「ゆふいんの森」は九州旅客鉄道(JR九州)が博多駅 - 大分駅・別府駅間を運転する特急列車です。キハ71系気動車(キハ71けいきどうしゃ)は、九州旅客鉄道(JR九州)がキハ58形およびキハ65形を「ゆふいんの森」用に改造した特急形気動車。「ゆふいんの森I世」とも称される。
1989年(平成元年)にグッドデザイン商品(当時)に選定されました。
特急「ゆふいんの森」は1989年3月11日に運転開始した観光特急であるが、当初から専用編成に予備がない関係で臨時列車として運行されています。
列車名の由来ですが由布岳と湯布院町(当時)にちなんでおり、牧歌的な風景をイメージしたものです。
基本的には「ゆふ」、「ゆふいんの森」と2系統の特急列車として運転されているが、「ゆふいんの森」の運休時には同一ダイヤで「ゆふ」が運転されている。由布院駅・大分駅方面への列車が下り、博多駅方面への列車が上りとして扱われています。
博多駅 - 由布院駅間2往復(1・2・5・6号)、博多駅 - 別府駅間1往復(3・4号)の計3往復が運行されている。列車番号は、号数+7000Dである。
1989年に1往復で運行を開始した時は別府駅発着で、1992年に2往復化された際に増発分の列車は博多駅 - 由布院駅 - 別府駅 - 小倉駅間で運転され、かつての準急「由布」のような循環列車に近い性格を有していたが、1995年に全列車別府駅発着となり、車両の変更があった1999年に現行の運行本数となった。なお、別府駅発着列車に関しては「ゆふ」と同様に大分駅発着で運転されていた時期がある。また、由布院駅発着列車が設定された際に、このうち1往復に接続する形で由布院駅 - 別府駅間運行の「ゆふ」が設定されたが、この「ゆふ」は2002年に廃止されている。
なお「ゆふいんの森」は予備車両がないため、車両の検査時には「ゆふ」の車両により「ゆふ8○号」(○は本来の「ゆふいんの森」の号数)として運行される。
停車駅は博多駅 - 二日市駅 - 鳥栖駅 - 久留米駅 - 日田駅 - 天ヶ瀬駅 - 豊後森駅 - 由布院駅 - 大分駅 - 別府駅です。
使用車両・編成:筑豊篠栗鉄道事業部直方車両センターに所属するキハ71系気動車、キハ72系気動車が充当されており、別府駅発着列車はキハ71系、由布院駅発着列車はキハ72系で運行される。運行開始以来、2001年3月から6月にかけて1両が自由席とされたのを除き、全車指定席で運行されている。またキハ71系は2号車、キハ72系は3号車にビュッフェを備えている。ビュッフェには冷蔵庫や電子レンジ・電気ポット・コーヒーメーカー・アイスクリームストッカーなどを設置し、軽食や飲み物を販売できるようになっている。増備中間車のキハ70 2は客室の一部がアートギャラリーとされた。キハ70 1のビュッフェはショーケースとビールサーバーを新設して内装材を木材に変更し、ビュッフェ隣に4人掛けセミコンパートメント席を設けた。
なお「ゆふ」として運行される際は「ゆふ」と同様のキハ185系3両編成で運行される。その場合は自由席が連結され、ビュッフェの営業はない。
キハ71系気動車は久大本線沿線の湯布院町(現・由布市)・日田市・九重などの観光地と福岡市・北九州市を結ぶ観光特急として1989年3月11日のダイヤ改正にあわせて登場した。当初は中間車1両の3両編成だったが、利用が好調だったことから1990年(平成2年)4月29日より中間車を1両追加して4両編成とされた。
外装は改造扱いであるが車体は完全に新製している。1930年代のヨーロッパ(特にドイツ)の流線型気動車を彷彿とさせる、レトロ感覚の曲線的デザインを取り入れた車体構造である。先頭車・中間車とも客室部はハイデッカー構造とされ、側面窓も大型になっている。また、窓の部分は内側に10度傾斜している。先頭部は非貫通構造で、前面窓は上下2段に配置されている。塗装はオリーブグリーンのメタリック塗装を施し、金色の帯が入っている。
内装は客室部はハイデッカー構造で、乗降デッキ部分とは60cmの高低差がある。座席はすべて前後間隔96cm、インアームテーブル(肘掛内蔵テーブル)設置のリクライニングシートである。床材に難燃性木材を使用し、荷棚などの金属部分は金メッキ処理として豪華さを演出している。ハイデッカーであるため天井を高くすることができず、荷棚に大きな荷物を置くことができないので、荷物置き場やコインロッカーが設置されている。
