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旧李王家邸(赤坂プリンスホテル 旧館)🙂😐😐戦後「赤坂プリンスホテル」として開業した大韓帝国最後の皇太子「李垠」旧邸宅

2020-05-19 08:59:57 | 国内旅行

東京メトロ 銀座線/丸の内線「赤坂見附駅」から徒歩約5分、江戸時代には「紀州徳川家中屋敷」「尾張徳川家中屋敷」「彦根井伊家中屋敷」が置かれていた千代田区紀尾井町に、後期ゴシックからルネサンス様式への過渡期のイギリスの建築様式と言われる「チューダー様式」の洋館がある。「大韓帝国(テハンジェグク/대한제국)」(1897年~1910年)最後の皇太子で、朝鮮併合後は日本の皇族に準じての扱いを受けた「李垠(イ・ウン/り ぎん/이은 「大韓帝国」の称号は「英親王」)」(1897/光武元年~1970年)の邸宅として、1930(昭和5)年に建設された建物だ。
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「李垠」は、李氏朝鮮の歴代国王を出した家系「李王家(イ ワンガ/り おうけ/이왕가)」の家系で、皇族「梨本宮守正王(なしもとのみや もりまさおう)」(1874/明治7年~1951/昭和26年)の第1女子「方子女王(まさこ じょおう)」(1901/明治34年~1989年)と、1920(大正9)年に結婚したが、第1男子「李晋」は生後8ヶ月で急死、第2男子「李玖(イ・グ/り きゅう/이 구)」(1931年~2005年)には子どもがいなかったため、直系子孫は断絶している。
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その「旧李王家邸」の第二次世界大戦後は、参議院議長公邸などに使用されたが、1952(昭和27)年に「国土計画興業」(後に 1965/昭和40年「国土計画」 1992/平成4年「コクド」 2006/平成18年「プリンスホテル」)が取得し、1955(昭和30)年に客室35室の「赤坂プリンスホテル」として開業したという。同ホテルは、1960(昭和35)年に5階建て「旧新館/別館」を開業し、1983(昭和58)年には「丹下健三」氏の設計による761室の「新館」を開業している。その後、施設の老朽化などを理由に2011(平成23)年にホテルの営業を終了して、「新館」は取り壊された。
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ホテル施設は、再開発された「東京ガーデンテラス紀尾井町」に「ザ・プリンスギャラリー 東京紀尾井町」として入居し、2011(平成23)年に「東京都指定有形文化財」指定を受けた「旧李王家邸」は、文化財の保護と活用を謳って、2016(平成28)年に結婚式場「赤坂プリンス クラシックハウス」としてリニューアルオープンしている。ここにもまた歴史の中の流転による状景が存在して、「南柯の夢」たる思いが胸に迫りくる場所ではある。


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