一瞬の風になれ 第一部 -イチニツイテ- (講談社文庫)佐藤 多佳子講談社このアイテムの詳細を見る |
一瞬の風になれ 第二部 -ヨウイ- (講談社文庫)佐藤 多佳子講談社このアイテムの詳細を見る |
一瞬の風になれ 第三部 -ドン- (講談社文庫)佐藤 多佳子講談社このアイテムの詳細を見る |
またまた文庫化を待っていた作品。
よかったです~~~
前にTVドラマでちらっとやったことがあったのですが、これは原作の方がダントツでいいです
高校陸上部のお話。
主に短距離&400mリレー
著者の佐藤さんが長年取材をして書かれただけあって、しっかりとした内容です。
読んでいると、主人公と一緒に、スタートラインに立ったような気持ちになり、心臓がバクバクします。
登場人物の高校生は現代っ子だけれど、やっぱり一途で熱い
コーチのみっちゃんは、「俺が悪かった」ときちんと謝れるステキな大人。
私はこの2週間、主人公の新ちゃんと連くんと一緒に、泣いたり笑ったり、怒ったり喜んだりしました。
(電車の中で涙が出てきた時はかなり焦りましたが)
彼らと共に、青春を駆け抜けました。
時には一心同体となり、時には母の気持ちで。
この小説は、本当に主人公のそのときの気持ちにはまり込むことが出来ます。
自分が主人公の立場にいながら、もう一方ではその主人公を応援している、というダブルの体験が出来ます。
それで、ふと思ったのは、自分が自分の一番の応援団でいることが大切なのかな~と。
この本は、今年すでに読んでいる50冊くらいの中でのベスト1です
たぶん、予想ではこのまま私の2009年のベスト1を飾るのではないかと思います。
非常にお勧めの本なので、内容はあまり書きません。
でも引用したい部分がものすごく多くて、迷ってしまいます
時間の許す限り、書いてみたいと思います。
その前に…
この本は、よぎょさんが2007年に読んで「いい」と言っていました。
「YASUKOさんも読んだんですね~」ってコメントが入るような気がしました。
と同時に、それは有り得ないんだと気付きました。
悲しいとかじゃなく、
今ここにもう彼女はいない、という事実に、私は本を読み終わると向き合わされます。
きっと彼女と関わりの合った方々は、その人なりの思い出す瞬間があるのだろうな~と思います。
きっとその繰り返しで日々が過ぎていくのでしょう。
やっぱりちょっと泣いてしまいました。
でも、これでいいのだと思います。
思い出して泣いて、
彼女の分も生きる
では、引用です。
1巻
P99
「人生なんて、すべて出会いよ。おもしれえもんよ。俺とおまえも出会ったわけだから、そこに何かが起こるんだよ」
P122
3組目がゴールして、入れ替わるようによろよろとコースに出ていく。いきなり鼓動が倍速。係の人からバトンを受け取る。バトンを手にすると、命がけの使命を下されたような気がした。これまでの人生で一番大事なものを持ったような気持ち。落としたりなくしたりしたら、自分自身がなくなってしまうほど大事なもの……。これを連に届ける……。
P149
こういう反応のトロさや走りの鈍さが、きびきびした短距離ランナーの中で馬鹿にされないといいけど。この子はただ適当な言葉を口にするのが嫌いなのだ―――って俺は思っている。無口でぼんやりしてるように見えるけど、何かふさわしいきっちりした言葉を探しているうちに、世の中のほうが谷口の目の前をびゅんびゅん通り過ぎてしまうみたいだ。
2巻
P12~13
「いいシューズ履けよ、新二」
健ちゃんは俺の話なんか聞かないで言った。
「最高のヤツ履いとけよ」
迷いなく光る目でしっかりと見据えられた。
当たり前のように最高を追い求めるスポーツマン。最高のチームで最高のプレーをして最高の選手になろうとしている男。同じ両親の血を分けた俺の兄貴。
もらうのはシューズじゃない。健ちゃんの気持ちだ。最高の男になれという気持ち。
P131~P132
「特に、部長になってからは、俺に何ができるんだろうって真剣に考えたね」
―――中略―――
「結局、自分のできることをせいいっぱいやるしかないって当たり前の結論に落ち着いたよ。一日、二日じゃない。毎日、毎日、三百六十五日だ。どんな日のどんな練習もおざなりにしない。どんな試合でもきちんと走る」
3巻
P13
「自分が何を持っていて、何を持っていなかったか。持っていないつもりで何を持っていたか。持っているつもりで何を持っていなかったか。病院で動けないでいる時、そんなことばっかり考えてた」
見たことがないような深い目の色だった。
「一度なくしてみないと、わからないものがある。なくしたつもりで、でも、もし、取り返しがつくなら、前よりいいプレーヤーになれるだろうな。絶対に」
P37
