
広島車両所のEF614カットモデルです。EF60形は、国鉄の近代的な大型直流電気機関車の第一陣でした。この機関車は一般貨物列車を牽引するためには十分な性能を備えてはいたが、牽引力重視の設計ゆえ高速走行時の特性に難があり、旅客列車や高速貨物列車の牽引には不向きでした。また、客車暖房のための蒸気発生装置 (SG) が搭載されておらず、その点でも当時の一般旅客列車牽引には適していませんでした。そのため、1958年(昭和33年)に製造が終了していた旅客列車用機関車EF58形の後継として計画されたのが、このEF61形です。製造名目としては、1961年10月の山陽本線岡山 - 糸崎間電化に伴う旅客列車牽引機の電気機関車化を目的としていました。
製造当初は宮原機関区(現・宮原総合運転所)に配置されましが、製造後1年程度で広島機関区に移動しました。最初は東京 - 広島間で寝台特急列車(ブルートレイン)を牽引していましたが、間合い運用として、山陽本線瀬野 - 八本松間の「瀬野八」での旅客電車の補助機関車仕業などにも充てられました。そのため、上り側の連結器解放テコに走行開放用空気シリンダーが取り付けられています。寝台特急列車の牽引運用をEF60形500番台に譲った後は、急行列車や、東海道・山陽本線の急行荷物列車の牽引などに充てられたほか、貨物列車にも使用されていました。
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