観光列車から! 日々利用の乗り物まで

日記代わりに始めました。
まずは先日の小旅行での観光列車から出張利用の乗り物まで。

E217系電車 JR東日本)

2022-03-04 10:19:00 | 乗り物(列車・車両)

E217系電車は、東日本旅客鉄道(JR東日本)の直流近郊形電車。

横須賀線と総武快速線で運用されていた113系の置き換えを目的として、1994年(平成6年)8月に量産先行車(1次車)となる基本編成11両+付属編成4両の第01・02編成が落成し、同年12月3日より営業運転を開始した 。翌1995年(平成7年)11月以降には量産型となる2次車の落成が始まり、以降1999年(平成11年)11月落成の8次車までに基本編成51本、付属編成46本となる計745両が製造された。
本系列は国鉄 - JR化以来の近郊形車両で初めての4扉構造を採用した 。それまでの近郊形車両は国鉄時代から3扉構造が踏襲されており、4扉近郊形車両は国鉄時代に導入が検討されたこともあったが実現には至っていなかった。車内の座席配置については混雑緩和を最優先とし、通勤形タイプとなるロングシート構造を基本としながら編成中の一部車両(基本編成11両中3両のみ)には遠距離旅客や観光客へ配慮したクロスシートを設けたセミクロスシート構造とした。また、基本編成のみ2階建て構造のグリーン車を組み込んでいる。
JR東日本が「新系列車両」として開発した通勤形車両209系を近郊形車両へと改良・発展させたのが本系列である 。本系列のデザイン開発はGKインダストリアルデザイン研究所によるものである。1995年(平成7年)度通商産業省(現・経済産業省)選定グッドデザイン商品(現・日本産業デザイン振興会所管グッドデザイン賞、商品デザイン部門)受賞。
車両の製造は川崎重工業、東急車輛製造およびJR東日本新津車両製作所、同大船工場(中間車12両[7]のみ製造)で行われた。ただし、大船工場製は東急車輛製造から車両構体を購入し、内装組み立てや艤装作業を大船工場で行ったものである (ノックダウン生産)。


1994年より大船電車区(現・鎌倉車両センター)に集中投入、1997年からは幕張電車区(現・幕張車両センター)にも投入され、1999年(平成11年)12月4日のダイヤ改正をもって横須賀線・総武快速線のすべての113系を置き換えた。
その後本系列の動向に変化はなかったが、2006年(平成18年)3月18日のダイヤ改正より幕張車両センター(千マリ)所属の全編成の所属が鎌倉車両センター(横クラ)へ変更になった 。変更後、同形式は幕張車両センターにおいて車両留置のみとなった。また、同改正に合わせて一部の編成が国府津車両センター(横コツ)に転属し、東海道本線に転用された。詳しくは下記の「#東海道本線」の節を参照されたい。
本系列の後、近郊形電車の生産は「一般形電車」として統一されたE231系近郊タイプに引き継がれたが、同系列の車体の基本構造や内装デザインに大きな相違はない。

東海道本線

E217系湘南色
2004年10月16日のダイヤ改正で朝ラッシュ時の湘南新宿ライン増発による横須賀線運転本数の削減と湘南新宿ラインの運用がE231系へ統一されたことにより、横須賀線・総武快速線のE217系には運用数に対して余剰車が発生した。このため、鎌倉車両センター所属のE217系のうち、初期に製造された基本F-01 - F-03編成と付属F-51 - F-53編成の15両編成3本(45両)が東海道本線と伊東線の113系の置き換えのために国府津車両センターへ転属し、2006年3月18日のダイヤ改正より運転を開始した。
転属に際しては東京総合車両センターにおいて改造が行われ、211系やE231系と同じく熱海方に基本編成10両、東京方に付属編成5両の構成に組み替えられた。当初は基本編成の7号車(ロングシート車)を付属編成に移動する予定であったが、混雑率の偏りを避けるため、実際にはセミクロスシート設置の旧10号車が付属編成へ移動した。
帯色はE231系と同じ新湘南色となった。車体側面のJRマークは横須賀線・総武快速線時代と同じ戸袋部に存置され、また先頭車の正面にある「E217」ロゴも残されたが、その左にあった横須賀色の帯色ロゴは撤去された。
転属当初の2006年3月改正時点では、1本が終日にわたって運用される以外はラッシュ時間帯のみの運用で、昼間の時間帯の充当列車は少なめであったが、翌2007年3月改正時に運用が一部変更され、昼間の充当列車の本数が若干増加した。快速「アクティー」での運行は下り2本、上り1本(いずれも毎日)が設定されている。
運行区間は、半自動ドア装置などの寒冷地装備がないため湘南新宿ラインへの運用はなく、前述のように終日15両編成で運用されているため、東海旅客鉄道(JR東海)管内(東海道本線の熱海駅以西および御殿場線)や伊東線への直通運用もなく、運用区間が東京 - 熱海(非営業の回送では来宮まで)間に限定され、運転室のモニタ装置筐体には『この車両は東京⇔熱海(来宮)間限定運用です』と表記されている。


