本日は、奈良県フォレスターアカデミーにて、学生さん達が考えた森林施業提案の評価員としてのお仕事。
奈良県フォレスターアカデミー最大の魅力は、「フォレスターとして進む学生さん」と「事業体へと進む学生さん」が、在学中に明確で、この時点で、横の繋がりが出来ているという点です。
おそらく、この点は、どの林業大学校系にないところだと思います。
在学中のこの関係が、やがて、フォレスターが描いたことを実現できる事業体との連携になって欲しいと思います。
さて、今回、僕が重点的に評価した項目は主に3つ。
①プレゼンの作り方、見せ方、表現、説明の仕方。文字と背景色の使い分けなど細部のところまで。。(^-^;
②森林経営計画作成にあたってのアプローチ、制約と規制のデメリット、属人と属地(林班・地域)のポイントなど。
③資源調査。プロットデータの整理、取り扱い、形状比や樹冠長率の整理など
あと補足で、自分だったらどういう路線計画を立てるのか、その根拠は。みたいなところ。
プレゼン構成は、長期、中期、短期の3部構成。
特に繰り返しお伝えしたことは、森林経営計画は、あくまで「資金確保の手段」であること。
森林経営計画そのものに規制と制限がある限り、制度に基づいた施業を進める傾向になり、本当の目的を見失ってしまいます。
例えば・・・
仕事量を確保するために、計画面積を確保しないといけない。
間伐要件をクリアするために、間伐計画を盛り込まないといけない。 など。。
あと、施業提案した結果、例えば、作業道が崩壊し、何かしらの悪影響を与えてしまった場合、計画認定者に責任が及ぶことも考えて、提案しないといけないということも。
クライアントに責任が及ぶのか、自分自身に責任が及ぶのか、という点も考えながら、施業提案をしないといけませんし、所有者に対して、出来ないものは出来ないと言えるようにならないといけません。
まー、実際、仕事確保との板挟みで、悩む場面も出てきますが、教育として、この部分はきちんと伝えておきたい点ですね。
今回の施業提案の演習は、補助金活用が前提なので、森林経営計画作成は外せません。
だからこそ、森林経営計画の作成目的が、短期目標をクリアするための手段なのか、中期目標を達成するための基礎構築手段なのか、短中期含めての手段なのか、そこの整理は大切ですね。
何が正しいのか、模範的な回答とは?
施業提案は、まさに十人十色です。