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首都圏新都市鉄道TX-2000系電車

2022-02-13 03:19:16 | 乗り物(列車・車両)

 

首都圏新都市鉄道つくばエクスプレス線(以下、つくばエクスプレス)開業時に導入された日立製作所製のA-trainである。同時期に導入されたTX-1000系をベースに設計されたが、主に電装品が異なり、茨城県内(守谷駅 - つくば駅間)で採用する交流電化区間にも対応したものとなっている。形式称号の "TX" はつくばエクスプレスのアルファベット表記 "Tsukuba eXpress" に由来する。

2003年(平成15年)3月に先行試作車6両編成1本(6両)、翌2004年(平成16年)1月から7月にかけて量産車6両編成15本(90両)が落成し、いずれも2005年(平成17年)8月24日のつくばエクスプレス開業と同時に営業運行を開始した。

その後、全線での利用客の増加に伴って輸送力増強のための車両増備が必要となったことから、2008年度に開業時の量産車をマイナーチェンジした1次増備車6両編成4本(24両)を新製した。この増備車は2008年(平成20年)8月12日より営業運転を開始しており、その後の10月1日のダイヤ改正より朝ラッシュ時の列車増発が図られた。

さらにその後、2012年度には1次増備車を基本とした2次増備車6両編成3本(18両)を新製した。この増備車は2012年7月上旬より営業運転を開始しており、その後の10月15日に行われたダイヤ改正より列車増発が図られた。この結果、2012年9月現在で6両編成23本(138両)が在籍している。

なお、本系列の輸送力増強に伴う増備車は首都圏新都市鉄道が監修した資料(2012年度増備車落成時点)[4]において、2008年度増備車は1次増備車(一次増備車)、2012年度増備車は2次増備車(二次増備車)との記載があり、本項目ではこの呼称(太字の呼称)を用いる。

車体外観
車体は片側4か所の両開き客用扉を有する。車体のサイズは全長20m・幅2950mm級で、その幅は日本の軌間1067mm路線の中では最大級、いわゆる「幅広車体」を採用している。材質はアルミニウム合金で、最新のダブルスキン構造を採用した。表面に酸化被膜を形成する加工を施して腐食を防いでおり、無塗装である。アクセントとして車体側面上部に赤色のテープによるラインを貼り付けている。前面デザインは鋭いラインとV字型のガラスが特徴で、高速感を出したものとなっており、路線内のトンネル区間や地下区間で非常時の避難を目的に貫通扉を持つ。

TX-1000系とはほぼ同じ外観で一見すると見分けが付かないが、本系列は高圧の交流電化区間を走行するため、屋根上の集電装置(パンタグラフ)周囲は絶縁のための碍子が多数設置されている。また、車両番号を表示するプレートの色が、TX-1000系の紺色に対して、本系列では赤色である。

1次増備車からは外観デザイン(形状)に変更はないが、前面フロントガラス下部にスピード感を表すスカーレットのVラインを配置した 。側面は駅停車時に車両と可動式ホーム柵を識別しやすくなるよう車体全長に白色とスカーレットのラインを配置したほか、戸袋部TXマークの上にもスカーレットのラインを追加している。

内装
車内は白色を基調とし、客用ドアも同色の化粧板仕上げである。各ドア下部には滑り止めを兼ねた黄色い点字ブロックが貼り付けられているのに加え、ドアの開閉に合わせてドアチャイムが鳴動するなど視覚障害者にも配慮したものとなっている。また、編成中2両(2号車・5号車)に車椅子スペースを持つ。

座席は全車両住江工業製であり、ロングシートを基本とするが、編成の中央部分の2両(3号車・4号車)はボックスシートとロングシートの混在するセミクロスシート配置とした。クロスシートのうち通路側の座席には肘掛部分に収納式テーブルを装備している。これらの座席はいずれも表面に凹凸をつけることで着席区画を明確化したバケットシート仕様であるほか、座席を壁面だけで支えることによって足元を広く使えるようになっている。なお、混雑緩和を目的として23編成のうち16編成においてボックスシートをロングシートに改造することが首都圏新都市鉄道より発表されており、2017年4月27日の時点で第54編成と第56編成の2編成がロングシート化の改造を終えて運用に就いている。

