リカ

『リカ』　五十嵐貴久著


メチャメチャ怖いですよこの本。
タイトル通り、リカっていうコワーイ女の話。

真面目な中年サラリーマンが、軽い気持ちで始めた出会い系サイトでリカという女と出逢う。最初は大人しかったリカだが、やがて強烈なストーキング行為を始め恐怖に怯えることになる。そのほとんどがメールでの恐怖。
やさしい口調のメール文字が何度も受信されることが一番怖いかも。
この時代にこれからメールが発展してメール殺人などが起こる可能性を予測しているようにも思える。

出会い系サイトが世に出始めた時代設定なので、今読むと少し違和感があるが、個人情報保護法など存在しなかった時代を懐かしくも思えるし、痛い目にあったサラリーマンが結構いたんだなと痛感してしまう。

ただ途中からリカが「口裂け女」のような都市伝説的女性に変化してゆくような気がして逆に恐怖が縮小した所も少なくない。銃で何発も撃たれても死なないのは絶対ありえないからね。

気になったのは、どういう理由でリカが病院を辞めさせられ、いったい彼女の過去に何が起こったのかは、描かれていないから残念。


最近続編が出ているらしいからそっちに答えがあるかも。
近い内必ず読んでみよう。