高尾山麓日誌

東京、高尾山麓付近に暮らす日常から、高尾山の状況や、高尾山・八王子周辺地域で気付いたこと、周辺鉄道情報などを掲載

Photoshopを使った黄変・退色フィルム補正の実例(3)

2017-10-14 00:05:27 | カメラ
 こちらの画像は、空がかなり赤紫になっています。RGB各チャンネルを見たところ、Bチャンネルの激しい周辺退色は見当たりませんでした。そこでこの赤紫の部分を改善するために、空の部分のみに適用するRチャンネルを反転したレイヤーマスクを作成しました。その次にこのマスクを適用して色相をマイナス方向に15ほど下げ、さらに彩度も下げて目立たないようにしました。

 なお、Rチャンネル反転マスクは、単純にRチャンネルを反転したのではなく、それだけではマスクが効き過ぎなので、レベル補正で全般的に白っぽくして、より補正効果が効きやすいように手を入れています。




 最後にRGB統合チャンネルに対し、弱いS字カーブのトーンカーブ曲線修正を掛けて、若干コントラストを上げてみました。

 なお、反転Rチャンネルマスクを通して色相・彩度を調整するということは、Rチャンネルにおいてレッドの値が高い(0に近い)ピクセルほど補正幅が大きく、シアンの価が高い(255に近い)ピクセルほど補正幅が小さい、ということを意味します (レッドとシアンの中間のニュートラルの場合のRチャンネルの値は127)。色相の値を下げたということは、赤っぽいピクセルをシアンの方向に変化させたということですので、赤っぽいピクセルほど、シアン側かつ彩度の低い方向で補正したということになります。

▼目次
「黄変したネガフィルムスキャン画像をPhotoshopを使って修正する」
(1)
http://blog.goo.ne.jp/yasuo_ssi/e/01fd817e2d0eeaca52a2fdf6e7ac43c6
(2)
http://blog.goo.ne.jp/yasuo_ssi/e/5c335015f3aaa1dba0b11b68e23bc37c
(3)
http://blog.goo.ne.jp/yasuo_ssi/e/7eb3ade773bf9fa853aae3cabe78ed89
(4)
http://blog.goo.ne.jp/yasuo_ssi/e/595b996085188af62b61d36f32ffbf7f
(5)
http://blog.goo.ne.jp/yasuo_ssi/e/9455b06232b4345c5ae241b93da61946
(6)
http://blog.goo.ne.jp/yasuo_ssi/e/7a78b75bd7c6573696beafe9a1a5e4fa
(7)
http://blog.goo.ne.jp/yasuo_ssi/e/484e49d09744a96456e94bdeae470845
(8)
http://blog.goo.ne.jp/yasuo_ssi/e/abef48879db7dce35dfd7dbf272456e7

Photoshopを使った黄変・退色写真補正テクニック - 追加
http://blog.goo.ne.jp/yasuo_ssi/e/ef04ce814b541a51232f1eac14e8999d


黄変・褪色フィルム補正の実例
(1)
http://blog.goo.ne.jp/yasuo_ssi/e/5023fba39d042f036c0ffdc59a5e08b5
(2)
http://blog.goo.ne.jp/yasuo_ssi/e/42e0c21e67b82108dcec221e91d930a8
(3)
http://blog.goo.ne.jp/yasuo_ssi/e/08f729dff54952fa07cb2e7a34f87eb4
(4)
http://blog.goo.ne.jp/yasuo_ssi/e/f31fcb5a8cc8950854a7c8735ff2f727


Photoshopを使った黄変・退色フィルム補正の実例(2)

2017-10-11 07:04:43 | カメラ
 こちらの画像はちょっと補正に手間取ったケースなので、補正過程をいちいち写真でお見せすることはしません。



 まずオリジナル写真を見ますと屋根から空にかけて黄変が見られます。その下も黄変はあることはあるのですが見た目上はそんなに目立ちません。それと右端がひどく色抜けしています。

 補正方針ですが、右端の色抜けはBチャンネルの右端ブルー抜けが主原因ですので、Bチャンネル自体の補修で対処、また黄変の補正ですがホームの屋根以上で行い、ホームの屋根の下以下は、さほどひどくはないので、基本的には黄変の対処は行わないこととします。また一カ所ゴミのため白抜けになっているところがありますので、これはスポット修復ブラシツールを使います。

