、見える風景がガラっと変わってしまったように感じることがある。

しかし、実際には、ほとんどのことは変わっていない。特に、日本経済が抱える構造的な課題は、3月10日から何ひとつ変わっていない。

そして、それらの構造的な課題を克服するために必要なすべての施策について、「いやだ」と反対を続ける日本人のメンタリティも変わっていない。毎年40兆円しか収入がないのに90兆円も使い続けたら辻褄が合わないことは小学生でも分かることだが、収入を増やそうと増税を提案しても、「財務省の陰謀」「先に削るべき無駄があるはずだ」と反対する人たちが多くいる。

収入が増えないなら支出を減らすしかないのだが、もっとも大きな支出である年金を減らすために受給開始年齢を引き上げようとしても、高齢者が反対する。

次に大きな支出である医療費について、保険料を上げるか、自己負担を増やそうとしても、「弱いものいじめ」「姥捨て山」と反対されるので、実行できない。

ならば医療コストを合理化しようと、レセプトの電子化や、医療データの開示を迫ってみても、(無駄な投薬や検査を指摘されかねない)医師会が猛反対する。遠隔医療を実現しようと思っても、しかり。

支出を減らせないので、やっぱり増税できないかと考え「まずは公務員が身を削れ」という主張を実現しようと思っても、労働組合が反対するから人員削減も給与カットもできない。

それなら上げ潮路線で行くしかないので、企業に頑張って稼いでもらおうと、できるだけ競争しやすいように減税したり雇用コストを下げようと思っても、「大企業優遇」と労働組合とマスコミが反対するので実行できない。

企業経営に緊張感を持ってもらおうと、市場を通じた経営監視機能を高めようとすると、今度は大企業経営者が猛反対する。結果、皆がジリジリ沈んでいく。「企業の競争力強化」がまっとうな政策として取れないのは、日本くらいではないか。

ならば莫大な金融資産を活用することで投資で稼いでいこう、と思って資本市場で投資ファンドが活躍し出したら「汗をかかないでお金を稼ぐのはけしからん」という風に検察も裁判官が反対するので、投資家が日本の資本市場から去っていった。

新しい産業を創ろうとちょっと尖った生意気な起業家が出てきたものの、本当に社会を変革しうる核心部分に迫ろうとしたら、メディアに猛反発を受け、司法の助けも借りて刑事犯罪人に仕立て上げられてしまう。

農業や医療・介護といった分野で規制の見直しをすることで新産業を育成しようとしても、業界が反対するので、実行できない。しょうがないので、政府の成長戦略と称して「グリーン・イノベーション」やら「ライフ・イノベーション」やら、誰も反対し得ない空虚な言葉を掲げ、お茶を濁す。

少子化で人口が減って行くのが困るので、移民を促進しようと思ってみても、外国人の看護師試験合格率は4%と、司法試験並にハードルを上げて、導入を事実上拒む。

結局、国民全員がいやいや駄々をこね続けるので、今は文句を言えない子供たちに負担を押し付けることになる。

この国を変えるのは、容易ではない。官僚が悪いとか、デフレが悪いとか、日銀が悪いとか、スケープゴートを見つけてきて、その一つを直せばいいようなことではない。

国民が聞きたくない真実をつきつけ、正しい方向に導くことが、政治家、メディアの責任ではないか。そういう政治家、メディアを支持するのが、国民の責任ではないか。

私たちは、ひとつひとつ、自分ができる小さなことから変えていくしかない。

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