とろとろしたブログ

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中国が対衛星破壊実験に成功

2007年01月21日 | 中国関連
米、中国の人工衛星破壊実験に強い警戒感
 【ワシントン=加藤秀央】米国務省のケーシー副報道官は19日の記者会見で、中国の人工衛星破壊実験について「このような行為はいかなる国も行うべきではない」と述べた。米国は1985年に衛星破壊実験を実施したが、副報道官は当時と現在では事情が異なるとも主張、中国による「宇宙での軍拡」に改めて強い警戒感を示した。
 副報道官は米政府が19日までに、ワシントンと北京でそれぞれ中国政府に懸念を伝達したことも明らかにした。中国側の返答はないという。
 破壊実験の影響については、標的となった衛星の破片が通信衛星や気象衛星など経済活動を支える他の衛星に障害を与える可能性があると指摘。「22年前に比べ現在では、実験の影響がはるかに大きい」と説明した。米国が同様の実験をする可能性を聞く質問を受けると「計画も意図もないと理解している」と語った。米政府は衛星攻撃の技術が拡散する事態を恐れているとみられる。(12:48)


 大きなニュースです。

 中国が対衛星破壊兵器を用いて、旧式の人工衛星の破壊実験に成功しています。この破壊兵器がどれほどの性能を持つのかは今のところ不明ですが、ここで重要なことは中国が人工衛星に対する破壊能力を持ったこと、そしてそれを実施する姿勢を明らかにしたことです。

 こういった宇宙兵器と言いますと、冷戦を行っていた当時のアメリカとソ連を思い浮かべる方が多いと思います。Wikipediaによるとアメリカは以下のような感じのようです。

アメリカでもっとも実用に近づいた衛星攻撃兵器は、空軍の対衛星ミサイル・ASM-135ミサイルである。航空機から発射されるロケット推進のミサイルで、1977年から開発されている。このミサイルは二段式固体ロケット(二段とも既存のミサイルからの流用)で、重量60kgの誘導体を最大到達高度1,900km(低軌道衛星の高度)まで打ち上げることができた。偵察衛星は低軌道を周回する事から充分に射程内であった。このミサイルはF-15戦闘機に搭載されて、高度1万2千メートルで空中発射される。1985年9月13日に実際の衛星を目標に試験が行われ、目標衛星に誘導体を命中させて完全破壊することに成功している。しかしながら議会の反対によって量産されること無く計画はキャンセルされた。破壊された衛星の破片がスペースデブリとなって周回し、危険になったからである。その後は、衛星攻撃は主に目潰しを目的とした攻撃にシフトして研究されている。


 冷戦時、宇宙開発についてアメリカをビビらせた旧ソ連は以下のような感じです。

旧ソ連では1968年には最初の衛星破壊実験が行われ、1971年には対衛星兵器を実戦配備していたといわれる。その後、R-36 (SS-9 Scarp) から発展したSL-11と呼ばれる衛星打ち上げロケットが、チュラタム(現カザフスタン)に配備され、1990年まで運用されていたらしい。


 これらは明らかに宇宙条約に違反するものなのですが、この中国の対衛星破壊兵器の実験影響でスペースデブリが発生している模様です。記事の最後にも記載がありますが、この事象の発生により出現する宇宙のゴミによって、近くの人工衛星などに障害を与える可能性が出てきます。障害を与える可能性は数%とも言われ、影響の大きさを考えれば無視出来るものではないでしょう。

 現在の中国は軍の近代化を推し進めてはいますが、まだ旧式だったりするなど、日米の軍には及ばず、今すぐの軍事的脅威というより、18年連続軍事費二桁増という事実からも判るとおり、未来的な軍事的脅威と言えると思います。そんな状況下の中でのこの中国の対衛星破壊兵器の実験成功が世界に与える脅威は大きいのではないかと思います。


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