手順は次のように行いました。

1) スポット修復ブラシツールによる白抜きスポットの補正
2) Bチャンネルのデータ抜けしている右端をGチャンネルの右端から借用して、Bチャンネル画像を修復



3) 屋根、空以外をマスクしたBチャンネルマスクを作成し、これを元にBトーンカーブで黄変を補正

4) 空はまだ補正が足りないので、今度は空以外をマスクした(今回は屋根もマスク)Bチャンネルマスクを作成し、Bトーンカーブを使って黄色を補正

5) 今度は空に紫っぽい部分やシアンっぽい部分ができてしまったので、空以外をマスクした(屋根もマスク)Bチャンネル反転マスクを作成し、R, G, Bそれぞれのトーンカーブを調整して空の色を補正

6) これだけではやはり赤紫の部分などが解消できないので、色域指定を使ったマスクを、色域を変えて3点ほど作成し、細かくカラーバランスを調整して補正を積み重ねる。

7) 最後にRawTherapeeを使って全体の色調を調整して一旦終了



 結果を見ると、Bチャンネルの再編集は、右端の色抜けに対し非常に効果的なことがわかります。たぶんこの部分は、いくら色調補正を、どんな方法を使ってやっても再現することは困難だったと思います。Bチャンネル画像の編集以外に修復は不可能だったでしょう。一方、屋根やホーム上で若干黄ばみが残っていますが、まぁ許容の範囲か、というところです。

 ただ、改めて考えてみると、ホームや屋根の部分は、Bチャンネル自体を編集していじっても良かったかもしれません。屋根も点字ブロックを除くホームもいずれも灰色です。従ってRGB全チャンネルともほぼ同じ画像パターンのはずです。従ってこの部分を他チャンネルから流用して、Bチャンネルを編集しなおした方がすっきりしたかもしれません。

 そこで、Bチャンネルの向かい側ホーム屋根・上屋部分および点字ブロックを除く手前ホーム部分をRチャンネルから流用してBチャンネルを再編集してみました。その結果が下です。


 これは、我ながらすごい! 以前の補正でBチャンネルマスクをかけて補正しても、他の部分まで色がおかしくなって補正しきれなかった黄変感がきれいに取れています。退色による不均質感が完全に取れたわけではありませんが、我慢できる程度にはなっています。完璧に補正できているわけではありませんが、多分修復可能性の90%程度には到達していると思います。
 おそらく、フィルムの黄変・退色対策としてBチャンネルの再編というテクニックに言及しているネット上のサイトは他にないと思いますし、書籍等の情報もないのではないでしょうか?自画自賛で恐縮ですが、我ながらなかなかのナイスアイディアだと思います。

 なお、直接Bチャンネル上でBチャンネル画像を編集するのは危険なので、Bチャンネル画像を別ファイルにコピーし、その上で編集し、編集が終わったものをオリジナル画像のBチャンネル上に貼り付けて戻しました。

 もちろん、このテクニックはどこでも使えるわけではありません。元々色チャンネルごとの各ピクセルの値の分布の仕方が大きく異なる場合 (例えば鮮明なカラーが使われているような場合) は他チャンネルから画像を流用すると大きく色が変わってしまいます。どの色チャンネルも同じような分布をしている (つまり同じような画像になっている) 部分のみ、使えるテクニックです。ただチャネルごとに画像パターンが大きく変わっている部分は、もちろん映っているものにもよりますが、それほど多くありません。もし、このテクニックが適用可能であれば、従来、変退色が酷くてグレースケール化するしかない、と判断されていたフィルムをかなり救済できると思います。

 なお、ネガフィルム退色で最も損傷しやすいのはBチャンネル、次がGチャンネル、最も退色しにくいのがRチャンネルのようです。また、ネガフィルムのほうがポジフィルムよりも、オレンジベースのせいか、より早く退色しやすい印象です。また、当然ですが、全チャンネルとも退色が酷い場合は、どうにもなりません。

