季節の風景

各地の季節の風景や行事を写真に撮りブログにしていこうと思います。

南紀に春を呼び込む新宮市神倉神社お燈祭 2016年2月6日 その1

2016-02-09 11:05:27 | 早春の風景
和歌山県新宮市の神倉神社のお燈祭は「熊野の火祭り」として知られ、南紀に春を
呼び込む風物詩として 有名だ。その火祭りを見に行った。
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神倉神社は新宮市を見下ろす場所にあるので 市内からも良く見える。
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大きな岩「ご神体のゴトビキ岩」とその下の朱塗りのお社が見える。
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市内を歩くと祭りの支度一色だ。「上り子」(のぼりこ)と呼ばれる山の上の神社へ上り
松明に火をつけて下る人の衣装を着た人が市内中をうろうろしている。
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上り子の数は3000人といわれる。町のあちこちで なにやら衣装のチェックが始められている。
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こういう小さな男の子まで参加する。お燈祭は女人禁制の祭りだ。
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白装束に藁縄を巻いて行くが 後の結び方が難しいそうだ。
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この祭りの写真を神社境内で移そうと思うと、まず熊野速玉大社 で手続きがある。
速玉大社 は「熊野三山」霊場の一つで もちろん物部家の始祖秦国人徐福を祀っている。

徐福の孫の高倉下(たかくらじ)は出雲王家の大屋姫が 徐福の長男五十猛(後の香語山)との間に
お生みになられた皇子であるが その高倉下も祀られている。
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お燈祭の写真撮影を 神倉神社境内に入り 行うにはここで千円を支払い許可証を頂く。
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次に阿須岐神社へ参拝する。
お燈祭参加者の「上り子」と呼ばれる人たちは速玉大社 とこの阿須岐神社にお参りするのだそうだ。
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ちょうど 上り子の一人が参拝されていた。
この方は一人でお見えなので 恐らく飛び入りの観光客の方と思われる。
地元の方は大勢でがやがやとおしゃべりしながらやってくるのですぐ分かる。
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ついで 神倉神社へお参りを兼ねて下見に行く。
この鳥居と石段が 観光写真に登場するステージだ。
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神倉神社は古代この地に移住して来た出雲族が始めたといわれている。
主祭神 は出雲王家の血を引く高倉下であり、この神社のご神体の「ゴトビキ岩」の本家も
奥出雲頓原町の山中にある「琴引き岩」と「琴引き神社」である。

鳥居を潜るとすぐ右手には 古代出雲王国国教の「幸の神三神」のひとりサルタ彦が祀られていた。

この写真は山の中腹にある「中地蔵」と呼ばれる広場で 丁度石段の中間地点だ。

※ 詳しくは別のブログ「古代出雲王朝ゆかりの地を尋ねて」に載せます。
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山頂直下のカメラマンエリヤだ。左側が報道関係者用で右奥の藪の中が千円払った一般人のスペースだ。
千円払ってこれです。
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石段を600段近く登った山頂の大きなご神体「ゴトビキ岩」とそのお社だ。
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山頂広場からは 新宮市内と熊野灘が見渡せて気持が良い広場だ。
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ご神体のゴトビキ岩である。
何故ゴトビキ岩 つまり琴引き岩といわれるのか 近くで見るとすぐに分かった。
本家の琴引き岩と同じ女神の宿る岩「女神岩」なのだ。

※ 詳しくは別のブログ「古代出雲王朝ゆかりの地を尋ねて」に載せます。
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下見を終えて一旦山を降りる。
鳥居の外には既に沢山のカメラマンが場所取りをしている。
実際に松明が降りてくるのはまだ5時間以上先なのだが。
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一旦引き上げて早めの夕食を済ませて 再び午後6時に戻って来た。
沢山の上り子達が山頂へ向っている。
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境内へ入ろうとすると 神社の法被を着た警備の人が もう遅いから入れませんよ。
石段は上り子でいっぱいだから。と中へ入れてくれない。

そのおじさんに粘りに粘って「せっかく大阪から来たのだから」と無理やり頼み込んで入れてもらった。
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中へ入ると 石段は上り子達で大渋滞。なかなか上へは進めない。
あのおじさんが「もう遅い」といった意味が良く分かった。
それ以上上へ登るのを断念して中地蔵広場を見下ろす斜面に上がり祭りを待つことにした。
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お燈祭 その2へ続く
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南紀に春を呼び込む新宮市神倉神社お燈祭 2016年2月6日 その2