課題が見えている。このきつさが何のために必要かがわかっている。そうすると、きつさは敵じゃなく味方になる。楽しいとすら思えてくる――はずだ。
P112~113
「高校で陸上やっててな、ほとんどの時が悔しいんだぞ。試合に負けたり、練習がうまくいかなかったり、人が自分より強くなったり、怪我したり。九割がた悔しいんだ。嬉しい時なんかほとんどねえよ。だけど、そのぽっちりの嬉しい時が、全部の悔しい苦しいに勝るんだよ。でなきゃ、誰が部活なんてやる?」
―――中略―――
「自分がでられない試合を見るのは悔しいよ。それは、よくわかるよ。だけど、その悔しさから逃げるのと、それをしっかり見て噛み締めるのとは違うよ。悔しいってギリギリ噛み締めると、エネルギーになるだろ?そのエネルギーが練習や次の試合のパワーになるだろ?ほんとに悔しいと思ったら、次は絶対に怪我しないように気をつけるだろ?そうやって、どんどんいい選手になれるんだよ」
―――中略―――
「自分のいるべき場所にいなきゃいけない。自分の居場所で起きることを受け止めないといけない。おまえは、春高の陸上部員だろ?部員のいるべき場所、明日は小田原だ」
P144
色々な気持ちがある。色々な人へ向かう色々な気持ちがある。相手に差し出す気持ちがある。隠して見せない気持ちがある。相手に届こうと届くまいと、人に見えようと見えまいと、思う気持ちはかけがえがない。重い。美しい。俺は俺の思いを抱えていればいい。今はそれでいい。それだけでいい。
P186
スポーツは結果がすべてじゃない。でも、結果が出た時は本当にすごい。目の前で見た、この鳥沢の勝利は、圧倒的な力を俺の中に生んだ。喜びと言うより、勇気と言うより、何かこう身体中に湧き上がってくる力そのものだ。
P275
人生は、世界は、リレーそのものだな。バトン渡して、人とつながっていける。一人ではできない。だけど、自分が走るその時は、まったく一人きりだ。誰も助けてくれない。助けられない。誰も替わってくれない。替われない。この孤独を俺はもっと見つめないといけない。俺は、俺をもっと見つめないといけない。そこは、言葉のない世界なんだ――たぶん。
*→のプロフィールの下に、フォントサイズが選べる欄を作りました。
小・標準・大、です。皆様の目の状態で選んでくださいね
これから、息子の塾の面談に行ってきます。
これは内野さんだわ (*^_^*)
それから、
> 相手に届こうと届くまいと、人に見えようと見えまいと、思う気持ちはかけがえがない。重い。美しい。俺は俺の思いを抱えていればいい
っていうか、抱えるしかない、かな(^_-)
(ここは内野さんへの思い限定ではありません)
引用部分、読まずにコメント欄に来ました(^_-)-☆
でもジンコさんが書かれていた
その二つの引用は読ませて頂いて
マスマス、読んでみたくなりました
近いうち、手にしたいと思います(*^。^*)
次回作は、この作品を読ませていただきます。
引用部分は、読み終わった後、読ませていただきます。
いつもこういう作品紹介ありがたいです。ありがとう。なかなか自分にあった作品との出会いと言うか、選びをいまだに出来ないでいます。
YASUKOさんからのおたより感謝してます。
こんなことが出来るんですね^^。
素敵!そしてありがとう~。
でも今は、標準でも読める自分が幸せです。
この本のこと、よぎょさんが書いてたの覚えてます。
文庫本がなんとか読めるようになった今、
呼んでみたいと思いました。
でもわたし、読むの、遅いんですよね~。
仕事がきつくなると、読みっぱなしの本がたまってきます。。
長男は、中学はサッカー、高校は陸上部でした。
中・長距離でしたが、凄く頑張ってたの。
それもあって、読みたい気持が強くあります。
また、思い出させてくれて、ありがとう~♪
ドラマはちょっと見た気がしますね☆
それもやっぱりよぎょさんの影響でしたね☆””
わたしもフォントを大にして見ました♪
いい機能ですね♪
ぽわんさんと同じく、読むのが遅いわたしだけど、
今度返しに行った時にはこの本を探してみます☆
たくさんの引用文も後のお楽しみにとっておきますね(^_-)-☆
今日はお天気よかったですか~?^^
思いっていろんな形があるものね。
思いって大事にしたいなって思います。
ぜひ読んでみてください。
美香さんの感想を楽しみにしています(*^_^*)
ぜひ読んでください(*^_^*)
ついていけないわ~(^^ゞ
でもフォント変えられるのはいいよね。
>長男は、中学はサッカー、高校は陸上部でした。
主人公の新ちゃんが正にそうなのですよ。
これです(*^_^*)
図書館で探してみてね。
どんどんお話の中に入り込んで読めると思います。
今日はお天気よくて気持ちよかったのですが、試合には負けました(T_T)