 ぜひこの記事を参考していただき、皆さんも黄変・退色補正にチャレンジしてみてください。

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▼こちらもご覧下さい

「黄変したネガフィルムスキャン画像をPhotoshopを使って修正する」
(1)
http://blog.goo.ne.jp/yasuo_ssi/e/01fd817e2d0eeaca52a2fdf6e7ac43c6
(2)
http://blog.goo.ne.jp/yasuo_ssi/e/5c335015f3aaa1dba0b11b68e23bc37c
(3)
http://blog.goo.ne.jp/yasuo_ssi/e/7eb3ade773bf9fa853aae3cabe78ed89
(4)
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(5)
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(6)
http://blog.goo.ne.jp/yasuo_ssi/e/7a78b75bd7c6573696beafe9a1a5e4fa
(7)
http://blog.goo.ne.jp/yasuo_ssi/e/484e49d09744a96456e94bdeae470845
(8)
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Photoshopを使った黄変・退色写真補正テクニック - 追加
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黄変・褪色フィルム補正の実例
(1)
http://blog.goo.ne.jp/yasuo_ssi/e/5023fba39d042f036c0ffdc59a5e08b5
(2)
http://blog.goo.ne.jp/yasuo_ssi/e/42e0c21e67b82108dcec221e91d930a8
(3)
http://blog.goo.ne.jp/yasuo_ssi/e/08f729dff54952fa07cb2e7a34f87eb4
(4)
http://blog.goo.ne.jp/yasuo_ssi/e/f31fcb5a8cc8950854a7c8735ff2f727


Photoshopを使った黄変・退色フィルム補正の実例

2017-10-09 00:14:19 | カメラ
 ではここで、実際の修正過程の画像をご覧いただきます。写真は富士急のモハ7032(元国鉄クモハ14009)です。



1. はオリジナルのスキャン画像です。全体的に強くイェローかぶりが見られます。

2. あまりにもイェローかぶりがひどいので、一旦全体に自動カラー補正を掛けました。まだ全体的に黄色かぶりが見られるのと、同じ空でも不均等に黄色かぶりがあるのが分かります。通常はここでは全体補正は掛けません。

3. ブルーチャンネルマスクを作成し、ブルーのトーンカーブを使って、再度黄ばみを取ります。色チャンネル情報を元にマスクを作成しカラー補正を掛けるということは、ある色チャンネルにおける、色コントラストを下げる (または上げる) 効果がありますので、不均等な黄変に対する効果が大なのです。ブルーチャンネルの情報を反転せずにマスクとして利用し、ブルー方向にカラー分布を補正することは、ブルーチャンネル全般をブルー方向に動かすことと同時に、ブルーチャンネルのカラーコントラストを下げる働きがあるのです。
 参考までに記せば、当然ブルーチャンネルマスクを使ってイェロー方向に補正を掛ければ逆にイェロー方向にカラーコントラストを上げることになりますし、反転ブルーチャンネルマスクを使ってブルー方向に補正を掛ければ、ブルー方向にコントラストを上げることになります。

 この時点では、車体を含む中景はまずまずですが、手前はやや赤っぽく、おそらく本来はニュートラルな灰色に近かったと思われますが、イェローもしくはグリーン要素が足りない印象です。また遠景(空)の黄ばみはまだ目立つとともに不均等さも目立ちます。

4. 前にも書きましたが、遠景では極力イェロー成分を消すとともに、中景では多少消し、近景では、イェロー成分は下げないか、若干下げる程度が良いので、中・近景をマスクしたブルーチャンネルマスクを編集して作成し、遠景のみにブルーチャンネルマスクを通して、主にブルーのトーンカーブをいじって黄ばみを取ります。これでほぼ不均等な空の黄変が取れました。
 ほのかに黄色みが残っているような気もしますが、あまり脱色しすぎると色に深みがなくなります。「アルデンテ」が肝要です。

5. 手前のホームのホワイトバランスが気になりますので、近景のホームのみに適用するレイヤーマスクを作成し、トーンカーブをいじって近景のホワイトバランスを改善しました。

6. また左端上半分がやや赤紫がかっていますので、そこだけ適用するレイヤーマスクを作成し、カラーバランスをいじって紫みの除去を図ります。

7. 最後に画像全体のコントラストを上げるために、RGB統合トーンカーブを弱いS字型にいじって、補正を掛けて完成です。

 この修正過程で一番時間がかかるのはやはりレイヤーマスクを編集するところでしょう。次に時間がかかるのは、補正方針を試行錯誤するところでしょうか。でも大体1時間程度で全体の作業は完了します。細かいところが気になり出すといくらでも時間はかかってしまいますが...