2016-02-09 11:05:09 | 早春の風景
神倉神社お燈祭 その2
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中地蔵広場で見ていると 上り子たちが次々と石段を登ってくる。
しかし広場から上へ行く石段は既に渋滞している。
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たちまち広場は上り子でいっぱいになる。
みなさんお酒が入っているので時々あちこちで小競り合いが起こるが周りの人たちが止めに入る。
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上り子達は黙々と石段というか乱雑に自然石を積み上げた山道を登っていく。
時々ライトで足元を照らす人が居るが、そうしないと非常に危険だ。
真っ暗な山道を歩く危険さは 今までに何度も経験していて転倒すれば大事故だ。

ときおり あちこちで「わっしょい、わっしょい」と掛け声が上がる。
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真っ暗な山道を約三千人が1時間以上かけて登ると暫く静寂になる。
やがて7時半を過ぎたころ 山頂付近で「ウォー」と歓声が上がる。火がともされたのだろう。

介錯と呼ばれる人たちが 山頂から大松明に火を点してゆっくりと降りてくる。
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広場に居た人たちが その大松明の火を大きく燃え上がらせた。
ここでも「ウォー」と歓声が上がる。
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その場に居た沢山の人たちが次々に自分たちの松明に火を移す。
この人たちは大勢の上り子たちとは別の役目なのだ。
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自分の松明に火をつけた人から次々に山頂目指して駆け上がる。
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見ていると松明が燃え過ぎるので 時々松明を石段に叩き付けながら駆け上がっている。
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広場に居た人たちが全員上へ駆け上がると 石段は元の暗闇にもどり、静寂が戻る。
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10分くらい静寂が続いた後 山頂付近で大きな歓声が上がり、
松明に火をつけた上り子の先頭集団が石段を駆け下りてくる。
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続いて降りてくる上り子たちは 大半の松明の火が消えているので足元が見えにくい。
ゆっくりと足元を確認しながら降りてくる。
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次第に降りてくる人たちの松明は火が消えてくる。
山頂で降りる順番を待っている間に消えてしまうのだろう。足元が見えにくいのでみんなゆっくりだ。
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しばらくすると ほとんどの松明は消えているので 山道は真っ暗に近い。
非常に危険な状態になってきた。カメラのフラッシュをたくと 目くらましになり、危険なので 境内は
フラッシュ厳禁だと何度も念を押されたのだ。

※画像の解像度を上げていますので人の姿が分かりますが実際はほとんど真っ暗闇です。
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広場を中心に石段は大渋滞しだした。
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ほとんどの人の松明は火が消えているので 広場にたかれた火で 松明に火をつけなおしてから下山するのだ。
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しかしせっかく火をつけても 広場から下への石段も大渋滞しているので なかなか下山できないのだ。
三千人近くの人がすべて 安全に降りるのは大変な事だ。
白装束が泥んこの人も沢山居る。途中で転んだのだ。大怪我にならなくて良かった。
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アマチュアカメラマンは 上り子が全員下山した後で最後に降りてください。
と何回も年を押されたのでひたすら皆さんが降りるのをじっと待つ。
足元からしんしんと冷気が上がってくる。

やがて上り子衣装の人たちに混じり、普段着の人が降りてきた。アマチュアカメラマンたちだ。
私もその中に混じり ようやく降りることが出来た。
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神社境内入口付近では 沢山の女の人たちが 自分の家族が降りてくるのを待っていた。
この祭りは女人禁制なので女性は中へ入れないのだ。
暫く見ていたが 松明に火をつけて歩いて降りてくる人はほとんど居なかった。
ほとんどの上り子の松明の火は消えている。
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神倉神社社務所の玄関に飾ってあるお燈祭のついたての写真です。
こんな写真は カメラのシャッターを開放して長時間露光しないと撮れません。
しかも鳥居が見渡せるこんな場所は 神社の人か報道関係者しか撮れないなあ。
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神倉神社と古代出雲王朝、出雲族の神信仰との関係は「古代出雲王朝ゆかりの地を尋ねて」
に載せています。
ここから入れます。http://blog.goo.ne.jp/yochanh1947-kodaiizumo
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