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諏訪大社下社春宮 境内社(摂社 末社)😐😐😐境内社に安産祈願と子授けの信仰の「子安社」がある神社

2020-09-01 12:00:00 | 神社仏閣
「諏訪大社下社秋宮(すわたいしゃ しもしゃ あきみや)」から徒歩約20分、西に「砥川(とがわ)」が流れる「下諏訪町大門」で、「下社」最初の遷座地とされる地に鎮まるのが「諏訪大社下社春宮(すわたいしゃ しもしゃ はるみや)」だ。
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社殿は、地元宮大工の大隅流「柴宮/伊藤長左衛門矩重(のりしげ)」(1747/延享4年~1800/寛政12年)が「春宮」を、立川流初代「立川和四郎(たてかわわしろう)富棟(とみむね)」(1744/延享元年~1807/文化4年)が「秋宮」を、同じ図面で請け負って、技を競ったといわれる。
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「杉の木」を御神木とする「春宮」の主祭神は、神話「国譲り」で「建御雷神(たけみかづちのかみ)/建御雷之男神(たけみかづちのおのかみ)」に敗れて、「州羽の海」に逃げたとされる「大国主神(おおくにぬしのかみ)」次子「建御名方神(たけみなかたのかみ)」の妃神「八坂刀賣神(やさかとめのかみ)」だが、「大国主神」長子で出雲系の神でありながら、娘が「神武天皇」皇后となって大和朝廷との縁が深い神「八重事代主神(やえことしろぬしのかみ)」が合祀されている。
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その「下社」の祭神は、2月から7月まで「春宮」に鎮まり、8月1日の「御舟祭(おふねまつり)」で「秋宮」に遷座して、翌年2月1日「遷座祭」で再び「春宮」に帰座するという半年ごとに遷座する神だ。
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「下社春宮」の境内社には、本社の祭神に縁故深い神を祀り、本社と末社の中間に位する枝宮「摂社」と、本社に付属し摂社に次ぐ社格を持つ枝宮「末社」が設けられている。
 ❖ 若宮社  「神楽殿」右脇「上諏訪社」隣に境内社の摂社「若宮社(わかみやしゃ)」がある。「お諏訪さま/建御名方神」の御子神十三柱「建御名方彦神別命(たけみなかたひこがみわけのみこと)」「伊豆早雄命(いづはやをのみこと)」「妻科比賣命(つましなひめのみこと)」「池生神(いけのおのかみ)」「須波若彦神(すわわかひこのかみ)」「片倉辺命(かたくらべのみこと)」「蓼科神(たてしなのかみ)」「八杵命(やきねのみこと)」「内県神(うちあがたのかみ)」「外県神(そとあがたのかみ)」「大県神(おほあがたのかみ)」「意岐萩命(おきはぎのみこと)」「妻岐萩命(つまぎはぎのみこと)」を祀り、例祭日が7月1日と毎月1日だという。
 ❖ 上諏訪社  「神楽殿」へ向かって右脇に、境内社の末社「上諏訪社(かみすわしゃ)」がある。「上の諏訪」すなわち「上社の祭神」を祀る社で、祭神は「諏訪大社上社」主祭神の「建御名方神(たけみなかたのかみ)」で、例祭は7月15日に行われる。
 ❖ 子安社  「神楽殿」左脇で「筒粥殿」右隣に、境内社の末社「子安社(こやすしゃ)」がある。祭神の「高志沼河姫(こしのぬなかはひめ)」は、「建御名方神(たけみなかたのかみ)」母神だが、新潟県糸魚川市では、「大国主神」と越の国の「沼河比賣(ぬなかわひめ)」との間に生まれた「建御名方神」が、「姫川」をさかのぼって諏訪に入ったとの伝承が残っているという。
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同社の例祭日は、6月22日だが、妊娠5ヶ月目の戌の日に、底の抜けた柄杓を奉納して、水が簡単に抜ける柄杓にあやかってお産も楽にという安産祈願と、健康な子どもの誕生を祈るという祠だ。もとより「お諏訪さま/建御名方神」は、十三柱(資料によっては最大二十三柱)の御子神をもうけたとされ、古くから子授けの信仰がある神社で、「上社本宮」と「下社秋宮」で午前9時から午後4時まで、祈祷を受け付けているという。 ❖ 浮島社  「万治の石仏」へ向かう中途、「下社春宮」西の脇を流れる「砥川(とがわ)」で、砂州ではなく岩でできている中島に、「諏訪大社下社春宮」末社「浮島社(うきしましゃ)」が鎮まる。
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「大水でも流されない」と「下社七不思議」の一つとして語り継がれているという祠の祭神は、神道における「祓(はらえ/はらい)」を司る神で、祓を行う「祓戸(はらえど)/祓所(はらえど)/祓殿(はらえどの)」に祀られる神「祓戸大神(はらえどのおおかみ)」だ。6月30日には例祭「浮島社祭」とともに大祓式「夏越神事(なごしのしんじ)」「茅輪(ちのわ)くぐり」がここで行われる。
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かつて鎌倉武士が、御射山の祭典に参列する時、この「砥川」で身を清め、八島高原へ登ったとも伝えられている。