市民相談でお聞きすることの一つに、高齢者が住み慣れた地域で生活をするために住宅(借家)を探し賃借したいのに、ハードルが高いため難しいという内容が度々あります。例えば、不動産を探すこと自体に不慣れ、バリアフリー・交通・買い物などもみて適した住まいなのか判断が難しい、保証人を求められるがいない、家主さん側の高齢者に対する不安から断られるケースがある...などです。
不安なく衣・食・住があって、地域で生き生きと暮らしていくことができます。私は、高齢者が安心して住まいが確保できるように市議会で訴えてきました。
今朝、朝刊各紙に目を通していると、京都新聞一面に「
住まい探す高齢者支援 京都市 入居拒まぬ住宅登録へ」との記事を発見、京都市が高齢者の住まい確保支援に本格的に取り組むという内容に心の中で「ヨシ!」と喝采しました。議会質問が結実に相談者のお顔を思い浮かべ本当に嬉しく感じました。
以下、京都新聞の記事、また背景がわかるように私の市議会代表質問の議事を掲載します。
【京都新聞9月14日一面】
住まい探す高齢者支援 京都市、入居拒まぬ住宅登録へ
家賃滞納や孤独死への懸念から高齢者が借家への入居を制限されるケースがあるため、京都市は高齢者の入居を拒まない市内の不動産業者や賃貸住宅の登録制度を年内に設ける。高齢者の身体状況に応じた入居相談会や賃貸住宅の家主向けに国の補助制度を活用したバリアフリー改修などを促すセミナーも開き、高齢者の住まい確保を支援していく。
2010年度に京都府などが府内の宅地建物取引業者約3490社を対象に実施したアンケートで、半数の業者が賃貸住宅の家主から高齢者の入居を断るように求められたことがあると回答した。理由は「病気や事故」と「火の始末や水漏れ」への心配がそれぞれ89%、68%を占め、「保証人の不在」も35%あった。
登録制度は、高齢者でも入居可能な賃貸住宅を仲介している不動産業者や賃貸物件を市がリストアップし、12月中をめどに専用のホームページ上で公開する。入居希望の高齢者向け相談会では、要介護度など身体状況や経済事情に合わせた賃貸物件の情報を提供するほか、既存の家賃債務保証制度を紹介して入居を支援する。不動産業者や家主向けには、国が新設した耐震改修やバリアフリー化工事に対する補助制度を紹介し、高齢者を受け入れやすい環境の整備も促す。
登録制度や相談会は市と不動産関連団体や福祉団体でつくる「市居住支援協議会」が実施する。市住宅政策課は「高齢化が進む中、高齢者と家主双方の不安を解消する仕組みにしたい」としている。<o:p></o:p>
【平成24年2月定例会 代表質問より抜粋】
◆(平山よしかず議員)
次に,高齢者が安心して住宅を確保できる取組について伺います。高齢化が急速に進む中で,高齢の単身者や夫婦のみの世帯が増加をしています。このため,国によって高齢者の居住の安定を確保することを目的として,バリアフリー構造等を有し介護,医療との連携支援サービスを提供するサービス付き高齢者向け住宅の登録制度が昨年10月に創設されました。京都市においては,昨年12月に第1号の登録住宅が誕生し,今後民間によるサービス付き高齢者向け住宅の提供は拡大していく見通しであるとお聞きをしています。
一方で高齢者が円滑に賃貸住宅に入居できるようにと,従来から高齢者円滑入居賃貸住宅及び高齢者専用入居賃貸住宅の制度,いわゆる高円賃,高専賃の住宅提供制度が京都府の登録制度としてありました。高円賃,高専賃の住宅は,直近では市内に80団地1,728戸が登録をされていましたが,制度としては先に述べたサービス付き高齢者向け住宅制度へ新たに移行したことになりますが,高円賃,高専賃の住宅そのものが消えてなくなったわけではなく,その情報を引き続き高齢者へ提供していくことを行政の務めとして継続すべきであると考えます。
近年地元西京区において,適当な賃貸住宅が見つからないとのお声をお聞きすることが増えました。西京区をはじめ市郊外では,老朽化などの理由によって低家賃で高齢者を受け入れてくれる住宅が減少をしてきているのではないでしょうか。こういった現状を踏まえ,新制度であるサービス付き高齢者向け住宅のみならず従来の高円賃,高専賃を含めて,広く高齢者が円滑に入居できる住宅を対象として情報提供などのサポートを行っていくべきだと考えます。
これら高齢者が円滑に入居できるための住宅施策について,本市の今後の取組をお聞かせください。また住宅でお困りの高齢者に対し,情報提供や総合的な相談を行う窓口を本市として設置すべきだと考えますが,いかがですか。お答えください。<o:p></o:p>
◎副市長(由木文彦)<o:p></o:p>
高齢者に対する住宅政策についてお答え申し上げます。本市では,高齢化の進展に伴い高齢者のみで構成される世帯の増加が著しく,高齢者が安心して暮らせる住まいの確保は極めて重要な課題であります。議員御指摘のとおり,昨年10月高齢者の居住の安定確保に関する法律の改正により,サービス付き高齢者向け住宅の登録制度が創設されました。本市におきましても既に5件160戸の登録を行っており,引き続き市民の皆様や事業者の皆様への周知,普及に努めてまいります。
一方,従前の法律に基づき,高齢者の入居を拒まない住宅の供給を促します高齢者円滑入居賃貸住宅制度,高齢者専用の高専賃を含みますいわゆる高円賃の制度でございますが,この制度につきましては議員からも御紹介をいただきましたとおり,京都市域で80件1,728戸の登録の実績がございます。サービスの提供までは必要としないそういう高齢者の方々に住宅を供給いたしますうえで,なお意義を有するものと考えております。
このため本市におきましてはこの制度を引き継ぎ,京都市版の高齢者向け住宅の登録制度を発足させ,住宅を必要とする高齢者の方々に情報発信をしてまいりたいと考えております。また,高齢者の方々が各々のニーズに応じた住まいを容易に選択できますよう,不動産業界団体等の協力も得て,高齢者向けの住宅情報の一元的な提供や総合的な相談を行うための窓口の設置について具体的な検討を深め,実施してまいります。以上でございます。