【レース展望】
第68回大阪杯(GI、芝2000メートル)が31日、阪神競馬場で行われる。GⅠに昇格して8回目。今年はどの馬が栄光を勝ち取るか。
タスティエーラ(美浦・堀宣行厩舎、牡4歳)は年長馬と初対戦だった有馬記念で6着。直線で前がふさがって大きく後退する不利がありながら、よく頑張っている。その後はここに向けて調整。菊花賞(2着)で関西までの長距離輸送もクリア済み。休み明けでも好勝負になりそうだ。
ソールオリエンス(美浦・手塚貴久厩舎、牡4歳)は中山記念で後方から4着に追い上げた。1800メートルは忙しく、追走に苦労していたが、直線の伸び脚は目を引いた。1ハロン延長でレースがしやすくなるはずで、実力的にも巻き返しがあって当然だ。
プラダリア(栗東・池添学厩舎、牡5歳)は京都記念で1着。ベラジオオペラとの競り合いを制し、年長馬の意地をみせた。スピードの持続力が持ち味だけに、小回りがどうかという感じではあるが、阪神内回りでは昨年の京都記念で3着。こなせる実績はある。
京都記念でプラダリアに後れを取ったベラジオオペラ(栗東・上村洋行厩舎、牡4歳)だが、3着以下は完封といってよく、内容は悪くない。昨年の日本ダービーではタスティエーラ、ソールオリエンスと差のない4着。ここでも能力はひけをとらない。★1着
ジオグリフ(栗東・木村哲也厩舎、牡5歳)は中山記念で3着。不振が続いていたが、復調を感じさせる走りをみせた。一昨年の皐月賞でイクイノックス、ドウデゥースを下して優勝した馬。前走をきっかけに、さらにいい走りが期待される。
ハーパー(栗東・友道康夫厩舎、牝4歳)は有馬記念で9着。最後は息切れしたが、強豪を相手に好位追走の真っ向勝負で見せ場たっぷりのレースを披露した。展開などがかみあえば、大仕事の可能性はある。
ミッキーゴージャス(栗東・安田翔伍厩舎、牝4歳)は2、3勝クラスに続き愛知杯もV。3連勝で重賞ウイナーの仲間入りを果たした。オークス馬ミッキークイーンを母にもつ良血が花開いた印象で、一線級を相手にどこまでやれるか。
エピファニー* 牡5杉原
カテドラル 牡8藤康
キラーアビリティ 牡5北村友
ジオグリフ 牡5北村宏
スタニングローズ 牝5西村
ステラヴェローチェ 牡6酒井
ソールオリエンス 牡4横山武
タスティエーラ 牡4松山
ハヤヤッコ 牡8幸
ハーパー 牝4岩田望
バビット 牡7
ファルコンビーク 牡7
プラダリア 牡5池添
ベラジオオペラ 牡4横山和 1着
ミッキーゴージャス 牝4でむ
モリアーナ 牝4武藤
リカンカブール 牡5津村
ルージュエヴァイユ 牝5菅原明 3着
ローシャムパーク 牡5戸崎 2着
ロードデルレイ* 牡4
【大阪杯2024】先取り! 重賞出走馬最速診断
ジオグリフ
前走の中山記念は3戦ぶりに芝を走り3着。1000m通過58秒6と稍重にしては速い流れを内枠から好位につけ粘った。一昨年の皐月賞馬であり、前年の札幌2歳Sでも、コーナリングで抜群の加速力を見せている。スパッと切れる脚はなく、上がりのかかる小回りに向く。阪神芝2000mはこの馬にとって好条件だろう。
スタニングローズ
一昨年の秋華賞馬。当時は阪神開催だったため、今回と同じ舞台でG1馬となった。ひとつ前の紫苑Sも制しており、安定した先行力を活かせる直線の短い内回りは合う。直近3戦は着外も、エリザベス女王杯14着は道悪と展開不利、中山記念5着は休み明けと距離短縮、ヴィクトリアマイル12着は距離不足と、一応見直しは利く。
