今回は、ニホンマムシと同じくらい毒ヘビとして認知された「ヤマカガシ」についてのお話です。
マムシと違い、ヤマカガシは、非常に愛らしい顔をした毒ヘビです・・・(^_^;)。
そんな、ヤマカガシに咬まれた事例ですが、ほとんどが、ヤマカガシを捕まえた時や捕まえようとした時です。
座ろうと地面に手をついた時、山菜やキノコを採ろうとした時など、地面に手を近づけた時に咬まれたという報告は、ほとんどありません。
僕自身も、子供の頃、川で見つけたヤマカガシを捕まえ、川の水面に叩き付けて、気絶させ、川へ放り投げ、そのまま流れるヤマカガシを見て、楽しんでいました。
そのため、ヤマカガシに咬まれたという事例の多くが子ども (゚Д゚;).....。
なので、ヤマカガシに咬まれないための一番の対策は「捕まえないこと」です。
基本的には、ヤマカガシは「大人しい性格のヘビ」なので、人が近づくと、真っ先に逃げ出します。
そんな逃げる姿を追いかけて、捕まえようとすると、咬まれてしまいます。
なので、「捕まえないこと」が一番の対策となります。
ヤマカガシに咬まれたら、絶対に毒がまわるというわけではありません。
マムシやハブのように「前歯の牙=毒牙」ではないからです。
ヤマカガシの上顎にある大きな奥歯があり、そこまで深くかまれると、毒にやられてしまいます。
この奥歯に咬まれると毒にやられてしまいます。
ヤマカガシは、マムシのように昔から有名な毒ヘビとして扱われていませんでした。
それは、人と出会えばすぐに逃げ出す習性、奥歯まで深く咬まれないと毒にやられない、つまり、咬まれる危険性が低い・咬まれても毒にやられる可能性が低いという背景があったからではないかと思います。
ヤマカガシは、小魚・カエル・ドジョウなどを好むので、水辺に生息していることが非常に多いです。
普通に川の水面で泳ぐ姿を見かけますし、水路や田んぼでも、よく姿を見かけます。
山の中だと、小さな小川付近にもいます。
カエルがいそうなところは、ヤマカガシもいると考えて、いいかもしれませんね。
じゃあ、山の頂上や尾根筋なら大丈夫・・・と思いたいところですが、ヤマカガシはヒキガエルが大好きなので、頂上や尾根筋でヒキガエルを見かけると、ヤマカガシもいると考えてください。
ちなみに、奈良県の大峰山系では、大きなヤマカガシによく出会います (^_^;)。
ヒキガエルも毒を持っているので、積極的にヒキガエルを襲う生き物は少ないのですが、ヤマカガシはヒキガエルを好んで捕食します。
最近の研究で、ヤマカガシは、ヒキガエルを食べて、ヒキガエルの毒を体に蓄えるそうです。
実際にヒキガエルが生息していないヤマカガシを調べると、毒を貯蔵する器官はあるのに毒がないそうです。
そんなヤマカガシが持つ、もう1つの毒。。。
ヤマカガシの頸部(頭?首?)を刺激すると毒液を飛ばします。(これ、ヒキガエルから蓄積した毒です)
この毒液が眼に入ると、結膜炎など眼に障害を与えます。
ヤマカガシを捕まえようとして、頸部を強く押さえると、毒液が飛ぶ!
ヤマカガシを捕まえようとして、反撃に合い、深く咬まれると、毒にやられる!
いずれにしろ、「捕まえないこと」が一番の対策です。
ヤマカガシは地域によって、その模様や体色が異なると言われており、特に、関西と関東のヤマカガシは模様や体色の変異が違うようです。
僕は関西しか知りませんが、ヤマカガシの写真をいくつか載せますので、ご参考ください。
まずは、成蛇。
次は、幼蛇。
この幼蛇は、脱皮前なので目の色が変色しているだけです。
あと、黒いタイプ(黒化型)。
とは言え、いくら写真を見ても、実際に遭遇した時にm一発で見分けることは困難です。
なので、ヤマカガシの成蛇、幼蛇、黒化型、いずれも、首とか、アゴとか、「頭周りが黄色い」ので、それで判断しましょう。
「頭周りが黄色いヘビ」=「ヤマカガシ」。
「頭周りが黄色いヘビ」は捕まえないよう、子供たちに伝えましょう。
ちなみに、毒ヘビの頭は三角形と言いますが、それは、正しくありません。
それだけでは、毒ヘビか否か、見分けることは出来ません。
ちなみに、毒を持っていないシマヘビやアオダイショウを怒らせると、頭を三角形にします。
そして、ヤマカガシの頭は三角形ではありません。
ちなみに、ヤマカガシは威嚇するとき、首を平たく広げて、持ち上げます。
平たい首で、ゆらゆらする姿は、少し、コブラを思わせますね。
※2017年8月の記事を改編
大人しい蛇なのでかまれませんでしたが、トラウマです。
黄色い首輪の幼蛇はかわいいですね。
僕も子供の頃、ヤマカガシで遊びました。
その頃には、被害者が出ていたようですが、全く知らず、大人になって驚きました。
目がクリっとしてるので、見た目はかわいいんです!