また、着席区画の明確化と同時に混雑時につかむことができたり、着席・起立時の補助とすることもできたりする握り棒(スタンションポール)が設置されている。つり革は握りやすい三角形タイプで、優先席部分はオレンジ色としてある。

側面の窓は大きな1枚ガラスを用いており、開放的な雰囲気となっている。1990年代以降の新型車両では紫外線カット機能付きのガラスを採用する代わりにカーテンを廃するものも出てきたが、本系列では透明ガラスと巻き上げカーテンを採用した。この窓は開閉不能であるが、空調設備が故障した時の換気用として車両連結面(妻面)に開閉可能な小窓を設置している。

乗客用車内案内表示装置としてLED式の文字スクロールによるものと路線図式のものが設置されている。他事業者では路線図式のものはLED式の文字スクロールによる表示に取って代わったところが多く、新たに採用しているところは少ない。また、自動放送装置を搭載しており、日本語と英語に対応している。

増備車の変更点
1次増備車より
1次増備車から火災対策の強化として天井部の空調装置ルーバの材質をアルミ合金製に変更したほか、床敷物を塩化ビニル材からゴム材に変更した。ドア戸袋部の引き込まれ防止ゴムの材質を硬くし、乗客の荷物等が引き込まれるのを防止できるようにした。座席モケットのクッション材を改良し、より柔らかいものにした。

また、安全対策から7人掛け座席間の枕木方向につり革を増設、女性専用車にもなるつくば方先頭車1号車と優先席部にある一部のつり革(落成時からオレンジ色)のつり高さを50mm低くした。このほか、車内の非常用ドアコックなどの、車内ステッカーの一部を蓄光式ステッカーに変更、乗務員室背後の電磁鎖錠用の通行表示灯(仕切開戸解錠時に通行可を表示)を大型化した。

1次増備車以降は座席やガラスに記載される「優先席」のロゴが異なり、また携帯電話のマナーを記載したステッカーも別のものに変更されている。

2次増備車より
2次増備車では省エネルギー化のため、室内灯を蛍光管式からLED照明に変更し 。LED照明を採用することで蛍光灯よりも消費電力は約23%削減されている。座席については座り心地を改善するために座席構造を根本的に見直している]。ロングシート、クロスシートともに座席フレームの構造を改良することで座席詰め物を厚くさせた他、バケット形状が変更されており、座席座り心地の大幅な改善が図られてい。

冬期の車内環境を改善するため、ロングシート車では約20%(1基あたりの容量は750W→960Wまたは750Wに)、クロスシート車では約10%(1基あたりの容量は400W→750Wまたは450Wに)暖房容量の増加が図られている。同時に取り付け位置を若干下げたことにより、床面付近の足元温度を約3℃向上させ、車内輻射熱の増加が図られている。

視覚障害者への配慮として従来からのドア開閉チャイムに加えてドア開案内チャイムを付加し、駅停車中に5秒間隔でチャイムを鳴動させている。つり革はロングシート一般席部のつり革のつり位置を50mm下げ、床面高さ1,600mmに統一した。また、車内換気量増加のため、各車の車端部優先席部と車椅子スペース部の側窓を200mm開閉できるように改良した。

無線LAN
第60編成は落成時から、他編成は改造により無線LAN機器を搭載。2005年8月24日の開業日から翌2006年(平成18年)7月31日まで列車内無線LAN接続トライアル用に供された。

無線LAN接続商用サービス開始の決定により、2006年7月31日までに全16編成が無線LAN接続対応となり、商用サービスは同年8月24日から開始された。当初はNTTドコモの「Mzone」と「moperaU「公衆無線LAN」コース」のみが提供されていたが、同年11月9日からは東日本電信電話(NTT東日本)の「フレッツ・スポット」も提供が開始された。なお、トライアルユーザーに対しては8月24日から1か月間商用環境の体験キャンペーンなどが実施された。

乗務員室
運転台のマスター・コントローラーはワンハンドル仕様で、力行とブレーキが一体化しており、左手だけで操作する。また、ワンマン運転対応のために客用ドア開閉スイッチを運転台部分に併設する。運転台にはTIS(車両制御情報管理装置)と呼ばれる三菱製のモニタ装置があり、各車両の状態が一目でわかるようになっている。

