スギノアカネトラカミキリ(以下、アカネ)の生態について、今回は第2章「成虫の脱出」。
脱出時期は、地域や年によって異なりますが、和歌山県では3月下旬~4月下旬とされています。
ちなみに岩手県など東北方面では、4月下旬~6月上旬と去れています。
脱出の時期は、脱出する1カ月前の気温に影響すると言われており、低温が続く間、脱出が全くなく、気温が上がると一気に脱出したという事例もあります。
成虫は枯れ枝の樹皮に直径3~4mmの脱出孔をあけて脱出します。
脱出孔のある枯れ枝の太さは、2cm前後のものが多く、脱出孔のある枯れ枝の位置は、樹幹から近く、距離にすると平均で4cmだそうです。
なお、アカネは枯れ枝だけでなく、生きた枝(生枝)の枯れた二次枝にも産卵します。
←枯れた二次枝からの脱出孔。
この場合、幼虫の食害が枝だけで完了した場合、脱出孔は樹幹から離れた位置に作られます。
成虫は日中の気温が15℃を超えると脱出の準備を始めます。
日中の気温が20℃前後になると脱出すると言われています。
こんな感じで、アカネは脱出にも行動にも、気温に左右されやすい生き物だと考えられています。