 またこの事例では色域指定は一切使っていませんが、色域指定を使ったレイヤーマスクは、まずブルーチャンネルマスクを使った補正を何度か実行し、それでも取り切れない、あるいは色と色の境界の遷移が不自然という場合に、その部分に集中的に使うのがよく、最初から広く色域指定を使ったマスクを使って補正をしない方が良いと思います。

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黄変補正の基本方針

1. レイヤーマスク適用の基本方針
 まず、ブルーチャンネル(+部分塗りつぶし)マスクを使った補正を基本とし、どうしてもブルーチャンネルマスクを使った補正で補正しきれない場合のみ、部分的に色域指定マスクを使用する。全体に適用する補正はなるべく最後に行う。

※今回の事例では、全体的な色かぶりがひどいので最初に全体に自動カラー補正を掛けましたが、これはあくまで例外です。

2. イェロー成分除去量の基本方針
 遠景→中景→近景の順に、イェロー成分除去量を大→小へと減らしていく。これらを制御するために部分的に塗りつぶしたレイヤーマスクを利用する。

3. カラーチャンネル自体の編集の基本方針
 カラーチャンネル自体に手を入れる場合は、最も最初に行う。

※今回の事例では、カラーチャンネル自体に手を入れることは行っていません。

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▼こちらもご覧下さい

「黄変したネガフィルムスキャン画像をPhotoshopを使って修正する」
(1)
http://blog.goo.ne.jp/yasuo_ssi/e/01fd817e2d0eeaca52a2fdf6e7ac43c6
(2)
http://blog.goo.ne.jp/yasuo_ssi/e/5c335015f3aaa1dba0b11b68e23bc37c
(3)
http://blog.goo.ne.jp/yasuo_ssi/e/7eb3ade773bf9fa853aae3cabe78ed89
(4)
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(5)
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(6)
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(7)
http://blog.goo.ne.jp/yasuo_ssi/e/484e49d09744a96456e94bdeae470845
(8)
http://blog.goo.ne.jp/yasuo_ssi/e/abef48879db7dce35dfd7dbf272456e7

Photoshopを使った黄変・退色写真補正テクニック - 追加
http://blog.goo.ne.jp/yasuo_ssi/e/ef04ce814b541a51232f1eac14e8999d

黄変・褪色フィルム補正の実例
(1)
http://blog.goo.ne.jp/yasuo_ssi/e/5023fba39d042f036c0ffdc59a5e08b5
(2)
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(4)
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Photoshopを使った黄変・退色写真補正テクニック - 追加

2017-10-08 00:57:48 | カメラ
[お知らせ]
現在は以下のサイトで、新しい補正法を公開しておりますので、そちらの利用をお勧めします。
https://yasuo-ssi.hatenablog.com/entry/2021/04/26/000000
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 先日、Photoshopを使った黄変写真テクニックについてまとめてみましたが、もう一つテクニックを発見(?)しました。

 Photoshopは色チャンネルを直接編集できるのですね。黄変フィルムスキャンデータは、青チャンネルのブルー側のデータが薄くなっている (→結果的に補色のイェロー成分が増えてしまう) ケースが多いのですが、直接色チャンネルをピクセルベースで編集できるとなると、そこで消えてしまっているデータを補正できる可能性が出てきます。以下の画面で編集できます。

 注意点は、レイヤーパネルのチャンネルタブで、自分が編集したい色チャンネルのみが「表示」並びに「選択」されているかを確認することです。表示されていても選択されていないとトラブります。

 例えば、本来ならば R, B, G 同じような傾向になるような部分(黒や、黒っぽい、暗い部分など)でBチャンネルだけ薄まってしまっていれば、その部分をRやGチャンネルから借りてきて貼り付ければ良いのです。

 例えば、下の画像は、上の写真の右上端のBチャンネルとGチャンネルを比較しています。明らかにBチャンネルは、Gに比べて右半分でデータが消えかけているのが分かります。フィルム端ほど、データが退色しているのです。


 この部分をGチャンネルからコピーしてBチャンネルに貼り付ければ、Bチャンネルを再構築できます。

 但し、編集はできるのですが、チャンネルに対するレイヤーなどは存在しないので、一発勝負です。万が一データを壊すといけないので、バックアップファイルを用意してから作業に取りかかったら良いと思います。あるいは別のファイルとしてチャンネル編集用のファイルを用意するのも一手かと。

 また元々色が派手で、色チャンネルごとにパターンが元々大きく違う、というような場合はこのような流用作戦は使えません。

 ちなみにこの写真もこんな感じで補正しました。Bチャンネルの再建+Bチャンネルマスクおよび色域指定マスクを使ったトーンカーブ補正、カラーバランス補正を何重かに渡って掛けています。