ソールオリエンス
昨年の皐月賞馬。重馬場で1000m通過58秒5と速い流れ。最内枠から馬群最後尾で脚を溜め、直線は大外から豪快に差し切った。スローのダービーは2着で、瞬発力勝負よりタフな流れが合う。前走の中山記念は1番人気4着も、前々をロスなく運んだ上位3頭に対し、後方から外を回している。能力は高いが、コーナリングは上手ではない。
タスティエーラ
昨年のダービー馬。1000m通過60秒4と緩い流れにも関わらず、逃げ馬が番手以下を離す前有利の展開のなか4番手と理想の位置を確保。直線もしっかり脚を伸ばした。その前の皐月賞2着が、先行勢壊滅のペースを前々で残す強い競馬。本質的には上がりのかかる競馬向き。前走の有馬記念6着は直線で挟まれる不利があった。
ハーパー
昨年のクイーンC勝ち馬。緩みない流れを中団につけ、4角をロスなく運び押し切った。牝馬三冠は桜花賞4着、オークス2着、秋華賞3着。古馬初対決のエリザベス女王杯も3着と、折り合いに難がなく、しぶとさもあり堅実に駆ける。ただ、前走の有馬記念9着は力負けで、距離もさらにあったほうがいい。
プラダリア
一昨年の青葉賞、昨年の京都大賞典、そして今年の京都記念と重賞を3勝。G2[3-0-2-2]に対し、G1だと[0-0-0-4]も、ダービー5着、昨年の宝塚記念6着と善戦はしている。上がりのかかる競馬とタフな馬場で真価を発揮するタイプ。多少距離が短い気もするが、抜けた馬のいない今年なら出番があっても。
ベラジオオペラ★1着
昨年のスプリングS勝ち馬。緩みない流れを中団に構え、4角ではかなり外を回しながら差し切った。ダービー(4着)は、スローの前々決着を後方から追い込み、形だけなら最も強い競馬。下半期は古馬初対決、かつ今回と同じ舞台のチャンレンジCを制した。前走の京都記念は2着に敗れているが、外回りのほうが合う気もする。
ミッキーゴージャス
今年の愛知杯勝ち馬。2勝クラスから3連勝での戴冠だった。開幕初日の施行とはいえ、1000m通過57秒4の緩みない流れを後方待機策の形。早めに進出を開始すると、4角2番手からねじ伏せる強い競馬で重賞初制覇を飾った。勝ち時計は1分57秒9と高速決着にも対応できた。阪神内回りは問題ないが、相手強化に加え、斤量増でどこまでやれるか。
モリアーナ
昨年の紫苑S勝ち馬。2番枠から前半はほぼ最後方に控え、直線は間を割って一気の伸び脚。1000m通過58秒1の緩みない流れではあったが、ラスト2ハロンは加速ラップを記録。その後、秋華賞は展開不向きでも5着、古馬初対決のAJCCは展開が向いて4着。位置を取れず、使える脚が短いため、展開の助けがほしい。距離短縮はプラス。
ローシャムパーク ★2着
昨年は函館記念、オールカマーを連勝。前者は稍重、1000m通過60秒0の緩みない流れ。道中は終始中団馬群の外、4角でも外を回りながら差し切った。後者は良馬場、1000m通過61秒1の緩い流れ。外枠から好位外で折り合いがつき、直線はタイトルホルダーを交わした。香港Cは案外だったが、万全なら期待感はある。
ロードデルレイ
キャリア6戦は5勝4着1回。着外の1度は重賞の神戸新聞杯。前残り決着を好位につけていたが、距離延長のためか行きたがっており、2400mはやや長いか。3勝クラス、白富士Sは東京芝2000m、スローからの瞬発力勝負を上がり最速で制している。底を見せていない頼もしさはあるが、内回りを走るのは今回が初めて。
ナイス (0)