1次増備車からは運転士用放送操作器のマイクのコードを延長して利便性を向上させたほか、右側面部に携帯無線機の置き台を新設、非常ブレーキ押しボタンの形状が変更されている。また、遮光対策として、フロントガラス上部に遮光フィルムの貼り付けを実施したほか、光線ヨケ(遮光板)を透明品から黒色の不透明品に変更・サイズを大型化した。

走行機器など
主制御機器(走行用モーターの制御装置)には日立製のIGBT素子によるVVVFインバータ(回生ブレーキ対応)を採用しており、主変換装置にPWMコンバータとともに搭載されている。1基のVVVFインバータが制御する主電動機の数を2台に制限することで、制御装置が故障した時も自力走行できることを目標にしている。主電動機(走行用モーター)も日立製のかご形三相誘導電動機で、EFO-K60形を電動車1両に4台搭載する。車軸への動力伝達はTD平行カルダン駆動方式、歯車比は1:6.53で起動加速度3.0km/h、最高速度130km/hに対応している。台車は川崎重工業製のヨーダンパ付きのボルスタレス台車であり、電動車がKW167、付随車がKW168を名乗る。

交直流電車であるため、直流1,500Vと交流50Hz 20,000Vとの両方の電源に対応できるように、屋根上に交直切換器・交流遮断器・直流・交流避雷器などの電源切替に必要な機器類を搭載している。床下には主変圧器を搭載しており、直流区間では、架線からの電源が直接に主変換装置に搭載されているVVVFインバータに送られているが、交流区間では交流電源を主変圧器により降圧させ、主変換装置に搭載されているPWMコンバータで直流に変換された後にVVVFインバータに送られている。また、交直切替は自動切り替え機能を搭載し、TX-1000系と同じく車内の照明や冷暖房の電源用として静止形インバータ (SIV) を搭載。交流区間でSIV装置が使用できるように、補助回路用の交直切替器と主変圧器の2次側にある3次巻線からの交流1,444Vを直流1,250Vに変換する高圧補助整流装置を搭載している。

増備車において機器類に大きな変更点はないが、2次増備車ではそれまでのスクリュー式空気圧縮機(除湿装置一体型・吐出量1,600L/min)からオイルレス式空気圧縮機(除湿装置一体型・吐出量1,600L/min)に変更されている。

保安装置
ATCとATO、TASCを搭載し、運転士のボタン操作一つで加速から停車までを自動で行うようになっている。

更新工事
内装

朝夕ラッシュ時に女性専用車両を設定(2005年9月1日 - )
乗務員室内に無線LAN (NTT, WIPAS) のアンテナを設置(2005年夏 - 2006年夏)
第51 - 第59編成のボックスシート部にテーブルを設置(2006年1月 - 2006年3月)
優先席付近のつり革の色の変更(2007年頃)
運転・走行機器:マスター・コントローラーの取っ手部分の交換(2010年)

首都圏新都市鉄道TX-2000系電車
製造所 日立製作所笠戸事業所
主要諸元
編成 6両(4M2T)
軌間 1,067mm
電気方式 直流1,500V
交流20,000V/50Hz
(架空電車線方式)
最高運転速度 130km/h
起動加速度 3.0km/h/s
減速度(常用) 4.2km/h/s
減速度(非常) 4.4km/h/s
編成定員 916(うち座席318)
編成重量 206.3t
車体長 中間車20,000mm
先頭車20,800mm
車体幅 2,950mm
車体高 4,070mm
台車 川崎重工業KW167(電動車)
川崎重工業KW168(付随車)
ボルスタレス台車、ヨーダンパ付き
主電動機 かご形三相誘導電動機
日立製作所 EFO-K60形
主電動機出力 190kW
駆動方式 TD継手式中実軸平行カルダン駆動
歯車比 98:15 (6.53)
編成出力 3040kW
制御装置 PWMコンバータ+VVVFインバータ制御
(IGBT素子)
日立製作所 CI-HR2420AorB形
制動装置 CS-ATC連動回生ブレーキ併用電気指令式ブレーキ
全電気ブレーキ
保安装置 CS-ATC, ATO
備考 ミュージックホーン搭載

 


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