
金田と見立を結ぶ三井鉱山セメント田川工場専用鉄道が金見鉄道の跡を紹介いたします。
いわゆる専用鉄道で、工場生産品の出荷や原料薬品の入荷、鉱石、変圧器、鉄道車両(甲種車両)の搬出など、専ら自己の用に供する鉄道です。
もっと詳細述べると専用鉄道とは 鉄道事業法において、「専ら自己の用に供するため設置する鉄道であつて、その鉄道線路が鉄道事業の用に供される鉄道線路に接続するものをいう(第二条第六項)」と定義されており、単に自己の用に供するためだけではなく、JRや私鉄などの鉄道事業線に直接つながっていることが条件。
ゆえにこのため、「引き込み線」と呼ばれる。この名称が一般的でしょうか?
専用鉄道の設置者は、国土交通省令で定める技術上の基準に従い、施設や車両の維持・管理をしなければならない(鉄道事業法第三十九条)。
規格や仕様は接続する鉄道事業線に準拠することになる。かつては設置にあたって国から専用鉄道免許を受ける必要があったが、現在は免許や許可を受けたり、届け出を行ったりする必要はありません。
専用線は、「特定貨主が自己の専用に供するため、その負担において敷設した側線」と規定されている。側線であるため、専用側線とも呼ばれる。
専用鉄道とは異なり、設置にあたって国から免許を受ける必要はなく、設置後は無償で接続する駅を管理する鉄道事業者(JRや私鉄)に譲渡され、施設の管理はその鉄道事業者側が行っています。
専用鉄道や専用線は、規模の大きな工場や炭鉱・鉱山、港湾地区の倉庫などと最寄駅を結ぶものが多かった。
鉄道貨物輸送の全盛期であった昭和40年代(1965年~1974年)までは、京浜や阪神などの工場地帯や港湾地区を中心に多数存在していました。
1984年以降、貨物列車のコンテナ化によるシステムチェンジにより、ほとんどの路線が廃止された。なお、運行や管理は、設置者から日本通運などの運輸企業に委託されてました。
「金見専用鉄道」もその専用鉄道の一つで平成筑豊鉄道金田駅から分岐していた三井鉱山の専用鉄道で、路線延長はおよそ5キロ。
切り出した石灰石をセメント原料にし、タキ1900形で門司港近くにあるストックポイントまで運び出す「源流」に位置していました。
残念ながら平成16年に役目を終えて廃止となりました。赤いDE10が力づよく貨車を引っ張っていた姿が懐かしく思い出されます。
なお、九州には他に廃線となってしまった路線は
三井鉱山セメント田川工場専用鉄道(金見鉄道) - 平成筑豊鉄道金田駅分岐(2004年3月廃止)
日本セメント香春工場専用線 - 日田彦山線香春駅・田川線勾金駅分岐(1989年3月廃止)
キリンビール福岡工場専用線 - 甘木線太刀洗駅分岐(1984年9月廃止)
チッソ水俣工場専用線 - 鹿児島本線水俣駅分岐
北九州港管理組合田野浦公共臨港線 - 鹿児島本線外浜駅分岐(2004年3月休止)
三井鉱山セメント田川事業所門司仕上工場専用線 - 上記田野浦公共臨港線より分岐(2004年3月廃止)
豊国セメント苅田工場専用線 - 日豊本線苅田駅分岐(1973年4月1日廃止)
日立金属九州工場専用線 - 日豊本線苅田港駅分岐
九州石油大分製油所専用線 - 日豊本線鶴崎駅分岐(1997年2月28日廃止)
旭化成延岡工場専用線(レーヨン線) - 日豊本線延岡駅分岐
旭化成延岡工場専用線(火薬線) - 日豊本線延岡駅分岐
三菱重工業第九航空機製作所専用線 - 豊肥本線水前寺駅分岐(1953年頃廃止)
西部ガス熊本工場 - 豊肥本線南熊本駅分岐
熊本食糧事務所専用線 - 豊肥本線南熊本駅分岐
味の素九州工場専用線 - 佐賀線(1987年3月全線廃止)諸富駅より分岐
川棚海軍工廠専用線 - 大村線川棚駅分岐
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