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スギノアカネトラカミキリ 交尾と産卵

2018年04月20日 | 樹木の病気・森林被害のお話

 スギノアカネトラカミキリ(以下、アカネ)の生態について、今回は第3章「交尾と産卵」について。

 枯れ枝から脱出した成虫は、5~6時間の間に交尾を行うとされています。

 交尾は日中の明るい時間に行われ、10時から14時の間が最も盛んだと言われています。

 ところで、マツ枯れで有名な「マツノマダラカミキリ」は、脱出後、マツの新葉を食べないと体が成熟せず、交尾・産卵ができません。

 しかし、アカネは枯れ枝から脱出して、すぐに交尾することが可能です。

 周りにエサがなくても、繁殖・交尾が出来ることが、人工林という単純な林層の中でも被害が拡大していく1つの要因だと思います。

 

 交尾が終わったメスは、約1週間後くらいから産卵を始め、約1ヶ月~1ヶ月半の生存期間の間に、2~3日の間隔で産卵を行います。

 メス1匹の平均産卵数25個程度。

 餌となる花粉を食べにきたアカネの抱卵数は、この平均産卵数よりも低いと言われているので、訪花と産卵を繰り返していると思われます。

 産卵場所は枯れてから2~3年以降の枯れ枝が対象なので、枯れて間もない枯れ枝には産卵しません。

 枯れ枝ならどこでもいいというわけではなく、枯れ枝の粗皮がめくれている裏側、粗皮の裂け目、二次枝の付け根などが産卵場所になります。

←中途半端に残した枝にも産卵することがあるため、枝は樹幹に沿って除去すること。

 

 あと、あまり太い枯れ枝や直径5ミリ以下の細い枝に産卵することは非常に少なく、直径15ミリ前後の枯れ枝に産卵が集中します。

 1箇所の産卵数は、普通1~2個くらいですが、稀に5~6個も産む場合があるとのこと。

 

 今回のポイントは、2~3年以降の枯れ枝に産卵するというところです。

 つまり、枯れて間もない枯れ枝には産卵しないので、下枝が枯れ始めた時期を目安に枝打ちを行えば、アカネの被害を未然に防止できると考えられます。 

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