クラシカルな雰囲気が漂う車内の客席はゆっくり座れるシートが自慢。自由に利用できるサロンスペースでは、ゆふいん到着前に客室乗務員による観光案内が行われています。(ゆふいんの森3号・4号)3~4人での旅行には、テーブルがついたボックスシート(要予約)が利用できます。
駆動装置は台車・エンジンはキハ58・65形から流用しており、キハ65形改造のキハ71形はDT39B・TR218B空気ばね台車でDML30HSDエンジン (500PS/1600rpm) 1台、キハ58形改造のキハ70形はDT22Cコイルばね台車でDMH17Hエンジン (180ps/1500rpm) 2台を装備した(なお、キハ70形以外のJR特急用車のコイルばね台車装備車には、同じJR九州で「はやとの風」用に改造されたキハ140形・キハ147形・キハ47形も存在する)。冷房用電源エンジンはキハ65形以来の4VK電源装置をキハ71形に搭載するが、ハイデッカー構造とされたため冷房装置は床下設置方式のものを新製している。
2003年のリニューアルにあわせて機関換装が行われた。キハ71形のエンジンはコマツ製SA6D125HD-1に、キハ70形のエンジンもコマツ製SA6D125H-1Aにそれぞれ変更され変速機もあわせて更新を受けている。
そのため現在は最高速度も登場時の95km/hから120km/hに引き上げられている。
1989年(平成元年)3月11日:博多駅 - 別府駅間に、急行用のキハ58系・キハ65系を改造したキハ71系気動車を充当する臨時特急「ゆふいんの森」の運転開始。「ゆふいんの森I世」という俗称もある。
1992年(平成4年)7月15日に変更。「ゆふいんの森」は博多駅 - 由布院駅 - 小倉駅間の列車を増発し2往復となる。なお、増発分には「オランダ村特急」で使用していたキハ183系気動車を改造のうえで充当され、「ゆふいんの森II世」の愛称が付けられた。
1995年(平成7年)4月20日:「ゆふいんの森」別府駅 - 小倉駅間の運転を終了。
1999年(平成11年)3月13日:キハ183系による「ゆふいんの森II世」の使用を終了し、新造されたキハ72系気動車を投入。これの気動車は、「ゆふいんの森III世」という俗称もある。キハ71系を用いた博多駅 - 別府駅間1往復と、キハ72系を用いた博多駅 - 由布院駅間2往復の運転になる。また、由布院駅発着の「ゆふいんの森」に接続する形で、由布院駅 - 別府駅間の「ゆふ」が1往復設定された。
2001年(平成13年)3月3日:「ゆふ2・5号」を大分駅発着とする。また「ゆふいんの森」の博多寄りの1両(4号車)を自由席としたが、同年の7月1日には再び全車指定席に戻された。
2008年(平成20年)3月15日:大分駅高架化工事に伴い、「ゆふ(DX)」「ゆふいんの森」の大分駅 - 別府駅間を臨時列車扱いとする。
8月24日:「ゆふ(DX)」「ゆふいんの森」、大分駅 - 別府駅間の臨時延長を終了する。
2009年(平成21年)3月14日:全車禁煙となる。
2012年(平成24年)
3月17日:「ゆふ」「ゆふいんの森」の大分駅 - 別府駅間の運転再開。別府駅への乗り入れ本数は2008年以前と同じ。
7月21日:この月の11日から14日にかけて発生した平成24年7月九州北部豪雨により久大本線のうきは駅 - 日田駅間が不通となったため、「ゆふ」「ゆふいんの森」は日田駅 - 大分駅・別府駅間で以下のように暫定的に運行再開。
「ゆふ」は100 - 103号の2往復で、101・102号が別府駅発着、100・103号が大分駅発着で運転。
「ゆふいんの森」は90 - 93号の2往復で、91・92号が別府駅発着、90・93号が大分駅発着で運転。
なお「ゆふいんの森」は90・91号がキハ72系、92・93系がキハ71系での運転で、キハ72系は初めて大分駅・別府駅発着の「ゆふいんの森」に充当されることとなった。また車両輸送の都合上「ゆふいんの森」は通常と車両の上下方向が逆転していた。
停車駅は「ゆふ」「ゆふいんの森」とも、通常の「ゆふ」の日田駅 - 別府駅間の停車駅に準じた。
8月28日:久大本線の復旧作業が完了し、「ゆふ」「ゆふいんの森」は通常ダイヤでの運行再開。
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