 後もう一点、メモですが、黄変は遠景ほど徹底的に取るべきである一方、中景はやや、近景はさほど取らない方が良いかもしれません。むしろ近景でイェロー成分を取ると、植物の緑がさえなくなります。このあたり、マスクを段階的に用意するのが一つの手かと思います。

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▼参考
「黄変したネガフィルムスキャン画像をPhotoshopを使って修正する」
(1)
http://blog.goo.ne.jp/yasuo_ssi/e/01fd817e2d0eeaca52a2fdf6e7ac43c6
(2)
http://blog.goo.ne.jp/yasuo_ssi/e/5c335015f3aaa1dba0b11b68e23bc37c
(3)
http://blog.goo.ne.jp/yasuo_ssi/e/7eb3ade773bf9fa853aae3cabe78ed89
(4)
http://blog.goo.ne.jp/yasuo_ssi/e/595b996085188af62b61d36f32ffbf7f
(5)
http://blog.goo.ne.jp/yasuo_ssi/e/9455b06232b4345c5ae241b93da61946
(6)
http://blog.goo.ne.jp/yasuo_ssi/e/7a78b75bd7c6573696beafe9a1a5e4fa
(7)
http://blog.goo.ne.jp/yasuo_ssi/e/484e49d09744a96456e94bdeae470845
(8)
http://blog.goo.ne.jp/yasuo_ssi/e/abef48879db7dce35dfd7dbf272456e7


黄変したネガフィルムスキャン画像を GIMP 2.8使って修正する (3)

2017-10-06 20:36:45 | カメラ
[お知らせ]
現在は以下のサイトで、新しい補正法を公開しておりますので、そちらの利用をお勧めします。
https://yasuo-ssi.hatenablog.com/entry/2021/04/26/000000
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 あと、GIMPで戸惑ったのは、選択範囲をレイヤーマスクに転換する方法です。Photoshopの場合、範囲選択して(あるいはその後クイックマスクで選択範囲を編集して)、その後レイヤーパネルで「レイヤーマスクの追加」アイコンボタンを押せば、すぐ選択範囲がレイヤーマスクになってくれます。

 しかしGIMPはクイックマスクは基本的にはみ出さないように色を塗るツールのようで、すぐには、レイヤーマスクに転換する方法がよく分かりませんでした。

 結局、選択範囲をレイヤーマスクに転換するには次のような手続きが必要なことが分かりました。
 簡単に書くと、1. 範囲選択を行って→2. その情報をチャンネルに画像として保存→3. チャンネルに保存したデータを追加したレイヤーマスクに貼り付ける、という手続きが必要になります。選択範囲をそのままコピーしてレイヤーマスクに貼り付けるということができないので、中間にチャンネルへの保存という媒介過程が必要ということです。ただ具体的な手続きはちょっと面倒です。


1) まず、何らかの範囲選択ツールを使って選択範囲を作る(例は「色域の選択」)。
2) 選択範囲ができたら、「選択メニュー」の「チャンネルに保存」を押して、選択範囲をチャンネルに保存する。



3) チャンネルパネル (※レイヤーパネルではない!!) から、保存されたチャンネルを選択し画面に表示させたら、チャンネル画像をすべて選択し、クリップボードにコピー。自分が何の画像を選択しているかパネル上でよく確認!


4) レイヤーパネルに戻って、レイヤーマスクを追加したいレイヤーを選択。


5) レイヤーパネル上の、選択したレイヤー上で右ボタンをクリックして、レイヤーマスクを追加する。


6) そのまま再びレイヤーパネル上で右クリックして「レイヤーマスクの表示」および「レイヤーマスクの編集」にチェックを入れる。


7) 画面に現れたレイヤーマスク編集画面上に、クリップボードにコピーしておいた、チャンネルに保存した選択範囲画像を貼り付ける。さらに、貼り付け位置を修正してから「レイヤー」→「レイヤーの固定」をクリック。またレイヤーマスクの編集作業が必要なら引き続きここで編集作業を行う。


8) レイヤーマスクの編集が終わったら、レイヤーパネル上で右クリックして「レイヤーマスクの表示」および「レイヤーマスクの編集」のチェックを外し、当該レイヤー上の色調補正編集作業に入る。