その後、2008年にF-02+F-52編成が鎌倉車両センター所属車両の更新工事施工による車両不足を補うため、2010年度にはF-01+F-51編成が横須賀線武蔵小杉駅開業に伴う同線の輸送力増強のため、それぞれ鎌倉車両センターへ出戻っており、これらの穴埋めとしてE233系3000番台が国府津車両センターへ導入されている。その後、2012年11月・12月にF-02+F-52編成が再度、鎌倉車両センターから国府津車両センターに転属している。
運用は固定されており、基本編成と付属編成を常時連結した15両編成で終日運行される。予備編成を持たないため、検査などにより編成に不足が生じた際にはE231系やE233系が代走する。また、付属編成が検査に入った場合は、E231系の基本編成(10両)単独の運用(平日朝1往復のみ)に入ることがある。
行先表示器はF-52編成のみ転用改造時にLED式に変更され、それ以外の編成は従来どおりの字幕式となっていたが、2007年6月までに全編成がLED式となった。東海道本線用として新たに作成された字幕表示の書体は、横須賀線・総武快速線用と同様のものではなく、漢字部分のみが211系と同じ旧国鉄書体となった。また、非常用ドアコックなどの使用方法のステッカーが他編成や209系などと同じタイプのものに貼り替えられた。前面種別幕は、普通列車では黒地に白文字で「普通」(小田原・熱海方面行き)または「東海道線」(東京行き)、快速「アクティー」では黒地に赤文字で表示され、通勤快速も「アクティー」と同色のものである。
E231系やE233系と異なり東海道本線向けの本系列には車内自動放送は設置されていない。
2007年7月9日から同年9月30日まで、横浜 - 国府津間開業120周年記念ステッカーが先頭車の前面中央に貼付された。このステッカーは、編成ごとにデザインが異なっていた。
2009年4月中旬から2010年3月上旬まで、「東海道線全通120周年 - 新橋・神戸間 - 」記念としてE233系3000番台とともに基本編成1号車・付属編成15号車前面にヘッドマークが装着された。デザインは1種類のみであった。
戸塚 - 小田原間では最高速度 120 km/h で運転されている。

 

車内設備
車内は基本的に209系の仕様を踏襲しており、白色系の内装材、床敷物は灰色を採用している。車椅子スペースは各先頭車の連結面側に設置した。
座席は一般席においては表地を背ずり部を青色の斜めストライプ柄、座面は青色の単色柄とした片持ち式バケットシート構造である。座席はロングシート車両とセミクロスシート車両があり、後者は車端部(連結面)寄り座席はロングシート(3席)、ドア間の座席は「ロング2席・ボックス式クロス4席・ロング2席」の配置となっている[12]。ただし、先頭車両は構造上の関係で最前位のドアが後位寄りへ設置されたため、ロングシート車両・セミクロスシート車両ともに先頭側のドア間の座席はロングシート(4席)となっている。いずれの座席とも1人分の掛け幅は450mmを確保しているほか、7人掛け座席間には定員着席を促すための縦握り棒(スタンションポール)を設置している。座席定員はセミクロスシート車両の方がドア間あたり2人分多いが、立席スペースがロングシート車よりドア間あたり2人分少ないため、乗車定員はロングシート車・セミクロスシート車とも全く同じである。側窓は可視光透過率41%のグレーに着色された熱線吸収ガラスを使用し、カーテンの設置は省略した(グリーン車を除く)。ドア間の大窓は全て開閉可能となり、セミクロスシート車および6次車以前のロングシート車両は、側窓を3分割し、中間部分が下降式となっている。これはクロスシート時の座席配置を考慮したものである[12]。ロングシート車両の側窓は、7次車より車体中央部の窓が1枚ガラスの固定式となり、その他の開閉可能な窓も不均等2分割構造で車端部側の大きい方の窓が下降式となったものに変更された。
なお、これらの窓構造変更車のうち、先頭車両の車体中央部の開閉不可能な大窓は、長時間停電時の換気性能向上のために2007年(平成19年)から209系と同様の開閉可能にする工事が行われている。
ドアエンジンには209系3次車より採用が開始されたスクリュー軸式の電気式ドアエンジンを採用している。車外のドア解錠レバーは1次車では妻面に片側全扉の解錠レバーを設置していたが、2次車以降は片側側面2か所の解錠レバーからの操作に統一した(妻面のレバーは廃止)。また、ホーム長が10両弱分しかない田浦駅での一部ドア締め切りは、113系時代は両先頭車のみのドア締め切りで済んだが、本系列は先頭から2両目(2・10号車)の一番前のドアも乗降に支障をきたす為、先頭車と2両目のこのドアのみ締め切れる特別なスイッチ(通称・田浦スイッチ)が装備され、そのことを示すステッカーが該当するドアに貼り付けされている。
空調装置は一般車がAU720A形集中式 48.8 kW (42,000 kcal/h)、グリーン車用がAU721形集約分散式 23.3 kW (20,000 kcal/h) の2台搭載となっている。グリーン車用の冷房装置は使用条件の異なる2階席、1階席、平屋席それぞれの室内を個別に制御ができるものとなっている。
車内案内装置
各客用ドア上にはLED式車内案内表示器とドアチャイムを設置している。
2次車以降の車内細部の変更
1次車はクロスシート部に脚台(細い脚)があったが、これを廃した(完全な片持ち式)ほか、クロスシート背面にあった手すりが省略された。床敷物では出入口部に滑り止め加工が施工された。また、車内非常通報装置が警報式から通話式に変更されている。トイレ設備について
基本編成の両端先頭車(とグリーン車5号車)と付属編成の久里浜方先頭車にはトイレが設置されている。現在は基本編成の千葉方先頭車と付属編成では和式を設置している。ただし、当初は基本編成の久里浜方先頭車も和式トイレを設置していた。
その後、4次車からはバリアフリー対応のため基本編成久里浜方先頭車(1号車:クハE216形2000番台)に車椅子対応の大形洋式トイレの設置が開始された。そして在来3次車までの基本編成にも車椅子対応トイレを設置することになった。このため、4次車以降の付属編成久里浜方先頭車を車椅子対応のトイレ付きで新製し、これを基本編成の久里浜方先頭車と差し換える方法で全ての基本編成に車椅子対応トイレ付き車両を組み込んだ。

