~菜の花畑に入日薄れ 見渡す山の端 かすみ深し~
高野辰之作詞の「おぼろ月夜」の一節です。
昔学校で習った記憶が思い出され、思わず童心に舞い戻った人もいれば、
反対に「何それ?」と疑問符が湧いた人も多いかと思います。
ちなみに、筆者は郷愁の念が増しました。
「かすみ」とは「霞」のことですが、
「ものがはっきり見えない」様を表します。
くっきりはっきりしている事が日々求められるビジネスの世界。
なんでもかんでも日の当たる場所に示そうとする世界。
それとは対象的な、
うすぼんやりとした様が見て取れる自然界。
春は特に日差しもそこまで明瞭ではなく、早朝はまだ霧がかる事もあり、
淡い世界の中を生きている感じがする季節でもあります。
春の心地よい朝日に包まれながら、まどろむ曖昧な夢の世界も堪らないものがあります。
今でこそ、自分が知りたい情報も容易に収集でき、くっきりはっきりできる時代になりましたが、
かつて人は、曖昧な事象であるからこそ、かえって、
それをあるがまま楽しんでいたという事もあったと思います。
曖昧なことにこそ、心惹かれる。
そして曖昧なことが心のサプリとなる。
そんな事実も大切ではないでしょうか。
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