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Tank Landing Ship LST しもきた 輸送艦「おおすみ」型

2011-08-08 06:30:31 | 艦艇(自衛隊・保安庁・その他)

基地公開で最初に乗船した輸送艦しもきたです。「しもきた」はおおすみ型の2番艦。艦名は下北半島に由来する。

「LST-4002 しもきた」に続いて日本の艦艇としては2代目です。


当初の計画では、あつみ型輸送艦の代艦として、3,500トン型輸送艦が計画されていた。しかし、数次の改正を経て、中期防衛力整備計画(平成3年度)~(平成7年度)において、8,900トン型輸送艦(平成5年度計画艦)として予算通過、1998年(平成10年)におおすみが1番艦が輸送隊に配備された。


つづいて「しもきた」は、4112号艦として、三井造船玉野事業所で1999年11月30日に起工し、2000年11月29日に進水、2002年3月12日に就役の後に自衛艦隊第1輸送隊に配属されました。

さらに「くにさき」と合計3隻が建造され、全艦が呉基地の護衛艦隊隷下、第1輸送隊に集中配備されています。


艦内後部ウェルドックに輸送用ホバークラフトを2隻搭載し、また、乗員用居住区とは別に数区画に分けられた陸上自衛隊員用の居住区を持ち、完全武装した陸上自衛隊員330名と90式戦車10輌または74式戦車12輌の輸送が可能です。

艦種を示す略号はLST(Landing ship,Tank 戦車揚陸艦)で、同様の艦船は、他国海軍ではドック型揚陸艦(Landing Platform Dock)などに分類されています。


艦首部分の一部以外の全通甲板と右舷側に寄せたアイランド型の艦橋構造物を持っています。ステルス性を高めるため、艦体、艦橋構造物ともに傾斜をつけ、なるべく凹凸を減らした平面で構成されています。


就役時は赤色の艦底塗料が喫水線下まで塗られていましたが、就役後に喫水付近は黒色に塗りなおされています。



艦橋構造物より後方は輸送ヘリコプター2機分の着艦スポットを持つヘリコプター甲板、それより前方は車両甲板、資材用の甲板として使用。車両甲板下の艦体内に車両用の格納庫を持ち、車両は艦体両舷のサイドドア(サイドランプ)から格納庫に直接出入りします。

格納庫と車両甲板の間は、前部(20トン)と艦橋構造物後方(15トン)の2箇所のエレベーターにより車両を上げ下ろします。

ヘリコプター甲板の下にはドックがあり、ここには各種の舟艇を搭載。舟艇に車両を搭載する場合は、格納庫から直接に自走して乗り込みます。


舟艇を運用する場合は、おおすみの艦体を後方に傾斜させ、艦尾ランプドアより直接海上に出入りします。


あつみ型輸送艦やみうら型輸送艦など、海上自衛隊がおおすみ型以前に使用してきた輸送艦は物資を揚陸する際に直接砂浜に乗り上げるビーチング方式を採用していましたが、おおすみ型では艦内に2機を搭載するエアクッション艇1号型(LCAC。エア・クッション型揚陸艇)を使用して揚陸を行います。

ビーチングでは揚陸に利用できる海岸が世界の海岸線の15%ほどだったのに対して、ホバークラフトによる揚陸では世界の海岸線の70%程度が利用できるとされる。


また母船となるおおすみ型も、ビーチング用の構造を持つ必要が無くなったことでより水上航行に適した艦体になり、従来の輸送艦に比して速力が増しました。

また、従来用いられてきた上陸用舟艇(LCM)の設計を踏襲した交通船2150号型も搭載できるが、こちらは普段は呉基地での港内支援任務に従事しています。資材の搬入、搬出は艦橋構造物、煙突横に設置されたクレーンで行います。

ヘリコプター用の格納庫やエレベーターはなく、固有の搭載機は持たない。必要に応じて陸上自衛隊の輸送ヘリコプターを搭載、運用する。甲板にはアメリカ海軍の航空母艦(原子力空母)や強襲揚陸艦、ひゅうが型ヘリコプター搭載護衛艦と同じ滑り止め剤(MS-440G)が施されています。



スマトラ沖地震援助のため、3番艦くにさきが陸上自衛隊のヘリコプター5機を搭載し派遣されましたが、整備能力を持たないために、UH-60J系ヘリコプターの整備はしらね型ヘリコプター搭載護衛艦「くらま」で行い、陸上自衛隊のCH-47大型輸送ヘリコプターは、点検以外の整備はできなかった。



2番艦「しもきた」には、外洋航海やヘリ離発着時の安定性を向上させるフィンスタビライザー(横揺れ防止装置)が、一番艦おおすみと違い最初からの装備となりました。


本型は、手術室、歯科診療室、集中治療室(2床)、病床(6床)を備えており、これは登場当時、自衛艦としてもっとも充実した医療能力です。


2011年現在においても、本型と同等以上の医療能力を備えているのはましゅう型補給艦とひゅうが型ヘリコプター搭載護衛艦のみです。



また、スマトラ沖地震直後の国際緊急援助隊派遣の後、2005年(平成17年)6月に「しもきた」の車両甲板上で陸上自衛隊の野外手術システムを展開する技術試験が行われました。

この結果、複数の野外手術システムの展開が可能とされ、災害時には艦内の手術室とともに、病院船としても活用される。今回の東日本大震災も病院船として活躍しました。


2003年2月から3月にかけてテロ対策特別措置法に基づき、護衛艦「いかづち」とともにタイ王国陸軍工兵部隊と建設用重機をアフガニスタン近縁のインド洋沿岸へ輸送する。

2008年11月14日、平成20年度統合演習で航空自衛隊春日ヘリコプター空輸隊のCH-47による陸上自衛隊部隊の輸送艦からの空中輸送訓練を実施。

2009年9月7日に第5航空群と共に沖縄県防災訓練に参加し、航空自衛隊、消防、NTT、沖縄電力および日本赤十字社の救急車などの各種車両を積載する訓練を行っています。

パキスタンで発生した洪水への救援活動を行う陸上自衛隊のCH-47JA等を載せて2010年8月26日、横須賀を出航し、9月18日にパキスタンのカラチ港に到着(自衛隊パキスタン派遣)。

「しもきた」はテロ対策特別措置法に基づき、タイ王国陸軍工兵部隊と建設用重機をアフガニスタン近縁のインド洋沿岸へ輸送。

基準排水量:8900t/満載排水量14000t
主要寸法:全長178.0m×幅25.8m×深さ17.0m×喫水6.0m
エンジン:ディーゼル2基2軸 出力:26400PS 三井造船
16V42M-Aディーゼル × 2基
速力:約22kt
船型:平甲板型
乗員:約137名 
(ほか揚陸要員330名)


主要装備:高性能20mm機関砲(CIWS)×2基
エアクッション艇(LCAC)×2 搭載


レーダー     OPS-28D水上  OPS-14C対空  OPS-20航海
電子戦・対抗手段     Mk137チャフ発射機 × 4基




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