動力装置
制御装置と主電動機には、209系と同じ三菱電機製のGTOサイリスタ素子によるVVVFインバータ制御装置(1C4M2群制御)と出力 95 kW のかご形三相誘導電動機(MT68形、7次車からMT73形[注 5])を採用しているが、運用条件である最高速度 120 km/h を達成するため、歯数比は 97:16(= 1:6.0625、209系は 99:14≒7.07)とされ、起動加速度は 2.0 km/h/s(209系は 2.5 km/h/s)に抑えられている。その後に登場したE231系は歯数比 99:14(≒ 1:7.07)とされたが、主電動機を許容最高回転数の高いMT73形へ変更することで120 km/h 運転を可能とした。2次車からは定速運転機能を付加した。
本系列では基本編成の11両 (4M7T) と付属編成4両 (2M2T) ではMT比が異なるため、加速性能を合わせるために主電動機の負担率は両者で異なる。また、15両編成を組成した際にも性能を合わせるためにVVVFインバータ装置内に設定スイッチを設けており、各ユニット間での出力を切り換えるシステムを備えている。
台車も209系とほぼ同一構造の軸梁式ボルスタレス台車のDT61/TR246系を採用している。総武快速線などで 120 km/h の高速運転を行うため、量産先行車には新製当初ヨーダンパが装備されたが、走行試験の結果、グリーン車を除き以後の車両への装備は行われず、量産先行車からも撤去されている。


補助電源装置についても209系と同じGTO素子を使用した東洋電機製造製の[18]静止形インバータ装置(SIV)を搭載しており、最大で6両まで給電可能な 210 kVA 容量を持つ[13]。空気圧縮機はクノールブレムゼ社製のスクリュー式コンプレッサが搭載されている。
ブレーキ装置は回生ブレーキ併用電気指令式空気ブレーキで、直通予備ブレーキ、耐雪ブレーキを装備している。車両間の力行、ブレーキ指令等の伝送には「制御伝送装置 (MON) 」経由によるデジタル指令方式としている。また、車輪の滑走を防止するための滑走防止装置を設置している。
集電装置は209系と同じPS28A形菱形パンタグラフが採用されている[13]。狭小トンネル対策が採られていないため、中央本線高尾駅以西への乗り入れはできない。
保安装置にはATS-PとATS-SNを採用している[3]。そのほかに東京地下トンネル区間用としてATC-5を搭載していたが、同区間は2004年2月にATS-Pに切り換えられ、ATC装置は使用停止となっている。
なお、機器更新に伴い、2012年7月をもって落成時からのオリジナルのGTOサイリスタ素子を備える制御装置の車両は消滅した。

JR東日本E217系電車
運用者 東日本旅客鉄道
製造所 東急車輛製造
川崎重工業
東日本旅客鉄道大船工場
東日本旅客鉄道新津車両製作所
製造年 1994年 - 1999年
製造数 745両
基本編成:51本、561両
付属編成:46本、184両
運用開始 1994年12月3日
主要諸元
軌間 1,067 mm
電気方式 直流 1,500 V(架空電車線方式)
最高運転速度 120 km/h
設計最高速度 120 km/h
起動加速度 2.0 km/h/s
減速度(常用) 4.2 km/h/s
全長 ・連結面間距離
一般車 20,000 mm
グリーン車 20,500 mm
全幅 2,950 mm
全高 4,070 mm
パンタグラフ折畳時 4,135 mm
車体 ステンレス
台車 軸梁式ボルスタレス台車
DT61/TR246形
主電動機 かご形三相誘導電動機
主電動機出力 95 kW
駆動方式 TD継手平行カルダン駆動方式
歯車比 16:97 (1:6.06)
制御方式 GTO素子VVVFインバータ制御
(製造時)
IGBT素子VVVFインバータ制御
(更新後)
制動装置 回生ブレーキ併用電気指令式空気ブレーキ
保安装置 ATS-SN
ATS-P
ATC-5(使用停止)
備考 脚注
^ ノックダウン生産

 


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