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はぐくみ幸房@山いこら♪

「森を育み、人を育み、幸せ育む」がコンセプト。株式会社はぐくみ幸房のブログです。色々な森の楽しさ共有してます♪

シカ捕獲による植生回復・・・一例?

2016年09月28日 | 狩猟・獣害のお話

 シカ被害から回復し、再び、成長してきた・・・・と思われるスギ植林地のご紹介です。

 場所は尾根筋なので、土地的にはスギよりもヒノキの方が適していますが、山主さんが「スギの方がシカに食べられにくいから。」ということで、スギを植えたそうです。

 この判断が、実に正解。

 和歌山県の場合、シカはスギよりもヒノキを好みます。(他所でも同じやと思います。きっと。)

 同じようにスギとヒノキを植栽しても、両方、食べますが、ヒノキはしゃぶりつくすようにして枝葉を平らげます。

 一方、スギは新葉をはみはみする程度で、刈り込んだようにまん丸い樹形になっています。

 

 5年くらい前、この植林地付近で、シカ捕獲が行われたそうです。

 伐採地や植栽地といったシカが好む環境が豊富なので、おそらく頭数も多かったと思います。

 加えて、立派な林道も整備されているので、捕獲もやりやすかったと考えられます。

 結果、この植栽地付近のシカ生息密度が低下し、植林したスギが少しずつ回復した・・・と考えられます。

 こうしたシカ捕獲と「少しでもシカ害を免れるよう植栽樹種はスギ。」という山主の判断が、今回のような好結果に繋がったと思います。

 

 高品質な木材を望むことは難しいですが、今の木材利用・需要から考えると、シカ害が問題になる中、ここまで回復した植林地は評価されるべきだと思います。

 それと、幹元から出ている枝葉が、将来的にシカの剥皮を防ぐ効果も期待できるかも・・・。

 このスギが主伐される時代の木材利用や木材需要が、どのようになっているか、全く分かりませんが、シカ害が問題となっているこの状況下で、まず、スギ林が回復し、成林し始めたことは喜ばしいことだと思います。

 

 少なくとも、次世代に資源を繋ぐことができたわけですから。

 今後は、このスギ林をどのように投資(育林)していくのか、悩ましいところ。

 見た感じ、そこそこの低密度でスギ林が残っているので、初回間伐は30~40年生とかでも大丈夫かも?

 幸い、つる性植物やつる性木本もないので、つる切りなどの施業は要らなさそう。

 案外、40年生時に間伐、60年生時で主伐とかできるかも!?

 いやいや、スギの成長次第では、間伐なしで主伐もできるかも!?

 その時の材価や利用方法によるかもしれませんが、道も整備されているし、意外と利益出たりするかも!?

 

 と、植林地がここまで回復すれば、次の一手を考えられます。

 やはり、シカ害を免れないと、その一手を考えることはできません。

 回復したスギ林を見て、改めて思いました(確信しました)。

 やはり、シカ捕獲は避けては通れない課題です。

 今回も、良い現場に出会えました

 こういう現場に出会えると、また、モチベーションが上がります

コメント
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