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ガイドが明かす「重圧」…中高年山岳ツアー“難しさ”

2009年08月06日 18時51分20秒 | 山のNews
50-60代のツアー客8人が凍死した北海道大雪山系・トムラウシ山の遭難事故を受け、同じく中高年の山岳ツアーが多く催行される長野県が、ツアー前の現地調査や講習、登山計画書の提出などを求める要望書を日本旅行業協会に提出した。登山は特に中高年の間でブームを呼んでいるが、実際に山岳ツアーの添乗経験がある旅行会社社員によると、中高年が多い山岳ツアーには、それなりの“難しさ”があるという。
 「今回の遭難事故におけるガイドの判断は結果的に間違っていたわけですが、ガイドにとって、ツアーをその場で中止して引き返すことは想像以上に大きなプレッシャーなのです」
 こう打ち明けるのは、元旅行会社専属の山岳ツアーガイドで、現在は山岳関連雑誌のライターをしている男性。ガイドたちの信条が「安全第一」であることは間違いないが、それでもリスクを冒さざるを得ないことがある。特にツアーの参加者が50-60代の場合、判断に困ることが多いという。
 「山岳ツアーは個人参加が原則ですが、自然発生的にリーダー格の参加者が出てきます。その人物が納得しない限り、ツアーの中断は困難な雰囲気になります。もともと高額なツアー代金を支払っている中高年の参加者は“お客さま”意識が非常に強い。また、経験が浅い“リーダー”ほど引き返すことを嫌う傾向がある。かつて私がガイドしたツアーでは、どうしても中断にご理解いただけない人がいて、その場で『ここから先は自己責任』と一筆書かせて、渋々あきらめさせました」
 ツアー参加者には事前に十分な防寒対策を要請するが、実際には本格的装備で臨むベテランから、日帰りハイキングの感覚で訪れる人までさまざま。それでもガイドとしては、「高い代金を払って遠くから来ているお客さまに、何とか山を登らせてあげたい」「登らせないと、後々クレームになるかもしれない」というプレッシャーがかかる。客側の強い要望に押され、薄氷を踏む思いで悪条件下での出発を決断することもあるという。
 実際、安全最優先でツアー中止を決断した後、苦情の手紙が旅行会社に多数寄せられ、旅行会社の幹部から注意されたガイドもいたという。ガイドの大半は旅行会社の社員ではなく、ツアーごとに契約する派遣社員のような存在で、旅行会社から「客からのクレームが多いガイド」というレッテルを張られることは死活問題となる。
 北海道の遭難では、参加者がツアー中止を要請したにもかかわらず、ガイドがツアーを強行したというから弁解の余地はないが、複合的なプレッシャーがガイドの判断を誤らせ、悲劇を招いた可能性もありそうだ

ほんと難しいだろうし、可哀想にも思える。
それまで世間や会社などでそれなり勤めあげてきた中高年にはそれなりのプライドや自負もあって、自分の思い通りにならないと、ちょっとしたことでへそを曲げたり逆ギレしたりする輩も多い。実際、山でマナーが悪かったり、傍若無人に行動している中高年登山ツアー客をよく見かける。一番悲しいのが本人たちが周りに迷惑をかけていることをまったく理解していないこと。これではいつまでたっても良くなることはない。
この先も山で中高年の事故は増々増えていくのだろう・・・

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