 うぅーん、ちょっと面倒くさいかな。もう少し簡便な方法があるのかもしれませんが、今のところここまでです。とにかくレイヤーパネルを常に監視して、自分が何のレイヤーやチャンネル、マスクを操作しているのかを常時意識していないと、自分が何やっているんだか訳が分からなくなりますので要注意です。コピーしたはずなのに、ちゃんと貼り付け先に貼り付けられない、あるいは意図しない画像が貼り付けられてしまった、というようなトラブルは、たぶん、コピー元 (or コピー先) のレイヤーやチャンネルがきちんと選択されていないためだと思います。表示されているレイヤーやチャンネルと選択されているレイヤーやチャンネルが異なることもありますので (これはPhotoshopも同様) これを一つ一つ確認することが重要です。

 特にレイヤーマスクの編集の時は、自分がどのレイヤーを表示・選択しているのか、さらにそのレイヤーのどのチャンネルを表示・選択しているのか、それに加えてレイヤーマスクの表示、編集にチェックをつけているか、のすべてを確認しないと、意図した画像が表示されないことが多々あります。
 Photoshopの場合、レイヤーパネル上で当該レイヤーを選択し、alt+Enterで、レイヤーマスク編集モードになります。でGIMPも同様なのですが、その後表示される画面が、大概意図通りの画像が表示されません。Photoshopだとマスク編集モードになるとともに、編集画面もレイヤーマスクだけが表示されます。GIMPはマスク編集モードには入るには入るのですが、画面は一応切り替わっても、ちゃんとレイヤーマスクが表示されることはほとんどありません。結局、その直前にどのレイヤーのチャンネルを閲覧していたかに引きずられるようで、編集モードに入っても、改めてどのレイヤーの、どのチャンネルに表示のチェックが入っているか、また、レイヤーマスクの表示にチェックが入っているかを全部チェックしない限り、大概意図通りの画像が表示されないのです。おそらく5-10項目ぐらいそのたびにチェックしなければいけないので、とてもやっていられません。
 また、選択範囲を簡単にレイヤーマスクに転換できないのも負担です。複雑なレイヤーマスク編集を行わず、トーンカーブや、カラーバランス調整を活用したい場合はGIMPという選択肢もありか、という感じですが、レイヤーマスクをいろいろいじりたい場合はとてもGIMPで作業をやる気には、個人の感想としては、なれません。ただ、機能としてはある、というところです。

 この対策としてはレイヤーマスクの編集を行うときに、レイヤーマスク編集画面で行わずに、別のファイルの通常の画像として編集を行い、最後に一回だけ、その画像をレイヤーマスクに貼り付けるようにすれば、ある程度この複雑さを回避できるかもしれません。とにかくなるべくレイヤーマスク編集画面を見ないようにするというのが良さそうです。

 GIMPはツール的にはPhotoshopに迫るものがありますが、やはり絵を描くことが第一で写真の補正はその次という感じなので、探ればいろいろできそうなのですが、操作手続きは結構複雑です。とくにレイヤーマスク編集関係の複雑さは、レイヤーマスク編集画面上で編集を行おうとすれば、Photoshopの5-6倍ほど手間がかかるというのが実感です。
 「色域の選択」がある点もありがたいのですが、これをGIMP2.8でこれを使うと、Photoshopよりかなり時間がかかり待たされます。GIMP2.9(開発途上版)だと内部処理が32bitになるのでこのあたり改善されているのか、悪化しているのか?まだ試していません。もっとも同じ写真編集でも、写真の合成とかモンタージュはGIMPの方が使いやすいという部分もあるかと思います。チャンネル分解の操作もGIMPは一発なのですごく簡単で良いのですが...

 あと、画像の自動補正ツールが、やはりPhotoshopより一歩遅れている感じです。できれば最終調整で自動補正ツールを使いたいところですが、Photoshop Elementsに最後に通すなら、だったら最初からPhotoshop Elementsでやれば良いだろう、という話になります。少なくともフリーのRawTherapeeあたりを活用する必要はあるかと思います。

 GIMPが16bit画像対応になるとまた話は変わってくるとは思いますが、現状ではおそらく、16bit画像での編集にこだわらないなら、Photoshop Elementsに Nik Collection のフィルターを使ってRGBチャンネルごとの編集やカラーバランス編集を活用する方が、おそらくGIMPで補正作業をやるよりはやりやすいのかなぁ、という印象です。チャンネル画像の取り出しなど、GIMPが簡単なところはGIMPを補助的に使って、メインはPhotoshop Elementsでやるのがハッピーそうな気がします。但しすでにGIMPでの操作が板についているという人は、また別かとは思います。

 もっとも、手元にPhotoshop Elementsの最近のバージョンがないので、そちらできちんと作業ができるかどうかはまだ検証していません。